芸能マネージャーの平均年収とは
芸能マネージャーの年収を年代ごとの違いや他業種との比較を交えて紹介します。
芸能マネージャーの平均年収の相場
芸能マネージャーの仕事は、芸能人と一緒に仕事ができることから華やかなイメージを持たれがちです。しかし芸能マネージャーは一般の会社員であるため、実際の平均年収は世間からイメージされるほど高くありません。
芸能マネージャーの平均年収は320万円程度です。年代別に見ると、以下のとおりです。
年代 | 平均年収 |
20代前半 | 250万円~300万円程度 |
20代後半 | 300万円~400万円程度 |
30代 | 400万円~550万円程度 |
40代以降 | 400万円~800万円程度 |
一般的なサラリーマンと同様に、年齢が上がっていくにつれて平均年収も上がる傾向があります。しかし、芸能事務所は年齢よりも実績が給与に反映されやすいため、成果を出せば若いうちから年収アップも期待できます。
他業種と比較した場合
国税庁が公開している民間給与統計調査の概要によると、日本の給与所得者の平均年収はおよそ443万円です。芸能マネージャーの平均年収が320万円であることを考えると、一般的なサラリーマンよりも下回っていることがわかります。
ちなみに、同じエンタメ業界でもディレクターの平均年収は500~700万円です。同業界の仕事と比較すると、芸能マネージャーの平均年収は低い傾向にあります。
そのほか、エンタメ業界の職種ごとの平均年収については、以下の記事で紹介しています。合わせてご覧ください。
参考:「1 平均給与」(国税庁)
芸能マネージャーの給与形態とは
芸能マネージャーの給与形態は、働いている芸能事務所の規模によって異なります。ここでは、大手芸能事務所と中小規模の個人事務所の給与形態を紹介します。
大手芸能事務所の場合
経営が安定している大手芸能事務所では、給与は基本的に固定給で支払われます。残業などの時間外手当は申請することで受け取れます。
ロケや撮影が深夜まで続いたり休日に行われたりなど、芸能界では休日の取得が不定期になりがちです。そうした流動的な仕事の実態から多くの大手芸能事務所では、1年単位の給与を実績や個人の能力によって決める年俸制を取り入れています。
前年の成果によっては年俸が決まるタイミングで昇給することもあるため、平均以上の給与がもらえることもあるでしょう。
個人事務所の場合
大手芸能事務所と違って経営が不安定な個人事務所では、固定給と歩合制の両方を採用しているところが多くみられます。歩合制では、自身が担当している芸能人の知名度などが給与に反映されます。
そのため、経験の浅い新人の頃は、年収が300万円以下の場合もあるでしょう。
そのほか給与以外に、社会保険や有給休暇制度などの待遇面でも大手芸能事務所と個人事務所で差が生じることもあります。個人事務所では大手と比べて、各種手当がしっかりと整っていないことも珍しくありません。
【芸能マネージャー】雇用形態別の給与
芸能マネージャーの年収は、事務所の規模だけでなく雇用形態によっても変わってきます。ここからは正社員で雇用されている場合と、非正規で雇用されている場合について、メリットやデメリットも含めてそれぞれ解説します。
正社員で雇用されている場合
大手芸能事務所では、基本的に正社員で芸能マネージャーを雇用している場合がほとんどです。四年生の大学を卒業した優秀な人材が求められることが一般的で、有名な事務所への就職は狭き門となっています。
正社員としての芸能マネージャーの年収は、300万円〜400万円です。
正社員での雇用は、非正規雇用に比べて扶養手当やボーナスなど安定した待遇が期待できます。芸能マネージャーの平均年収はあまり高くないとはいえ、安定した収入と待遇が得られるのは、正社員の大きなメリットです。
若いうちから正社員として経験を積むことで、いずれマネージャーを統括する立場であるチーフマネージャーや統括マネージャーへ昇進することも期待できます。また、人気タレントの担当マネージャーになることもあるかもしれません。
