ADの面接ではどんなことを質問される?質問例とみられるポイントを解説

テレビ業界において、ADは番組制作を支える重要な存在です。番組内でADが映る場面を見かけることもあり、番組制作という華やかなイメージから就職を希望する人は多くいます。 ADを目指す際は、一般企業と同様に面接を受けることが必要です。しかし、テレビ業界と一般企業の面接は異なるイメージがあり、どんなことを聞かれるか予想しづらい方もいるのではないでしょうか。 今回はADの面接時に質問されやすい内容や重視されるポイントなどを紹介します。ADの面接対策の参考にしてみてください。


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ADの面接で見られる2つのポイント

ADの仕事において重要なスキルは、コミュニケーションスキルと忍耐力です。これらは面接でも注目されるポイントです。それぞれが重要視される理由についてご紹介します。

コミュニケーションスキル

ADは番組制作を支えるために、多くのスタッフや関係者とコミュニケーションを取る必要があります。ひとつの番組を制作するために、演者やディレクター、プロデューサー、広報、カメラマンなど、総勢200名以上が関わるといわれています。

制作スタッフや技術スタッフ、出演者などテレビ業界に直接関係がある人たち以外にも、ロケ先や取材先で交渉することもあり、あらゆる立場の人と関わることになります。

そのため、仕事を円滑に進めるためには良好な人間関係を築くことが大切であり、これがコミュニケーシスキルを重要視する理由です。

面接では、しっかりと会話のキャッチボールができているか、発言に矛盾がないかなどがチェックされます。面接では緊張することもあります。その中でも質問に適切に答えて、一貫性のある回答を意識することが評価材料のひとつとなります。

また、コミュニケーションスキル以外にも業界への興味関心の強さも見られています。番組制作に対する熱意があれば、自然と連携やコミュニケーションを取ることにもつながります。モチベーションの高さは、ADの仕事でも重要視されるポイントです。

忍耐力

ADは業務量が多くなることもあり、最後までやり遂げる精神的な強さが求められます。

ADは番組制作の現場でさまざまな業務を依頼される立場になるため、状況によっては休憩がゆっくり取れなかったり、休日出勤したりすることもあります。収録やOAが近づくと、なかなか業務が終わらず時間の余裕がない状況が続くことも多いです。

そんな中で、ADとして活躍するには業務のプレッシャーにも耐えられる忍耐力が必要になります。面接では、「ADとして働く覚悟があるか」「苦しい状況でも切り抜ける精神力があるか」などを見られることが多いです。

【テレビ業界】ADの面接で聞かれる質問例

ADの面接では、テレビ業界らしい質問もありますが、自己紹介や志望動機などはほかの職種と同様に聞かれます。そのため、一般的な面接対策も重要です。こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【例文あり】テレビ業界の志望動機の書き方!含めるべきポイントは?

ここではADの面接で聞かれやすい質問の例をご紹介します。

どんな番組を制作したいか

企画力や発想力だけではなく、意気込みや熱意なども確認するための質問です。ADの面接では高い確率で質問される内容であり、この質問はふたつの側面から聞かれます。ひとつは「入社後、1年目から携わりたい番組は何か」という側面、もうひとつは「将来的にディレクターやプロデューサーとなって、どんな番組を新しく作りたいか」という側面です。

まず、ひとつめの入社後にどんな番組に携わりたいかについてです。これは、どのAD面接でも聞かれる基本的な質問で、配属の希望先を回答します。その際、面接を受けている会社がどんな番組制作をしているのかを、事前にリサーチしておくことが大切です。そのうえで、自分が本気で携わりたい番組を、その理由や熱意と共に伝えると、面接官の印象に残りやすくなります。

そして、ふたつ目の側面である、どんな番組を作りたいかについては、面接官に面白いと思ってもらえるような新しい企画を考えておくと好印象を与えられます。さらに、なぜその企画を考えたのか、番組を制作したい理由なども具体的に説明できると、熱意も伝わって高く評価されやすいです。ただし、過去に放送された番組企画と同じ内容を答えると、企画力や発想力があるとは評価されません。

あえて過去の企画と被せる場合は、アレンジ案やブラッシュアップ案、その番組への思い入れなども詳しく説明する必要があります。また、企画の視聴ターゲットを考えることも重要です。テレビ番組はCM等の広告収入によって収益を上げているため、企業がCMを入れたくなるような購買意欲の高い10代〜50代をターゲットするのがおすすめです。

どんな番組が好きか

好きな番組の内容は、採用後の配属先を決める参考材料となります。そのため、正直に自分の好きな番組や興味のあるジャンルを回答しましょう。

面接を受けるテレビ局や制作会社の番組以外を答えても問題はありませんが、できれば志望先の番組をいくつか挙げた方が好印象です。

志望先のテレビ局や制作会社が制作している番組とあまりにもかけ離れている返答をした場合は、「自社に適しているか?」と疑問に思われる可能性があるため注意してください。

