新人AD(アシスタントディレクター)の大変だった仕事

今回は、某バラエティ番組でADとして働いた経験をもとに、新人の頃つまずいた仕事や、思い出に残っているロケなどを紹介していきたいと思います! 買い出し編 緑のパプリカ ロケで、パプリカを3種類買いに行く必要があり、赤、黄、...


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今回は、某バラエティ番組でADとして働いた経験をもとに、新人の頃つまずいた仕事や、思い出に残っているロケなどを紹介していきたいと思います!

買い出し編

緑のパプリカ

ロケで、パプリカを3種類買いに行く必要があり、赤、黄、緑のパプリカを揃えて欲しいとディレクターから要望がありました。近辺のスーパーに在庫確認の電話をかけまくり、赤、黄のパプリカは入手できたのですがどうしても緑のパプリカだけが見つからず、要望がきたのも、ロケ前日だったため、緑のパプリカ探しを断念し、なんとか緑のピーマンで代用できないかとディレクターを説得しました。無茶な買い出しを要求された際は、努力した旨をきちんと説明し、なんとか妥協してもらえる対策も考えておきましょう!

幻のアルバム

アルバムを10冊購入して欲しいとお願いされましたが、買い出しを頼まれた日は収録前日でした。統一感を出すため、指定された種類のアルバムがあったのですが、そのアルバムは、有名家電量販店1店舗につき、1冊しか売っていないほど販売数が少ないアルバムでした。大雨の中、都内では町田まで行き、神奈川県、埼玉県までまわりなんとか必要数を集めることができました。あらかじめ使用するとわかっている買い出しは、ギリギリを攻めるのではなく、計画的に買っておきましょう。

空の一升瓶

あるロケで大きさを比較するために、お酒の一升瓶を空にして持ってきて欲しいと言われました。ネットやスーパーで安いものを購入しようと考えていたら、プロデューサーからなるべくお金をかけないでほしいと言われ、会社の近くの一升瓶が捨ててある居酒屋をめぐり、「突然すみません、外に置いてある空の一升瓶いただけますせんか…?」とお願いしました。快くいただくことができたのですが、とても恥ずかしかったです。

ロケ編

ゲリラ豪雨

この日は、都内を何ヶ所か巡るロケを予定しており朝からインサート撮影をし、お昼からタレントさんが合流する予定でした。インサート撮影が無事に終わり、あとはタレントさんを待つだけという状態のときに大雨が降ってきてしまい、オープニングと1箇所目は屋外で撮影する予定だったため、1時間ほどロケバスで待機するという状況になってしまいました。予定していたロケ先の担当者にロケを決行できなくなった旨を説明し、決定前に候補にあがっていたロケ先に急遽撮影交渉をし、なんとか室内でできるロケに切り替えました。何が起きるかギリギリまで分からないので、臨機応変に対応できるように落ち着いて行動することが大切です。自然現象は仕方ないことなので、予定通りに決行することは諦めて他の策を考えましょう!

ロケ前日、焼肉事件

この時は2日連続ロケが入っており、夜遅くまでロケをした後に、次の日の準備もするという時間があまりない状況でしたが、ロケ終わりにプロデューサーから焼肉のお誘いがあり、お肉の誘惑に負けて「2時間だけ!」と思い行きました。すると、ついつい楽しくなってしまい、気づけばロケまで残り3時間になっていました。前日の大雨ロケで疲労困憊の中、美味しいお肉とお酒のおかげで眠気は最高潮まで達していました。急いで近くのホテルでシャワーを浴び、会社に戻り、ロケの準備をしました。なんとか間に合ったのですが、楽しくなってロケのギリギリまでお酒を飲むのは避けましょう。

蓋を開ければ顔出しNG

ロケ先でインタビューに答えてもらい、回答も完璧だったため、絶対に使える!と思っていたロケ先の店員さんに、ロケ終了後出演承諾書を書いてもらおうとすると、「私、顔出ししたくないです。全モザイクと声変えてください」と言われてしまい、泣く泣くカットすることになりました。インタビューを行う際は、企画趣旨やテレビに映る旨をきちんと説明してから撮影するようにしましょう。

ロケ先の担当者行方不明事件

ロケ当日の段取りや、許可取りの連絡をとっていた担当者の方がロケ当日の時間になっても現れず、許可はとっていたので問題なかったのですが、別の担当者に企画や段取りを全て一から説明しないといけなくなってしまいました。臨機応変に対応してくださったのでことなきを得ましたが、タイムロスにも繋がってしまいました。後日話を聞くと、元々ロケには同行する予定がなかったそうです。先方と連絡を取る時は、細かい部分まで確認しながら進めましょう。

収録編

大量の洗い物

この日の収録は、料理をたくさん出してタレントさんに食べてもらう企画でした。必要な食器は、美術さんに出してもらうのですが、タレントさんに出すものなので、事前に綺麗に洗う必要があり、カメリハのギリギリまでひたすら食器洗いをしていました。必要な数より多めに発注しているので、全部の食器を洗う必要はなかったのですが、何も分からなかった私は全ての食器を洗い、先輩 ADに「こんなに洗わなくてよかったのに!」と言われ、なんとも言えない気持ちになりました。無駄な労力を使わないためには、頼まれた仕事は確認しながら進めましょう。

足りない食材

タレント10人に試食してもらうにも関わらず、モノが6個しか用意されていない、予定していた試食人数よりも増えてしまい急遽食材が足りなくなった、調味料を購入し忘れていた、など、何度も買い出しに行くのはADあるあるなので、買い出しに行く回数をなるべく減らすためにも、多めに買っておく、本当に追加がないか何度も確認するなど対策を練っておきましょう。
「痩せるため!ダイエット!」と気持ちを鼓舞しながら大量の買い出しを乗り切ることも大切です(笑)

収録後、爆睡

2本撮りの収録の、1本目を担当していたため、早めに収録を終え片付けを終わらせ、会社に帰ろうとタクシーを呼びました。制作控室でタクシーを待っている間に、気づけば爆睡していました。収録が終わった安心感により、1時間ほど寝落ちしてしまっていたため、起きた時には2本目のタレントさんが番組最後の番宣をしており、携帯には先輩からの大量の不在着信がきていました。一緒に寝てしまっていた先輩を起こし、慌てて会社に帰る準備をしました。気が抜けて寝てしまう前に、まずはスタジオから出ることを優先しましょう(笑)

まとめ

最初から完璧に仕事をこなせる人はいないので失敗を恐れず、1度したミスは繰り返さないということをモットーにどんどんチャレンジしていくことが大事だと思います。私もたくさんの失敗を通じて、いろんな学びを得ることができました。とはいえ、少しのミスで取り返しのつかないことになってしまう可能性もある業界なので、先輩との報告、連絡、相談を欠かさないことを心がけていましょう。私は、先輩の後ろをピクミンのように付いて回って仕事を覚えていきました。分からないことがあれば、その都度聞きまくり、メモ帳を何冊も真っ黒にしていました。初めは分からないことだらけで、覚えることもたくさんありますが、息抜きする方法を見つけながら楽しんで仕事できるのが1番ですね!