声優になる方法とは?実体験を紹介!

今やアニメの枠を超え、ドラマ、バラエティー、音楽など様々なメディアで活躍する声優。そんな中、声優を目指す人の人口も爆発的に増えています。では実際にどうやったら声優になれるのでしょうか?本記事では、現在実際に声優として活動...


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今やアニメの枠を超え、ドラマ、バラエティー、音楽など様々なメディアで活躍する声優。そんな中、声優を目指す人の人口も爆発的に増えています。では実際にどうやったら声優になれるのでしょうか?本記事では、現在実際に声優として活動している子の体験をもとに「声優になる方法について、実体験を交えて紹介していきます。

声優になるための主な手段

声優になりたいと思った時、皆さんが真っ先に考えるのが以下の3つではないでしょうか?

・声優養成所
・声優専門学校
・オーディション

この中でも養成所と専門学校には大体の声優さん達が通っています。
オーディションについても、養成所入所オーディション、事務所所属オーディション、作品出演オーディションなど様々な形があります。最近ではSNS等で声優オーディションの広告を目にする人も多いかと思います。
ただ、中には、養成所にも専門学校にも通わずに声優デビューを果たした人もいます。今回、ご紹介する子がそのパターンでした。では、どういう流れで声優になったのか…今回は、学生時代からさかのぼり、時系列順にその過程をご紹介します。

高校時代

高校時代はずっと専門学校を進路に選んでいたそうですが、周囲に「普通の大学に行った方が就職などなにかと都合がいい」と説得され、せめて演技が学べる所にと芸術学部のある大学に進学することを決めたんだとか。やはり「就職」というワードには重みがあったとのことでした。ちなみにこの時は既に3年生の9月だったので、人より遅れて受験勉強に励んだため地獄のような日々だったそう。

大学時代

無事に志望の大学に入学し、主に舞台演劇を学んでいたそうです。今まで演技経験がなかったため、初めての演技の学び場。演技以外にも演劇史、舞台制作、ダンス、声楽を学んだそう。実は、声優は歌もダンスも必須科目で、大体の養成所や専門学校でもレッスンに取り入れられています。なので、大学で一通り学べたのは大きかったとあとになって感じたんだそう。

ちなみに、大学に通いながら養成所に通う人も大勢いるので、専門学校と大学どちらに進学するか迷っている方は養成所と専門学校の違いなどをよく調べて、自分がどういうルートで進んでいきたいかを検討してみて下さい。

大学在学中、声優事務所に所属

大学3年生の時、某声優事務所の所属オーディションを受け、預かり所属として入所することになったんだそう。その後、大学卒業までの約2年間在籍。

※預かり所属とは…いわゆる「仮所属」で、事務所内レッスンでの査定や仕事実績を通して実力が認められると「正式所属」になります。(正式所属の前に「準所属」を挟む場合もあります)

事務所内レッスンには音響監督さんによるアフレコレッスン、ナレーションレッスン、プロの声優さんによる演技レッスンなど色々あり、レッスンで音響監督さんに認められて仕事を貰える場合もあるそうで、レッスン=オーディションのような気持ちで毎回臨んでいたそうです。

卒業後の進路

声優を目指す、または活動していくにあたり、大学卒業後の進路として考えられる主な選択肢としては下記の2つかと思います。

・就職せずフリーターをしながら養成所などのレッスンに通う/活動する
・就職して休みの日を利用して養成所などのレッスンに通う/活動する

また、中にはもう一度声優専門学校に通い直す人もいます。
現在は、フリーターとして働きながら養成所や事務所レッスンに通っている人がほとんどだそうです。なぜなら仕事優先の会社員よりシフトが組みやすく時間の自由が利くからです。

そんな中で、選んだ選択は、大学で演技以外にも舞台制作を学んでいたので、その勉強が面白かったため、「映像制作についてもっと学んでから声優を目指す道に進むのもありなのでは?」と考え、映像関係の会社に就職し番組ADになること。ただ、決して声優への道を諦めたのではなかったんだそう。

