女性も活躍している!スタントマンになるには?

スタントマンとは ドラマや映画の危険なシーンで活躍するスタントマン。高いビルから飛び降りたり、爆発に巻き込まれたりするシーンを演じるなど危険を伴う仕事ですが、最近では「今際の国のアリス」や「キングダム2」などの話題作で活...


この記事は約6分で読み終わります。

スタントマンとは

ドラマや映画の危険なシーンで活躍するスタントマン高いビルから飛び降りたり、爆発に巻き込まれたりするシーンを演じるなど危険を伴う仕事ですが、最近では「今際の国のアリス」「キングダム2」などの話題作で活躍する坂口茉琴さんのように、女性のスタントウーマンも活躍しています。今回はそんなスタントマンについてご紹介します。

仕事内容

スタントマンは、映画やドラマの乱闘シーンやカーチェイスなど、身体に危険が及ぶシーンで演技する仕事です。スタントマンには危険なシーンでも安全を計算に入れながら演技をすることのできる、卓越した運動能力が必要になります。その反面、実際の危険な場面より、演技によって一層迫力あるシーンに仕上げなくてはいけません。スタントマン独自の演技力も大切な要素です。

スタントの種類は、「ボディスタント」「カースタント」の2つに分かれます。

◆ボディスタント
高いところから飛び降りたり炎に包まれたりするなど、体を使って危険な演技をするのがボディスタントです。子どもに人気のヒーロー戦隊ものの作品で、変身後の姿になって演じるスーツアクターも、ボディスタントと呼ばれています。

◆カースタント
乗り物に乗って演技するのがカースタントです。車・バイクによるカーチェイスや、事故のシーンなどを演じます。どちらの場合も、迫力のあるシーンを生み出すためには、強靱な体力や高度な技術が必要です。

スタントマンになる方法

スタントマンになるには、どうすればよいのでしょうか。ここでは代表的な2つの方法をご紹介します。

◆スタントマンの養成所で技術を学ぶ
スタントマンになるには、専門の学校・養成所に通って技術を学ぶことが必要です。学校・養成所では、殺陣・カースタント・ワイヤーアクション・爆破アクションなど、危険なシーンを演じるために必要な知識や、安全管理方法などを学べます。演技指導をしてくれる養成所もあるので、アクションだけでなく、役者としてのスキルを身に付けたい人にもおすすめです。学校・養成所によっては、入所するためのオーディションを実施しているケースもあります。常に募集しているわけではないので、小まめにチェックしておきましょう。

◆プロダクションに所属する
スタントマンとして働くためには、専門の事務所・芸能プロダクションに所属するのが一般的です。事務所・プロダクションに入るためにもオーディションを受けるのが基本ですが、養成所が運営している場合も多く、卒業後そのまま所属できるケースもあります。スタントマンの求人は、一般に公開されることはほとんどありません。通常は、事務所などを通じて仕事を請け負います。そのため、どの事務所に所属するかしっかり考えて選ぶことが大切です。なお、スタント専門ではない、一般の事務所に所属する人もいるようです。

スタントマンに必要な能力とスキル

命の危険が伴うケースが多い仕事なので、スタントマンにはさまざまな能力・技術が求められます。ここでは代表的なスキルを4つ紹介します。

◆優れた身体能力
ドラマ・映画などを盛り上げるためなのはもちろん、自分の体をケガから守ることにもつながります。カーチェイスや爆破シーンなどの場合、優れた反射神経がないと、大きな事故につながってしまう可能性もあります。生まれつき身体能力の高い人は、スタントマンに向いているといえるでしょう

◆演技力
スタントマンは、ただ危険なことをする人ではなく、俳優の代わりにそのシーンを演じる役者です。顔が映ることはないものの、自然な動作に見えるように演技する必要があります。例えば、階段から落ちるシーンでは、ただ飛び降りるのではなく、状況に応じた演技をしながら落下しなければなりません。また、1人で複数の登場人物のスタントを担当し、キャラクターを演じ分ける場合もあります。安全には十分に配慮しながらも、リアリティのある演技をすることが大切です。

◆勇気・体力
激しいアクションをするには、体力が必要です。例えば、カーチェイスなどのシーンでは、車が激しくぶつかり合ったり、横転したりすることも珍しくありません。ギリギリのタイミングで、危険を回避しなければならないケースも多々あります。打撲・捻挫などのケガをしても、そのまま撮影を続けなければならない場合もあるでしょう。大きな事故を防ぐためにも、日頃からトレーニングなどで体力をつけておくことが大切です。また、足もすくむような高い場所から落下するなど、恐怖心を抑えて演技しなければならない場面も数多くあります。恐怖心がケガにつながることもあるため、強い精神力・勇気も必要です。

◆運転免許
スタントマンは、運転免許がなければなれないわけではありませんが、カースタントをする際に必要となるため、取得しておくのがおすすめです。普通自動車免許のほか、大型免許なども取得してさまざまな種類の車を乗りこなせるようにしておくと、仕事の幅が広がります。カースタントを中心に担当したい人は、大型自動二輪などのバイク免許も取得しておくとよいでしょう。安全運転に関する知識を身に付けていることはもちろん、迫力のあるカーチェイスシーンを演じるためには、優れた運転テクニックも必要です。

スタントマンの年収

スタントマンの平均年収は、300万円〜400万円と言われています。スタントマンは1つの仕事を受けることで給与が支払われるようになっているため、人気のあるスタントマンになれば、平均年収以上を得ることが可能です。ただし、スタントマンとして経験が浅い方や、失敗することが多い方は、平均以下の年収になることがあります。スタントマンの主なギャランティは下記の通りです。

・格闘シーン:1万円〜3万円
・車にはねられる:3万円〜5万円
・階段から転げ落ちる:5万円〜7万円
・火だるまになる:70万円〜100万円

スタントマン顔負け!スタントに挑戦する映画スター

ド派手な爆発や危険なアクション。我々を興奮させてくれるハリウッド映画は危険なスタントが付き物です。多くの場合、訓練されたプロのスタントマンが俳優に代わってこれらを行うものですが、中には超人的な身体能力や並外れた精神力で自らこなしてしまうスターもいます。

例えば、「ミッションインポッシブル」で、断崖絶壁からバイクで飛び降りたトム・クルーズや、「プロジェクトA」で、地上25mの時計台から落下したジャッキーチェン「007 カジノ・ロワイヤル」で、地上数10mの高さのビルの塀を命綱無しで飛び越えたダニエル・クレイグなどです。
最近では、スタントマンが主人公の映画「フォールガイ」で、主演のライアン・ゴズリングが自らスタントに挑戦し、ビルの12階からダイブしたことも話題となりました。

まとめ

スタントマンは、高いところから落下したり炎に包まれたりと、命に危険がおよぶ可能性のあるシーンを演じる専門職です。俳優の代役として危険なシーンを担当するため、体力とともに演技力も求められます。事故・ケガを引き起こさないように注意しつつ、迫力のあるシーンを演出するには、スタントのスキルを身に付けておくことが必須となります。スタントマンに興味がある人は、専門学校・養成所などに通い、技術を学ぶところから始めるとよいでしょう。