ADへの転職は難しい?難易度と傾向
ADへの転職は筆記試験や面接試験で採用基準を満たす必要があります。特に東京のキー局となると、高い倍率を潜り抜ける必要があります。一方で、番組制作会社の場合、学歴や年齢を問わずADを募集していることもあり、テレビ局ほど倍率は高くありません。
未経験から転職を考えている場合、年齢が上がるとハードルも高くなる傾向があります。未経験から転職を考えているなら、できるだけ早く一歩を踏み出したほうが得策です。
ADへの転職に活かせる4つの強み
ADに求められるスキルを踏まえて、ADへの転職に活かせる強みを4つ紹介します。
強い精神力
強い精神力があることは、ADを目指すうえで大きな強みになります。
ADの仕事は、1年目からロケ先の仕込みなど、責任の重い業務が多くあります。また、すぐにカメラマン歴30年のような、職人気質なベテラン勢と仕事をすることになるため、覚えることも多くプレッシャーが大きいです。
ADとして活躍するには、そのような重圧に耐えられることが求められます。中には業務の多忙さやプレッシャーに耐えられなくなり、ADの仕事を諦めてしまう方もいます。そのため選考では応募者の精神力や業界志望度の高さ、意欲的に取り組む姿勢があるかをみられるのです。
自分の意見を言える力
番組制作において、自分の考えや思いを正しく伝える力が求められます。また、テレビ業界を盛り上げるためのアイディアを出す力も必要です。その基礎として、自分の意見を言える力や、考えをまとめられる力は強みとなります。
ディレクターになるとアウトプットが必要となりますが、AD時代はインプットがメインです。そのため、業務の中で自発的に学べるかどうかも選考時にチェックされるポイントです。
コミュニケーション能力
ADを目指す際は、コミュニケーション能力もみられます。
番組制作では、出演者や一般の方、制作スタッフなどさまざまな人と関わるため、どんな相手にも気配りや心配りができることが大切です。忙しい現場では時間をかけて関係構築を図れないため、円滑にコミュニケーションを取れる力が求められます。
また、ADは情報集めにリサーチを行いますが、その後取材交渉の役割も担います。関係者への交渉をスムーズに行うために、コミュニケーション能力とあわせて正しく情報を伝える力も必要です。
マルチタスクへの対応力
ADは撮影場所の準備や撮影交渉、制作進行など期日に向けて同時並行で進めなければならない仕事が多いです。そこで活かせるのがマルチタスクへの対応力です。
マルチタスクには、慎重さや臨機応変さ、判断力などが求められます。現場では突発的なトラブルがあっても、期日内に制作を完了させなければなりません。適切な判断を下し複数の仕事を着実にこなせる力は、大きな強みとなります。
強みを生かしてADへの転職を成功させるためのポイント
ADへの転職を成功させるには、業界理解を深め、選考で的確に強みをアピールすることが大切です。また、転職後すぐにミスマッチによって離職しないように、業界の特性についての知識も身に付けておく必要もあります。
応募条件を確認しておく
ADになるにあたって、必須となる資格や免許はありません。キャリアのスタート地点では経験の有無も特に問われないので、さまざまな職種からADへの転職を成功させている方も多いです。
ただし、募集先によっては年齢や一定の学歴が募集要項に定められています。
番組制作会社は学歴や年齢を問わない求人がありますが、キー局をはじめテレビ局の場合は四年制大学卒業以上の学歴を求められることが多いです。応募する際は、応募条件を確認しておきましょう。
面接で強みをしっかりアピールする
面接では、業界が求めるスキルをイメージしながら自分の強みをアピールすることが重要です。
業界未経験であっても接客業や営業職の経験があることは、コミュニケーション能力や臨機応変な対応能力のアピール材料になります。ADとして働く姿をイメージできるようなエピソードを交えると効果的です。
また、強い熱意があることは高く評価されます。自己PRでインパクトを残すことが重要です。
ADの仕事内容や労働環境を把握しておく
仕事内容や労働環境への理解が不十分だとギャップを感じ、転職後すぐに離職してしまうおそれもあります。
ADの仕事環境にはハードな面があり、休日や休憩時間が不規則になることも多くなります。収録やOAに間に合わせる必要があるためです。
労働環境は以前に比べると改善傾向にありますが、大変な仕事であることを念頭に置いておく必要があります。
転職後のステップアップをイメージしておく
ADからスタートし経験を積む中で番組内のディレクターやプロデューサーに実力を認められ、ディレクターに昇格するのが一般的なキャリアステップです。
ディレクターに昇格すると番組を任せられたり年収がアップしたりと、仕事内容や労働環境が大きく変わります。一般的には3~5年、バラエティ番組の場合は5~6年前後で昇格することが多いので、数年先の自分をイメージしながら働くことが大切です。
ADへの就職・転職を目指す方法
ADへの就職・転職を目指すには、業界への就職実績のある学校に進学するほか、業界でアルバイトをする方法や転職エージェントを利用する方法があります。
テレビ業界に有利な学校に進学する
ADを経て、将来的にディレクターやプロデューサーを目指すには、四年制大学を卒業しておく方が有利です。
必ずしも放送に関わる学科である必要はありませんが、卒業後の就職先や就職率を参考にして学校を選ぶと良いです。映画など、映像分野を学べる専門学校で知識を身に付けたあと、業界を目指す方法もあります。
テレビ業界でアルバイトする
テレビ業界を志望しているなら、大学や専門学校に通いながら業界でアルバイトを行うのもおすすめです。学校では学べない現場の知識や経験が身に付き、経験があることで就職・転職活動を有利に進められます。
テレビ局の求人は正社員や契約社員が中心です。アルバイトの求人数は多くありません。しかし、キー局に比べると、地方局やケーブルテレビの方が求人を見つけやすいといわれます。
アルバイトの募集は、局以外に局の関連会社や制作会社でも行われています。
転職エージェントや人材派遣会社を活用する
ADになるための転職活動では、転職エージェントや人材派遣会社も活用できます。業界の動向や採用のコツを熟知しているコンサルタントが付くので、効率良く転職活動を行えることがメリットです。エントリーシートの書き方や面接対策もサポートしてもらえます。
人材派遣会社は、会社によって強みや取り扱う求人はさまざまで、公開されていない求人情報も多数あります。ADを目指すなら、メディア業界に特化した会社を選び、配属実績を担当者に確認することをおすすめします。
まとめ
ADへの転職は、番組制作に携わりたいという強い熱意があれば未経験であっても可能です。1年目から現場を支えていかなければならないので、ハードな仕事になります。強い精神力やコミュニケーション能力、マルチタスクへの対応力などが求められるので、自分の強みを活かして転職を成功させましょう。