社会人になって

ADになって良かったことは沢山あったそうです。
1つ目、「制作側の大変さを身をもって体験できた」こと。大学の舞台制作もかなりハードだったそうですが、芸能界における制作はその何倍も大変だったそうで…。だからこそ今でも「演者が全てじゃない。スタッフさんへの感謝や礼儀も忘れてはならない」という気持ちが深く深く刻み付いているんだとか。
2つ目、「プロのナレーターさんの収録現場に立ち会えた」こと。生のナレーションを聞けたり、原稿にどんな書き込みをしているかを見ることができたのはまたとない経験になったとのことでした。
3つ目、リサーチ癖がついた」こと。台本の中のわからない言葉や作品の時代背景などを事前に調べるのはもちろん、自分が入りたい事務所や養成所のリサーチはとても大切なこと。ADはリサーチが日常業務でもあるので、何でもすぐに調べる癖がついたのはすごく良かったんだそうです。

声優活動再開

ADとして1年間仕事をした後、現場を離れ、声優レッスンに通いながらでも働ける仕事に職を変えました。そのため、ADの時よりも時間に余裕ができたので、事務所所属やドラマCDなどの作品出演のオーディションを受けるなど活動を再開し始めたんだそう。
他にも、音楽ライブに出演したり、エキストラ事務所に所属するなど、時間を見つけては色々なことにチャレンジしたんだとか。

現在

そんな中、現在所属している声優事務所に預かり所属として入所が決まったんだそう。
同時期にコロナ禍となり業務がテレワークに切り替わったため、更に時間に余裕ができ、声優の仕事としても自宅で声を収録し音声データを送る「宅録」の仕事が増えてきていたので、自宅での活動をしていたんだそうです。

正社員として働きながらここまで時間に融通が利くのもなかなか珍しいというのもあり、「フリーターではなく正社員です」と言って驚かれることも多かったんだとか。
今こうして声優としても活動ができているのは、周囲の理解のお陰で、活動を後押ししてくれた皆さんには本当に頭が上がらないほど感謝していると話していました。
また、ご家族にも「声優なんてやめろ」と言われたことはないそうで、人に恵まれているのは大きかったとのこと。それぐらい周囲の理解、支えは大切なのです。

このような経緯で声優となり、会社員との二足の草鞋で現在も活動しているそうです。

まとめ

今回は、「声優のなり方」として、一実体験をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?「養成所や専門学校に行かなくても声優になれるのか」と思われたかもしれませんが、遠回りにはなるということやその分年齢という壁も立ちはだかってくるので、よく考えたうえで自分の夢を諦めずに励んでみて下さい。
現在声優業界では若年化が進み、より年齢が若い方が有利と言われています(中には23歳でもギリギリという人も!)。
「年齢なんて関係ない!」という意見もありますが、オーディションでは年齢制限が設けられている場合も多いです。そう考えると、より早い段階で養成所や専門学校に通った方がチャンスはあると思います。

ただ1つ言えるのが、「専門学校や養成所に通ったら絶対に声優になれるわけではない」ということです。卒業時の事務所所属オーディションに合格できない場合もありますし、養成所にも入所期限があるのでいつまでもいられるわけではありません。仮に事務所所属になったとしても、成果を残せなければ退所という厳しい事務所もあります。
かと思えば、未経験でオーディションに合格し、そのまま正式所属でデビュー決定!なんていう人もいます。
事務所によって自分に合う合わないもあるので、1つの事務所に留まる人もいれば、色々な事務所や養成所を転々とする人もいます。※「声優になるのは簡単だが、難しいのは続けていくこと」という意見もあります。

このように、声優になる道は本当に人それぞれで、それゆえに「戦略の立て方」が重要になってきます。最初のうちは失敗も多いでしょうが、そういった経験を通して戦略を考え、自分に合ったルートをより早く構築できる人の方がチャンスも大きいと思います。そのため、先見の明があるかどうかが大事になってくるのかもしれません。数多くある声優への道の「1つのルート」として今回の記事が参考になれば幸いです。