みなさんがテレビを見る時に芸能人を目にすることはたくさんありますよね!俳優・アーティスト・お笑い芸人…といろんなジャンルの方がいますが、これらの人たち以上に私たちが触れている存在が、今回のテーマである、『ナレーター』です!みなさんが思っている以上にナレーターの仕事は身近なものです。今回はナレーターの仕事について、他の「声の仕事」との違いや必要なスキル・資質を中心に学びましょう。
ナレーターとは
ナレーターといえば、アニメやバラエティー番組の語り手を想像する人が多いかと思います。有名なナレーターさんだと「あ、あの番組の人と同じだ!」と気づく人も多いのではないでしょうか。しかし、ナレーターの他にも「声の仕事」はたくさんあります。まずはナレーターと類似する職業との違いをみてみましょう。
声優との違い
「声の仕事」ときくと、声優を想像する人は多いのではないでしょうか。現在は人気声優がテレビに出演したりと身近になりましたし、近年かなり人気がある職業でもありますね。ナレーターも声優もアニメにおいては欠かせない存在という点は共通しています。しかしナレーターは、アニメでは語り手として出演するため、キャラクターになりきる「声優」の仕事とは少し違います。作品のコンセプトに合わせた話し方で、わかりやすいように話しますし、あえて感情を入れすぎずに話すことも多いのです。
ただし、声優とナレーターどちらも所属している事務所はたくさんありますし、どちらもこなしているプロたちもたくさんいます。興味がある人はオーディションの際に相談してみましょう。
アナウンサーとの違い
また、アナウンサーも声を使う仕事の一つです。しかしアナウンサーもまた、ナレーターとは違う役割を担っています。アナウンサーはニュース原稿を読んだり、バラエティー番組に進行役として出演したり、時には取材に行ってインタビューをしたりもします。情報を収集する側にも徹し、わかりやすく伝えることがアナウンサーの仕事です。また、生放送の対応も多く緊張感のある場面が多いことも特徴です。
また、アナウンサーはほとんどがまずテレビ局に就職し、そのテレビ局の会社員として番組を担当します。そのため、声優やナレーターのようにアナウンサーも兼業でやる、ということは難しいでしょう。
アナウンサーはオーディションがなく、会社員ということもあり安定しているように見えますが、好きなジャンルに必ず関われるとは限りませんし、会社に任された仕事をしっかりこなさなければいけないという責任も伴います。
活躍の場が広い
ここまでナレーターとそのほかの「声の仕事」の違いに注目してきました。しかし最も違う点があります。それが“活躍の場の広さ”です。
ここまでテレビに注目してきましたが、ナレーターの活躍の場はエンタメ分野に限りません。CMや教材、広告のナレーション、美術館・博物館の音声ガイド、展示会場の商品説明、施設の案内アナウンスなど、さまざまな分野で活躍の場があるのです。
このように活躍の場が広いからこそ表現の幅広さが求められます。バラエティー番組と美術館の音声ガイドでは声のトーンも感情の出し方も変わってきます。
ナレーターの働き方
事務所に所属
多くのナレーターは事務所に所属して活動しています。ではどうすれば事務所に所属できるのでしょうか。まずは、事務所に所属するためのオーディションを受ける必要があります。ナレーターの場合はスカウトということはほとんどないので、自分で応募しなければ始まりません。どんなジャンルでナレーターをしたいのか決まっている人は、その分野に強い事務所を選ぶことをおすすめします。好きなナレーターが所属している事務所も調べてみましょう。
事務所に所属した後は、事務所が営業もしてくれますが、仕事をもらうためにオーディションも受けなければなりません。各番組・現場ごとのオーディションを受け、お仕事が決まったらやっとナレーションができます。バラエティー番組の多くは毎週同じ方がナレーションをしているので、このような継続的な仕事があると収入も安定してくることでしょう。
フリーランス
実績がない場合は突然ナレーターになることは難しいかもしれませんが、フリーでも自分で応募してオーディションを受けることが可能です。最近はクラウドソーシングでナレーターの仕事を募集していることも多くあります。しかし、未経験可の仕事の中には割に合わない安いギャラで騙されたり、後々怪しいスクールに勧誘してきたりということもありますので、十分に気をつけましょう。
フリーランスの場合は、動画制作会社に営業に行ったり、自分のボイスサンプルをSNSにたくさん掲載したりと、自分で仕事をとってくることが必要になります。
ナレーターに向いている人とは
ナレーターに必要なことは、まずは正しく大きな声ではっきり発音できることです。また、原稿を時間内に読む必要があるため、時間感覚も必要です。さらに、声だけで番組の世界観を再現できるような表現力も養う必要があります。ナレーターは簡単に見えて細かい技術が求められる繊細な仕事ですので、そのために地道な努力ができる人が向いているでしょう。
また、番組のディレクターやプロデューサーとのやりとりも発生するため、それらの人たちとのコミュニケーションも大切です。なぜかというと、番組制作では映像がほとんど出来上がってから最後にナレーション録りを行います。番組のスタッフたちは制作の段階から関わっていますが、ナレーターだけはほとんど完成した映像をみて数日後にはナレーションを録ることになります。どんな番組なのか、何を意図しているのか、明るいトーンが良いのか、落ち着いたトーンが良いのかなど、的確に把握するためには番組スタッフとの関係性や理解力が必要になるのです。
また、外国語が話せると他のナレーターにはできない仕事を担当する機会もあるでしょう。ただし、付け焼き刃では仕事で通用しないので、まずはナレーターとしての基礎技術を学び、“今外国語ができる人はしっかり続ける”という認識の方が良いでしょう。
まとめ
ナレーターの仕事について、他の仕事との違いや働き方、必要なスキルをみてきましたが、いかがでしょうか。一つの仕事をとるために、技術を磨いたり事務所に所属したりとかなりの努力が必要ですし、常に実力が試されるお仕事です。しかし、いろんな分野に活躍の場があることがナレーターの楽しみでもあります。ちょっとでもナレーターに興味がある、挑戦してみたいと思った方は、事務所のホームページなどではナレーターのボイスサンプルや経歴をみることもできますので、ぜひチェックしてみましょう!