テレビ番組の裏方仕事!隠れたスターたちを紹介します!

テレビ番組を制作する上で、裏方のスタッフはどれくらい携わっていると思いますか?ゴールデン帯の番組だと1番組に50~60人程のスタッフが関わります! 役職としては、AD、ディレクター、プロデューサーが注目されがちですが、ま...


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テレビ番組を制作する上で、裏方のスタッフはどれくらい携わっていると思いますか?ゴールデン帯の番組だと1番組に50~60人程のスタッフが関わります
役職としては、AD、ディレクター、プロデューサーが注目されがちですが、まだまだいなくてはならない存在のプロがたくさんいます。
今回はそんな裏で番組を支えている隠れたスターを紹介していきたいと思います。

美術

美術には大きく分けて大道具、小道具に分けられます。
大道具は、バラエティやドラマを撮影するセットを作ります。バラエティの場合には、それぞれの番組の華やかなセットを作り、ドラマの場合には本物そっくりな部屋などを作ります。
事前に段取りをし、建て込みを行い、撮影が終わればセットをバラします。

小道具は、ADから発注を受けたものを準備します。撮影で使用する試食用のお皿やテーブル等を収録の際に出します。また、衣装やカツラを使用する場合も美術に発注が必要です。期日までに発注書をADが提出し、ディレクターや総合演出の希望に沿った美術品を用意できるように打ち合わせを重ねることが大切です。

音効

映像に音楽や効果音をつける仕事です。
食べ物が揚げられている映像にはジュージュー音をつけ、衣の音にはサクサク音をつけたりと、より美味しそうに見える効果音を選びます。映像にあったBGMをつけるのも音効の仕事です。
ドラマのシリアスな場面や怖い場面をBGMでより世界観に入り込めるようにしたり、生放送などではゲストが登場する際のBGMやクイズ番組の場合、解答する際のアタック音を叩いたりもします。

MAマン(ミキサー)

映像の編集において、素材の音を整音したり、音効からもらった音を合わせたり、ナレーションを録ったり、音に関わることをMAで作業します。
そして、そのMAで作業してくれる人のことをミキサーと呼びます。ミキサーは最初に整音といって、映像の音(ピンマイクの音とカメラマイクの音、素材の映像の音など)を聞き取りやすいように調整する作業をします。また、ナレーションを撮る際に、ディレクターやADが見守る中、VTRに合わせてナレーションの尺が入るかチェックしたり、レベルの調整を行います。

音効さんと同じく音に関わるお仕事ですが、音効は「音楽をつける」というデザインを担う一方、ミキサー音の大きさを調整したり、バランスを整えたり、時には音を消すといったことも行います。
こちらも編集した映像に音をつける仕事です。
バラエティ番組の制作を例にとると、ディレクターが編集を行った素材を基に、音効さんの作業やナレーションの収録などが進みます。それらの音データが全て揃った上で、最終的に“整える”のがミキサーです。似ているお仕事ではあるので、ミキサーと音効さんの連携は重要です。時には両方兼務する人もいます。

技術

技術には、カメラマンの他、音声・音響、照明、VE(ビデオ・エンジニア)など様々な役職があります。
テレビ番組のロケの場合には、カメラマン、(アシスタント)、音声、照明が1セット1チェーンと呼びます。)になって同行してくれます。
ディレクターによってお気に入りのカメラマンや仲良しのカメラマンがいる場合があるので、リクエストが来た際にすぐ連絡できるようにADはなるべく名前を覚えておいた方が良いです。
レギュラー番組の場合には、固定の技術会社や固定のカメラマンなどがつくことが多いです。

カメラマン

収録の際は、スタジオでカメラを操作します。多くてカメラは5台ほどあります。
1つのカメラにつき、カメラマンとアシスタントがついており、カメラマンが撮影をしカメラを動かし、アシスタントはケーブルをさばいたり補助をします。
カンペを出したり、もの出しをしたりと、収録中にADは何かと動き回りますが、カメラにぶつかるとかなり技術から怒られるので注意しながら動くようにしましょう。

照明


ディレクターや演出と打ち合わせを重ねながら照明を作っていきます。
収録の際はセットや出演者にライトが当たるように仕込みます。演出の都合上、スタジオ内で収録中に色を変化させることもあります。
ロケの際には、明るく映るように出演者全体を照らしたり、
女優さんがゲストの場合は顔にライトを当て、肌を明るく見せるように調整します。
また、物撮りを行う際は、照明さんと連携を取りながら行うことが大切で、影が入らないように調整してもらいながら撮影を進めます。