また、答えた番組を好きな理由については、「面白いから」や「出演者が好きだから」などの表面的な回答では不十分です。面白く感じる根拠やキャスティングの良さなど、深く掘り下げた理由を説明できるように考えておきましょう。

さらに、制作側の視点になって、企画の斬新な点やこだわっていると感じるポイントなど、自分なりの考察を加えることでも熱意をアピールできます。

他にどんな企業を受けているか

テレビ業界の仕事はハードワークになりやすく、モチベーションが保てず早期退職するケースも珍しくありません。面接官としては、採用後の早期退職を避けたいため、応募者の本気度や意欲を確認する目的でこの質問をします。

ほかのテレビ局や制作会社を受けている場合は、正直に話しても悪い印象は与えません。テレビ業界で働きたいという意欲が十分にあるかが重要です。

しかし、テレビ業界以外の企業にも応募している場合は、一貫性がないと判断されて良い印象を残せないかもしれません。

テレビ業界の選考は、記念受験のような軽い気持ちで応募する人も一定数存在します。面接では、本気でADとして働きたいと思っている人を厳選する必要があるため、テレビ業界以外にも選択肢を考えている応募者は熱意がないと判断される可能性が高いです。

ADの仕事をしたいと考えているのであれば、テレビ業界に絞って就職活動をしましょう。

ハードワークに耐えられるか

ADの仕事は、カレンダー通りの休みになることは少なく、不規則な休日が続くこともあります。制作する番組や進捗状況によっては、シフトが変更されることも多く、夜中まで作業が終わらない日も珍しくありません。

時間や業務に追われるプレッシャーにも耐える必要があるため、強い精神力や忍耐力は非常に重視されるポイントです。今まで学校や部活動、アルバイトなどを無遅刻無欠席でやり遂げた経験がある場合は、アピール材料になります。

これまでの人生で辛い経験や我慢が必要だった出来事などがあれば、どのように乗り越えてきたかといったエピソードを交えるのも得策です。

また、日常的なストレス発散方法や健康管理の方法がある場合もアピールポイントになります。

さらにこの質問には、ハードワークと分かっていてもADとして働きたいという意思や、仕事に対する価値観を整理するための意味合いも含まれています。そのため、大変でもやり遂げたいという気持ちや、ADという仕事をどれほど重視して考えているかなどを伝えることも大切です。

ADの面接を受ける前に把握しておきたいこと

ここではADの面接を受ける前の確認事項について紹介します。

案内に沿った服装を整える

テレビ業界の面接は、比較的フランクな雰囲気で実施されることが多いです。

そのため、服装はスーツではなく私服で良いというケースも珍しくありません。一般企業の面接ではスーツが当たり前であるため戸惑う方もいるかもしれません。面接の案内文に指定があった場合のみ、その内容に従う形で問題ありません。テレビ業界は、私服で勤務する業界ということもあり、面接官が普段の様子を見たい考えから私服としている場合もあります。

そのため、私服は普段通りの自分らしい格好で問題ありませんが清潔感は大切です。シワや汚れが目立っていると良い印象は与えません。例えば、バラエティ番組であれば個性や明るさを重視したスタイル、情報番組であれば大人しめのカジュアルなどで大丈夫です。

逆質問を準備しておく

面接は企業側が応募者を選考するために重要ですが、面接を受ける側が会社や仕事内容を知る場でもあります。そのため、面接の最後には「何か質問はありませんか」と尋ねられることも多いです。

テレビ業界は、仕事内容を把握することが難しく、働くイメージがしにくいかもしれません。

ADとして働くとどのような業務を任されるのか、実際の現場では何が求められるのかなど、素直に気になる部分を逆質問してみるのも良いでしょう。

また、現場の人が感じる仕事のやりがいや楽しみなどを聞くこともおすすめです。そのほか、面接官のおすすめの番組や今見ておくべき番組や映像作品を聞くのも良いです。

逆質問をすることで、ADに興味を持っていること、本当に働きたいと思っていることなどのアピールにもつながります。

まとめ

ADは人と関わることが多く、さらにディレクターやプロデューサーになるまでの下積み時代はハードになりがちな仕事でもあるため、面接ではコミュニケーションスキルや忍耐力を見られやすいです。

好きな番組や制作したい番組など、テレビ業界らしい質問も多いため、あらかじめ答えを考えておくことも大切です。仕事に対する熱意はどの業界でも重視されるため、ADになりたいという気持ちを伝えることが最も大事です。