アカデミー賞をもしのぐほどの注目を集める?!エミー賞とは?

アメリカで、アカデミー賞をもしのぐほどの注目を集めるのが「エミー賞」です。昨年、真田広之主演ドラマ『SHOGUN 将軍』がエミー賞を受賞したことでも注目されました。では、エミー賞とは一体どんな賞なのでしょうか?今回は日本...


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アメリカで、アカデミー賞をもしのぐほどの注目を集めるのが「エミー賞」です。昨年、真田広之主演ドラマ『SHOGUN 将軍』がエミー賞を受賞したことでも注目されました。では、エミー賞とは一体どんな賞なのでしょうか?今回は日本ではまだあまりなじみがないエミー賞について、詳しく解説していきます。

エミー賞について

アメリカエンターテインメント界には、4つの大きな賞があります。映画には「アカデミー賞」、音楽には「グラミー賞」、演劇・舞台には「トニー賞」、そしてもうひとつが、全米2億人が目にする最大のエンターテインメント、テレビ放送に与えられる賞「エミー賞」です。これら4つの賞を全て受賞すると、最大の敬意をもって「ショービズ・グランドスラム」と呼ばれます。ちなみに過去、このショービズ・グランドスラムを成し遂げたのはわずかに3人。世界中に愛された女優オードリ・ヘップバーン、ミュージカルの巨匠リチャード・ロジャース、大ヒット映画「ウエストサイド物語」(WEST SIDE STORY)でアニタ役を演じたリタ・モレノです。

近年はネット配信ドラマのノミネートが過半数

これまでは地上波ネットワーク局が放送するドラマが数多くノミネート&受賞していましたが、ここ最近はその傾向が変わりつつあります。HBO(アメリカの有料ケーブルテレビ放送局)などの有料チャンネルや、NetflixやHulu、Amazonプライム・ビデオといった定額制のネット配信サービスがオリジナルで製作した作品のノミネーションが過半数を占めるようになってきました。一時は、地上波時代が幕を閉じたように見えましたが、2016年後半に、『THIS IS US 36歳、これから』というヒューマンドラマがNBC(米国の放送会社)で放送され、高視聴率をマーク。2017年のエミー賞で10ノミネーションを獲得し、有料チャンネルや定額制ネット配信サービスからの奪還なるかと注目されています。

エミー賞のエミーとは?

そもそも、エミー賞の「エミー」とは何なのでしょうか。実は、この「エミー」の語源は、1940年代のアメリカで、テレビ業界のエンジニアたちがブラウン管のことを「IMMY」(実際は撮像管)と呼んでいたことがまずひとつ。更に、トロフィーが女性像であったことから、いつしか「エミー」と呼ばれるようになったのです。

米国テレビ芸術・科学アカデミー(NATAS)のハリー・ルーベック会長の提唱により設立され、第1回は1949年1月25日にハリウッドで開催されました。そして、過去最もその賞を獲得している番組がなんと「アカデミー賞授賞式」。これまでに32回エミー賞を受賞しているのです。全世界に放送されるこの番組は、いわばアメリカを代表するテレビ番組であり、アカデミー賞授賞式をキッカケに最新鋭の機材が導入されることも多いのです。

エミー賞が持つ影響力

エミー賞はどんな影響力があるのでしょうか。日本でも人気があった「スパイ大作戦」は、放送当時は中々視聴率が伸びず打ち切り寸前でした。しかしエミー賞受賞をきっかけに注目を浴び、空前の大ヒットシリーズとなりました。このようにエミー賞は絶大な影響力を持っているのです。また、ブルース・ウィリストミー・リー・ジョーンズなどは、エミー賞授賞をきっかけにハリウッドから声がかかり、スターダムへとのし上がったといわれています。

エミー賞はどんな人が受賞するのか

エミー賞はどんな人が人が受賞するのでしょうか。ここで詳しくご紹介していきます。

受賞対象者は?

エミー賞の対象は、アメリカやイギリスなど欧米の主要テレビドラマを始め、リアリティショー、バラエティショーなど、あらゆるテレビ番組が該当します。受賞対象は、主演、助演、ゲスト出演の俳優のみならず、脚本家、製作総指揮、ヘアスタイリング、メイクアップアーティスト、撮影技術、音響に至るまで、作品に携わるすべての人です。

ノミネートされる人が数多くいるため、授賞式会場には毎年1,000人近い人が集まります。あまりにもノミネートされる人が多く授賞式が一日がかりになってしまうため、最近では衣装やメイク、音響やカメラワークに関する授賞式は、作品賞などのメイン部門の発表よりも一週間ほど前に行われるようになりました。

過去の受賞者

過去にはどんな人がエミー賞を受賞しているのでしょうか。過去の受賞者には、メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズ、マイケル・J・フォックス、ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ、ハル・ベリーなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。

なぜ毎年同じドラマがノミネートされるのか

エミー賞とアカデミー賞の大きな違いは、エミー賞は同じ作品が何度もノミネート&受賞することです。アカデミー賞は、その年に公開された映画が対象になりますが、エミー賞は、その年に公開された海外ドラマのシーズンが対象になります。したがって、昨年ノミネート&受賞したドラマが、翌年、新しいシーズンで再度ノミネート&受賞することもあるというわけです。

「SHOGUN 将軍」がエミー賞史上最多の18部門を受賞

2024年の9月、米国テレビ界の“アカデミー賞”ともいわれる最高峰の賞「第76回エミー賞®」の授賞式が行われ、真田広之がプロデュース・主演を務めるFXのドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』が、作品賞・主演男優賞・主演女優賞をはじめとした主要部門を総なめし、エミー賞史上最多18部門を制覇、内、日本人の受賞者も史上最多9名となる歴史的な快挙を成し遂げました。

史上最多11名の日本人がノミネート

「SHOGUN 将軍」は、同賞のドラマシリーズ部門にて、主要部門を含む本年度最多25ノミネートを記録。キャスト陣に加え、スタッフ陣も数多くノミネートを果たし、史上最多11名の日本人がノミネート。主に製作・技術に携わった人々に贈られる「クリエイティブ・アーツ・エミー賞(Creative Arts Emmy Awards)」では、7名の日本人を含む、最多14部門を受賞。

真田広之が「主演男優賞」を獲得

競合作品がひしめく中で「SHOGUN 将軍」が【作品賞】を堂々の受賞。本作でプロデューサーを務め、徳川家康にインスパイアされた武将・吉井虎永を重厚に演じた真田広之が、【主演男優賞】を獲得。これは、1980年にドラマ化された『将軍 SHŌGUN』で、主演を務めた三船敏郎が受賞を逃していた賞で、真田が悲願の受賞を成し遂げる形となりました。更には、英国人航海士<按針>通詞であり、虎永のもとで戦乱の世を強く生き抜いた鞠子役アンナ・サワイが【主演女優賞】。そのほかにも【監督賞】を受賞するなど、主要部門も軒並み制覇し史上最多18部門を受賞と最多受賞記録を更新。まさにSHOGUNが堂々の天下獲りとなりました。

まとめ

今回はエミー賞についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。これまで日本ではあまりなじみがなかったエミー賞ですが、昨年「SHOGUN 将軍」がエミー賞を受賞し、日本人が史上最多受賞したことで、これから日本でも注目されていくのではないでしょうか。今後はエミー賞にもぜひ注目してみて下さいね。