音声

主に音声を録音するお仕事です。ピンマイクをタレントにつけたり、ガンマイクで一般人の声を拾ったり、笑い声を拾ったりします。演者さんによって声の大きさも様々なので、レベルを取りながら音声を拾います。雑音が入ってしまうと、編集の際苦労することになるので、音声さんの正確な録音が必要不可欠です。

編集マン(エディター)

ロケや収録をし、ディレクターが粗編集をした素材を編集所で放送できるような綺麗な映像に仕上げます。
ADが編集所に映像を持っていき作業をしてもらいます。基本的に編集所では、エディターとアシスタント(テロッパー)の2名体制です。
エディターは素材の尺を調整したり、色味を加工したり、素材を差し込んだりします。
スポンサーの関係で隠さないといけない部分や過去の映像を使う際に使用できない部分にデフォーカス(モザイク)をかけたりもします。
アシスタント(テロッパー)は、ディレクターから指示されたテロップを作成します。
他にも、配信用のサムネイルを作成したり、HPに載せる画像を作成したりします。視聴者が見やすい色味でテロップを作る必要があるので、センスが問われます。
レギュラー番組の場合には、固定の編集マン、アシスタントがつくことが多いので、コミュニケーションをたくさんとっておくと、編集作業を円滑に進めることができます。
編集所でのご飯(箱飯)の好みも把握しておくと、出来るADだなと覚えてくれたりします。
編集作業が始まるまでに、必要な資料の作成や素材の整理など編集マンがすぐに作業に取り掛かれるように準備するようにしましょう。

デスク

請求書の処理、ADさんなどの精算の処理などお金周りのお仕事がメインです。
そのほか、収録の際のスケジュールを管理したり、スタジオの手配、収録準備、番組によっては他番組や過去の映像の許諾をとったりなどの番組フォローを行うこともあります。
他にも、お花を出したり、タクシーチケットの手配をしたり…AP(アシスタントプロデューサー)とも仕事内容が少し似ているかもしれません。番組全体の事務作業を担います。

TK(タイムキーパー)

収録の際、VTRの残り時間をインカムで伝えたり、生放送の場合はCMの時間や各コーナーの残り時間を伝えたりします。
収録時にVTRを流したり、画像を出すのもTKさんの仕事です。
編集したVTRや画像を順番に並べて正確にTKさんに伝えないと、誤って違うものがスタジオ内で流れてしまうことになるので注意しましょう。
番組によって、TKさんが求めるVTRの順番や画像の切り替わる時間などテープの作り方がが違うので、事前にしっかり確認するようにしましょう。
番組の正味尺(CMや提供などを除いた本編の尺)をフォーマットを元に計算してくれるのもTKさんです。

車両

ハイエースやマイクロなどの大型の車両を運転します。
ロケの際に、タレントやスタッフを乗せてロケ場所まで運転をしてくれます。ロケ場所周辺の地図や、駐車場の場所をまとめた資料とロケスケジュールをADが準備し車両さんに送ります。
ロケ前には、担当の車両番号とドライバーの電話番号と名前を忘れずに聞くようにしましょう。
ロケ場所から車を一旦逃す場合は、戻ってくるときにタレントさんを待たせることがないように連携をとってスムーズに移動できるようにしましょう。

また、車両を予約する際は、車種も重要です。
タレントさんが乗る車には、カーテンがある車やメイク台のついたもの、技術は自車
(自分の車)で来るのか、タレントは自車で来るのか、などをプロデューサーにあらかじめ確認しましょう。
発注する際には、車種によって値段も変わってくるので、荷物の量やスタッフの人数を踏まえてプロデューサーに相談してから予約するようにしましょう。

フーディー(フードコーディネーター)

ロケや収録で食べ物を扱う際に来てもらいます。
食べ物の物撮りをする際、ADだけでは美味しそうに料理を作るのに限界があるのでフーディーさんに調理をしてもらうこともあります。
収録の際、タレントさんに食べてもらうものは基本的に制作スタッフが触れてはいけないので、
全てフーディーさんにお願いします。
試食品のもの出しを手伝ってもらうこともあるので、事前にしっかりと段取りを打ち合わせします。収録が始まると、調理時間と収録の進行状況を把握して、キュー出しをADが行います。
事前に必要な食材や調理器具を聞き、買い出しをして揃え、調理をする場所の環境を伝える必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?このように、テレビ番組を支えている裏方スタッフはたくさんいます。基本的にADが窓口となり連携をとることが多いので、仲良くなればなるほど仕事がやりやすくなります。
あまり注目されない仕事も多いですが、どれもなくてはならない役割ですし、番組のエンドロール(エンドクレジット)には名前も載りますので、裏から支えているというやりがいを感じることができるお仕事です。興味がある仕事があれば、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。