非正規で雇用されている場合
景気や流行の影響を受けやすい芸能業界では、契約社員や派遣社員、アルバイトなどの非正規雇用の人材も数多く活躍しています。芸能マネージャーに関しても同様です。
契約社員や派遣社員として働く芸能マネージャーの時給は1000円~2000円程度です。
非正規雇用といっても、契約社員や派遣社員であれば仕事内容は正社員と大きく変わることはありません。しかしながら扶養手当やボーナスなどはつかないことが多く、正社員と比べると年収は低い傾向にあります。
企業によってはまず契約社員として雇用して、適性を見極めた後に正社員として雇用するというところもあります。そうした試用期間は給料も低くなるため、事前に待遇を確認しておきましょう。
アルバイトやパートで働く芸能マネージャーの時給は1000円前後です。
アルバイトやパートは、ほかの雇用形態に比べて出勤できる日数が限られることが多いため、正社員や契約社員などと同じ仕事をこなすことはありません。
事務所での電話番や所属タレントの送迎、差し入れの手配など、マネージャー業務の補助として一部の仕事を任されます。
芸能マネージャーは年収だけで判断しない
芸能マネージャーの年収はそれほど高くはないものの、多くの魅力があります。ここでは給与以外にも重視したいポイントついて解説します。
給与よりも仕事内容にやりがいを感じられるか
芸能マネージャーの仕事は深夜まで続く撮影で長時間拘束されたり、休みがなかなか取れなかったりと、体力的・精神敵にも厳しい仕事です。しかしそれと同時に、非常にやりがいを感じられる仕事でもあります。
新人の頃は顔を覚えてもらうために、先輩マネージャーとともにすでに知名度のある芸能人と行動をともにすることがほとんどです。そしてある程度経験を重ねると、新人芸能人やまだ売れていない芸能人の担当をするようになっていきます。
そうした、デビュー当初から担当している芸能人が自身の営業と本人の努力によってブレイクしていくと、一般の会社員では味わえないやりがいや達成感を得られます。何ものにも代え難い貴重な経験といえるでしょう。
そのほか自身の努力によって仕事がもらえたり、芸能関係者に認められたりと成果を実感しやすいのが大切なポイントです。給与とやりがい、どちらに比重を置くのかによって芸能マネージャーという職業への評価は変わってくるでしょう。
芸能マネージャーの将来性があるか
芸能マネージャーの仕事は給料が上がったとしても、年収500~600万円程度といわれています。
それ以上の年収を得るには、チーフマネージャーや統括マネージャーなどのマネジメント側に就く必要があります。しかし芸能事務所のチーフマネージャーは一般企業の管理職と比べると、年収はあまり高くありません。
事務所に所属するすべての芸能人とマネージャーを率いる統括マネージャーは、容易に就ける役職ではありません。そのため年収は高く、1000万円を超えることもあります。
芸能マネージャーとして地道に実績を重ねていけば、年収アップも期待できるでしょう。
昨今メディアの多様化により、芸能人はテレビだけでなくYouTubeなどさまざまなフィールドで活躍するようになりました。反対に、YouTuberが実績を重ねてテレビで活躍する場面も見られます。
テレビやインターネットの垣根を越えて活躍する際に重要なのがマネージャーの役割です。マネージャーが上手くパイプ役を担うことで、芸能人やYouTuberが円滑に仕事を行うことができます。
テレビ離れが深刻になってきている時代ですが、テレビに限らず芸能人が活躍できるフィールドがある限り、マネージャーの仕事がなくなることはないでしょう。
まとめ
芸能マネージャーの平均年収は320万円程度と、あまり高くありません。しかし、マネジメント側になれば年収アップを期待できます。
芸能マネージャーは何事にも代え難い達成感が得られる仕事です。給与だけでなく、仕事内容にやりがいを感じられるかどうかが、芸能マネージャーの仕事を選択するときポイントとなります。