過酷ロケも予定不調和も
楽しんだもの勝ち!
千鳥かまいたちアワーの
プロデューサーが
20年以上第一線で活躍できるワケ
メディアの多様化が進む中、令和のテレビ業界の第一線で活躍する裏方たちを紹介するシリーズ『エンタメクリエイターズ』。ディレクター、プロデューサー、放送作家、脚本家など、彼らは昨今の厳しい業界をどう生き抜いているのか。その成功の秘訣やこだわり、熱い思いに迫る。
初回は、現在放送中のバラエティー番組、NTV「上田と女が吠える夜」「千鳥かまいたちアワー」やTBS「ジョンソン」など数々のバラエティ番組に携わる敏腕プロデューサー・輿石将大さん。20年以上も第一線で活躍し続ける成功の秘訣とは一体何なのか。
輿石 将大(こしいし しょうた) 株式会社PASSION プロデューサー 1981年生まれ、山梨県出身 スポーツ系の大学を卒業後、テレビ制作会社に入社し、KTV「さんまのまんま」などを担当。その後、制作会社を移籍して、NTV「AKBINGO!」「24時間テレビ」「世界の果てまでイッテQ!」などを担当し、プロデューサーに。その後、現在の株式会社PASSIONに移り、プロデューサーとしてNTV「上田と女が吠える夜」「千鳥かまいたちアワー」、TBS「ジョンソン」などを担当。 |
出演者が番組を面白がってくれること、それが一番のやりがい
――バラエティ番組だとタレントさんや芸人さんと一緒にお仕事する機会が多いと思いますが、何か心掛けていることはありますか?
適度な距離感を保つことですかね。顔を出せるときには出したり、話を聞けるときには聞いたり。演者とスタッフ(ディレクターなど)もそれぞれ領域があるので、そこのバランスを取るのがプロデューサーの役目だと思っています。やりづらいスタッフだと思われたくないので(苦笑)日々勉強です。
――お仕事をする中で一番のやりがいは何でしょう?
バラエティ番組なら、芸人さんが面白いと思ってくれることじゃないでしょうか。良い意味で、「この番組は色々負荷がかかって大変そうだな」と思ってもらいたいので。それは、NTV「世界の果てまでイッテQ!」をやっているときに、凄く感じましたね。ディレクターと演者による、プロフェッショナルのぶつかり合いを目の当たりにしたので。まるでプロレスですよ!でもすごく勉強になりました。今でもディレクター陣とご飯へ行くと、皆面白いものは素直に認めるし、滑ったら馬鹿にするし(笑)。いい大人が何やってんだって思うけど、そういうのが楽しいんですよね。
――輿石さんがやっていて楽しいと思うのはどんな番組ですか?
それはやっぱり予定不調和じゃないですか。そういう意味ではTBS「不夜城はなぜ回る」という番組は面白かったです。今はやっぱりどうしても台本通りにいくというのがあるので、(スタジオより)ロケの方が断然面白いですね。台本はあるけどなかなかその通りには行かないし、想像を超える面白さがあります。
スタッフの相性を考えて、番組のチーム作りをしている
僕はプロデューサーとして番組のチームを作るとき、ADさんやディレクターも含めて相性を考えます。近年、ADさんが辞める一番の理由は主に人間関係なんですが、入ってきた人がその理由で辞めてしまうのが嫌なんです。だから僕は、色んな人に「この子、どうだった?」と聞きます。一つ一つを情報としてインプットして、その人がどういう性格なのか自分なりに考えるんです。
たとえ失敗しても、それがなぜ起きたのか考えることが大切だと思います。突き詰めて考えると、結局はコミュニケーション不足だったりするんですよね。だから、皆には自分のことだけではなく、「隣の人のこともきちんと考えてね」と言います。それが出来れば、そのうち全体が見えてくるので。自由が与えられている分、自分のやることに自信と責任、そしてプライドを持って仕事をしてほしいと思っています。
――今はコンプライアンスが厳しい時代ですが、バラエティ番組を作る上でもその辺りは難しいですか?
そうですね、今はその感覚がないと正直やれないかなと。今まではテレビの都合がお茶の間に通用していましたが、今はお茶の間の都合がテレビの都合みたいになってるので。その中で僕らに何ができるかを考えないといけないなと思います。
テレビ業界に入るきっかけは、大学時代にやった日テレのアルバイトだった
元々テレビ業界には、全然興味がなかったんです(笑)。大学がスポーツ系の学科だったんですが、そこに広告代理店出身の教授がいて、マスコミ系の授業をやっていたので、マスコミに接する機会があったんです。あるとき、イベント設営のアルバイトか、日本テレビでやっていた「高校サッカーハイライト」という深夜番組のアルバイトか、どちらか選ぶように言われて。2択で大体皆イベント系を志望するんですけど、僕は日本テレビの方を選んだんです。それがきっかけで今に至ります。結局(大学時代の)4年間やりましたが、この業界に触れたのはそこからですね。
インドで2週間、サンシャイン池崎さんと野宿生活
――パッションに入ってからはどんな番組についたのですか?
