海外ロケには必ず必要!カルネ申請とは?

テレビの番組によっては海外で撮影を行うこともありますよね。 そんな時、事前準備のなかで、絶対に忘れてはいけないのが『カルネ申請』。これを忘れてしまうと、空港の税関で余分にお金を取られてしまうこともあります。 今回は、海外...


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テレビの番組によっては海外で撮影を行うこともありますよね。
そんな時、事前準備のなかで、絶対に忘れてはいけないのが『カルネ申請』。これを忘れてしまうと、空港の税関で余分にお金を取られてしまうこともあります。
今回は、海外ロケに行く人は知っておいたほうがいい『カルネ申請』について解説していきます!

カルネ申請ってなに?

海外ロケのために日本から機材を持ち込む場合、出国の前にカルネを取得する必要があります。『カルネ』は『通関手帳』といわれるもので、空港の税関チェックのときに必要な証明書を言います。
持ち込む機材が日本からの輸入品ではなく、撮影が終わったら必ず日本に持って帰りますよという証明のことで、わかりやすい言葉で言うと『荷物に対するパスポート』ということですね。

ビザと同じように、海外ロケに出発する前にカルネの申請、支払いをすることが必要になります。できるだけ時間に余裕を持って準備することが大事です。

カルネ申請をしてないとどうなるの?

国境を越えるとき、空港では持ち出し物や持ち込み物のチェックをして、税金がかかるものに対しては税を徴収したり、持ち出し持ち込みが禁止されているものは没収されたりしますよね。
特に海外ロケで使う機材は高額で目立つものなので、空港で飛行機に乗せるときにチェックされます。
『それは、どういうものか?』『いくらするのか?』『それを使って商売するのか?』『販売するのか?』など多くの質問に答える必要があってとても面倒です。
また、各空港の税関で、日本から持ち込み、そのまま日本に持ち帰るものだと理解してもらえなければ、輸入品や輸出品と間違われて税金がかけられてしまうこともあります。

そういったときにあらかじめ『使用目的』『旅程』などがリストになっている『カルネ申請』をしておけば、税関手続きを簡単に済ませることができるというわけです。

カルネ申請ってどうやるの?

カルネ申請は、一般社団法人 日本商事仲裁協会(JCAA)に登録して申請をするとカルネが郵送されてくるので、記入して申請します。
カルネは国を通過するたびに通関の記録を記載してもらって、撮影が終わって帰国したら、カルネは協会に返還します。

カルネ申請をして出国するまでの流れ

出国までの流れは以下になります。

①オンラインで仮登録し、登録申請書をJCAAに提出
②カルネ電子申請システム利用のための通知書とID、パスワードが郵送で届く
③カルネ電子申請システムを利用して、申請内容を入力して送信
④審査を受けて、通過すると発給日と発給料金が決定
⑤発給料金を振り込み
⑥郵送あるいは窓口で書類を受け取る
⑦日本を出国時に、輸出ページに必要事項を記入
⑧空港で税関に、物品とカルネを提出してチェックをしてもらう

ここまでの作業を行ってやっと機材を飛行機にのせることができます。

ロケ地の空港についたら

そしてロケ地の空港についたら、税関で物品とカルネを提出し、確認後、通関記録ののったカルネを受け取ります。飛行機に乗るたびに、この通関手続きをする必要があります。

帰国時の流れ

撮影が終わって、日本へ帰国した際の手続きは以下の通りです。

①日本に戻ってきたら、再輸入通関を行うため、空港の税関で物品とカルネを提出。
②税関が確認したら、通関記録ののったカルネを受け取る。
③使用完了したら、カルネを協会に直接窓口に届けるか、郵送で返還します。

カルネ申請のリストには何を書くの?

リストには英語で以下の内容を記入していきます。

・物品を特定できる具体的な名称・メーカー名・型番・シリアルナンバー
・個数
・重量
・日本での販売価格
・物品の最終加工国(ISOコード 2文字)

機材は全てをリストにするので、カメラ以外にもレンズやライト、マイク、音声機材、三脚、モニター、バッテリー、バッテリーチャージャーなどすべてを記載する必要があります。

カルネ申請はいくら?申請に時間はどれくらいかかるの?

2023年10月3日審査完了分よりの改定によると、発券手数料として発給手数料18,000円かかります。また、カルネ枚数が20枚を超える場合は、超過1枚につき50円加算されます。日本を含めて通関回数が8回を超える場合、超過1回につき600円かかります。それと、所定の担保(現金担保など)が必要です。

カルネ申請に時間はどれくらいかかるの?

協会に申請をしたら、審査が始まります。
その後、審査が完了してから営業48時間後に発券という流れですが、混雑状況にもよるので余裕をもって申請するとよいでしょう。

まとめ

今回は『カルネ申請』について細かくみていきましたがいかがでしたでしょうか。『カルネ申請』は海外ロケを行う場合には、必ず必要な作業になってきます。また、その準備は番組のADさんが発注先の技術会社とやり取りしながら進めていくことが多いです。将来、海外ロケのある番組に携わりたい人は覚えておくといいかもしれません。