「ADはきついだけじゃない!」楽しい仕事内容とは?
ADという仕事に対して、大変なイメージを持つ方が多いと思います。イメージ通り、もちろん大変な仕事です。
しかしこの業界でしか体験できない楽しいことも山ほどあります。
仕事を通して「非日常体験」ができることをモチベーションにしているADは大勢います。
そこで今回は現役ADの話や元ADの実体験をもとに、ADの仕事内容について紹介していきます。
そもそもADはどんな仕事をしているのか?
ADとはアシスタントディレクターの略で、ディレクターのアシスタントとしてテレビ番組の制作現場で
活躍する仕事です。
業務範囲は幅広く、企画立ち上げのためのリサーチや、ロケハン、ロケ、収録、編集など様々な業務を
行なっています。
より良い番組制作を目指しスタッフは日々奮闘しているため、企画が急遽変動したり、編集が長時間に
渡ったりなど、予定通りにいくことは少なく、大変な業務も多くあります。
また、番組スタッフ以外に、取材先の方や演者の方と関わる機会もあるため、コミュニケーション能力や
臨機応変な対応力を求められる場面もあります。
覚悟して業界に入ってきたものの、覚悟が足りず思った以上に大変だったというギャップもありますが、
業界ならではの楽しい業務も多数あります。
①収録を生で見られる
収録を生で見られるのはこの仕事ならではです!
今回の収録は自分の憧れのタレントさんがスタジオに来るから頑張れる!といったADがほとんどでは
ないのでしょうか。会えた喜びを全力で表情に出すことはできないですが、心の中では大興奮しています。
また、芸人さんの生のリアクションや放送では使用されなかったトーク内容などを間近で見られるのは、
やはり収録の醍醐味です!
収録では、リサーチから編集まで、自分たちが時間をかけて準備したVTRをスタジオで流し、
タレントさんに見てもらいます。
VTRを見ているタレントさんの反応を見たり、タレントさんのトークを聞いたりと、テレビでの放送とは
違った、生の反応を肌で感じることができます。
自分が関わった企画にツッコミを入れてもらったり、感動してもらったりリアクションを取ってもらうことで、
準備は大変だったけど、収録での感動が忘れられず、業界を続けているADは多いのではないかと思います。
タレントさんがボケたり面白い発言をした際は、制作スタッフも一緒に声を出して盛り上げるので、
タレントさんも含め、みんなでひとつの番組を作っているという一体感も感じられます。
②様々な業界とのつながりがある
番組によっては、タレントさんではなく一般の方を取材しロケをするといった内容の番組もあります。
企画が決定するとリサーチをし、企画内容に合わせた人物を探して取材交渉を行います。
内容によっては、様々な業種の方を取材するので、ロボット開発に携わっている方から和菓子職人、農家の方、音楽家まで幅広い職業の方と関わることができます。
自分が見つけ出した方と放送まで関わることになるので、長きに渡ったお付き合いになり、
番組を制作するという目的だけではなく、制作を通して人とのつながりを実感します。
実際の経験では、ねぶた職人の方の取材で青森県にロケに行き、ねぶた作りの工程を見せていただいたことが
あります。
また、職人さんのご厚意でねぶたの色付けをさせていただき、またとない体験をすることができました。
さらに、特に仲良くなった方とは、放送後の交流もあります。
取材させていただいた農家の方が毎年美味しい野菜を番組のスタッフルームに送ってくださったり、ご自宅でのバーベキューに招いてくださったりなど、ひとつひとつの取材がとても思い入れのあるものになります。
③プライベートではなかなか行かない・行けないところに行ける
ロケで様々な場所に行くことができるのもこの業界の醍醐味です。
旅行ではなかなか行かないような秘境に行ったり、崖のような山を登って撮影をしたり、
ガイドブックには載っていない場所に取材に行く機会があります!
場所によってはコンビニがなかったり、交通の便が悪かったりと、ロケをするには準備がとても大変な環境ではありますが、その分、普段の生活では見られない景色を見ることができます。
そのため、ADの写真フォルダにはあまり見かけない綺麗な景色や海外の写真などたくさん保存してあるので、
写真を見返し、友達との旅行でロケ場所を再度訪れるといったADも多いです。
また、企業の工場やアニメーションの制作現場など、普段は入ることのできない場所を取材させていただくこともあるので毎回違った楽しい経験ができます。
例えば、、アニメーション制作に密着取材させてもらった経験があるスタッフがいます。そのADは、なんと
アフレコに参加させていただき、実際にアニメ映画の一部分で自分の声が使用されていたそうです!
さらにその映画のエンドロールにも載せていただき、とても贅沢な経験をしていました!
④美味しい料理が食べられる!
番組によっては、企業の新発売の食品や、ロケ先の食材を使った料理など、料理の撮影もたくさんあります。
ロケ中はもちろん撮影に集中しなければなりませんが、料理など、その商品だけを撮影するインサート撮影は
別日で行っており、撮影後はその料理をいただく機会があるので美味しくいただいています。
ロケ先の方も自分が作った料理をADが美味しそうに食べているのを見ると嬉しいようで、料理を次から次へと
お皿に入れてくださるので、お腹が満たされて幸せな気持ちになり、次の仕事も頑張ろうと思えます!(笑)
残さずいただくのもADとして大切なことです。
上記で楽しい業務を紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
これだけ楽しいことを紹介しましたが、でもやっぱりADは大変な仕事です!
しかし、大変な中に楽しいこともあるとこれからも頑張ろう!と思えるADは多いのではないかと思います。
人や場所との新しい出会いが次に繋がり、他の企画でそのご縁を活かす場面も多々あります。
ADの仕事は、言うなれば「非日常が日常になる」仕事です。