ドラマや映画の撮影には欠かせない!フィルムコミッションとは?

みなさんは、映画やテレビドラマのロケなどをする時にお世話になる組織に『フィルムコミッション』という組織があるのを知っていますか? ヒットしたドラマや映画のロケ地が聖地巡礼として人気になって、知名度があがることで地域活性に...


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みなさんは、映画やテレビドラマのロケなどをする時にお世話になる組織に『フィルムコミッション』という組織があるのを知っていますか?
ヒットしたドラマや映画のロケ地が聖地巡礼として人気になって、知名度があがることで地域活性に繋がっている地域もありますよね。『フィルムコミッション』とは、映画やテレビドラマ、CMなどのロケーションを誘致し、撮影がスムーズに進行するようサポートする非営利団体のことを指します。
今回はこの『フィルムコミッション』がどんな組織なのか、どのようにロケ地と撮影隊を繋いでいるのか解説していきたいと思います!

日本のフィルムコミッション『ジャパン・フィルムコミッション』

日本の『フィルムコミッション』多くが地方自治体によって運営されています。役所内の観光課や広報課などがその役割を担っていることが多いです。民間企業の場合はJR西日本がフィルムコミッションと同様のサービスを行っています。

世界を見てみると、アメリカでは警察や国をあげてのフィルムコミッションがありますが、日本では少し規模が小さくなります。日本では法律が厳しく、道路を封鎖しての撮影などができないといった事情があるためです。日本で最初に発足した組織はフィルムコミッション設立研究会で、2009年には『ジャパン・フィルムコミッション』に名前を変更しました。
現在は全国に350以上のフィルムコミッションがあり、撮影ロケに協力をしています。

フィルムコミッションのサービスってどんなものがあるの?

続いて、フィルムコミッションはどのようなサービスを提供しているのか見ていきましょう!

ロケ地に関する情報を提供する

撮影条件や使用料、地図など、その場にいないとわからないような情報を提供してくれます。

例えば…
・写真提供
・撮影条件の提示
・各種使用料
・連絡先
・地図
などです。

ロケ中に必要になってくる諸々の手配

さらに、ロケに関する諸々の手配を行ってくれます。番組制作ではADが手配するような内容です。

例えば…
・宿泊先
・食事
・機材
・レンタカー
などです。

その他、エキストラの手配や宣伝協力を提供する場合もある

また、全てのフィルムコミッションで提供されているわけではないですが、以下のようなサービスも提供される場合があります。

・警察署や公的機関などへの撮影許可手続きの代行
・ボランティアやエキストラの手配
・ロケハン、撮影の同行
・宣伝協力
・フィルムコミッションが所有している専用車両や公用車による送迎、案内
・ロケハン助成金や制作補助金などの助成
などです。

逆に、フィルムコミッションが提供できないサービス

後ほど詳しく記載しますが、フィルムコミッションは制作会社と対等な立場でいるために、非営利団体であることが求められます。そのため制作資金の提供などは請け負えないようになっています。

他にも例えば…
・タイアップ交渉
・製作資金の提供
・撮影時に生じた人的、物的損害の補償
などはできません。

ジャパン・フィルムコミッションが掲げる3つの条件とは

ジャパン・フィルムコミッションでは以下の3つの条件が定められています。
『非営利の公的団体であること』『ワンストップサービスの提供』『作品の内容を問わない』です。以下で詳しく見ていきましょう。

非営利の公的団体である

ジャパン・フィルムコミッションの条件の1つ『非営利の公的団体であること』
これはつまり、提供するサービスに対して手数料は発生しないということになります。制作会社と対等な立場でいるために、手数料などは受け取らない、という決まりがあります。とはいえ、もちろん撮影の際の実費は発生します。

撮影支援の相談に対してワンストップサービスの提供する

他にも、ジャパン・フィルムコミッションは『撮影の許可申請』などの窓口が複雑で面倒な作業もワンストップ、一括で作業できるような仕組みになっています。これが2つめの条件です。

作品の内容を問わない

3つ目の条件である『作品の内容を問わない』というのは、作品の内容を見てフィルムコミッションが受け入れを決めるかどうかを決めてはいけない、という『表現の自由』を尊重するために設けられたルールです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今、聖地巡礼が人気で地域活性まで繋がったケースも目立つため、今後も注目を集めていく分野かと思います。実際に、国内のロケ撮影は、全国にフィルムコミッションが出来はじめた2000年の282本と比べると、2015年では約倍の581本となっており、年々増加傾向にあるようです。また、ドラマや映画などのエンドロールでも「〇〇フィルムコミッション」という表記が出てくることがあるので、ぜひチェックしてみてください!