最初のころは、NTV「衝撃のアノ人に会ってみた!」やNTV「消費者観察バラエティー 気になるお客サマ」といったバラエティの特番を色々やっていました。2017年からは、EX「陸海空 こんな時間に地球征服するなんて」をやっていました。サンシャイン池崎さんの釣り企画で、そのときはインドで2週間池崎さんと一緒に野宿生活をしました(笑)楽しかったし、海外でも順応できるタイプなんで、辛いとかしんどいというのは全然なかったですね。
現在は、NTV「上田と女が吠える夜」「千鳥かまいたちアワー」、TBS「ジョンソン」などを担当しています。
右向け右はできない性格。多少あまのじゃくの方が業界に向いているのかも
――振り返ってみて大変だった仕事はありますか?
色々ありますけど、特にNTV「24時間テレビ」と「世界の果てまでイッテQ!」かな。宮川大輔さんたちとの遠泳企画やイモトさんたちとの登山企画、村山輝星さんとのトライアスロン企画とか。生中継って絶対失敗できないし、第一に演者さんとスタッフの安全対策を考えないといけません。チャンカワイさんと荒川静香さんとご一緒した流氷の上でイナバウアー企画に関しては前例のないことをやったので・・・そういった面でも大変でしたね。
――海外ロケやトライアスロンの生中継など、体力面も必要ですよね。やはり、この業界は体力のある人が向いているんでしょうか?
体力も大事ですけど、やっぱり自分のやっていることを面白がれる人じゃないですかね。それこそADさんなんて、リサーチとか地道な仕事が多いんですけど、その中で、どれだけ自分が楽しめるかだと思います。あとは、多少あまのじゃくの方が業界向きかも(笑)僕も右向け右はできない性格でこの仕事をやってるというのもあるし、人と同じことはしたくない。言われた通りに「はい、分かりました」っていうのは嫌なんで。
――毎日お忙しいとは思いますが、お休みの日は何をされていますか?
休みの日は、朝8時半から少年野球の保護者コーチをやっています。僕の子どもが地元の野球チームに入っているので。そこで子どもたちに教えることで、日々色んな発見があります。それが結構仕事にも活かされているんです(笑)。子どもに教えるときって言葉を嚙み砕くじゃないですか。実はそれで気づかされることが結構あって。例えば説明するとき、口で説明したり身振り手振りよりも、書いて説明した方が分かりやすいなとか。そうすることで、出来なかったことが少しでも出来るようになったりするんで面白いですよ!
テレビって楽しいなと感じてほしい。テレビ業界で働く人が増えてほしい。
――今後の目標やビジョンがあれば教えて下さい!
今テレビ業界は勢いがないと言われてますけど、この業界で働きたいという人が一人でも増えてほしいと思っています。何だかんだでテレビって楽しいなと感じてほしいです。あと、今のテレビは色々と制限がありますが、テレビで培った能力を他でも活かせたらいいなとも思っています。例えば、イベントのキャスティング案とか、僕らに言ってくれたら早いので(笑)。制作会社の人間同士で横の繋がりを増やして、色んなことにどんどんチャレンジしていきたいです。
それから地元に恩返ししたいという思いもあります。僕は山梨県の双葉町出身(現・甲斐市)なんですが、そこで何かやれたらいいなと。いつまでも楽しみながら仕事を続けていけたらいいですね。
バラエティ・スポーツ・情報・報道・ドキュメンタリーとあらゆるジャンルの番組を制作
社名 | 株式会社PASSION |
所在地 | 東京都港区芝大門2-6-6 VORT芝大門5F |
設立 | 2007年10月 |
事業内容 | (1) テレビ・ラジオ番組の企画、制作、撮影、放送の業務 (2) あらゆる映像事業に関する企画、制作、撮影 (3) セールスプロモーション事業やイベントの企画提案から制作、実施 (4) 広告代理店業務 (5) コマーシャルの企画及び制作 |
制作番組 | 【レギュラー】 NTV 「千鳥かまいたちアワー」 「上田と女が吠える夜」 「Going!Sports&News」 「ZIP!」 「バンキシャ」 「news zero」 TBS 「ジョンソン」 など 【実績】 NTV 「午前0時の森」 「人生が変わる1分間の深イイ話」 「衝撃のアノ人に会ってみた!」 「第7キングダム」 など |
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