好きなアーティストのミュージックビデオ制作に携わりたい!好きなアイドルやバンドの世界観を映像にしたい!など将来MV制作に携わりたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、MV制作に携わる方法や主な制作会社、制作の流れや職種などを詳しく解説していきます。
MVとは?
そもそもMVとは何なのでしょうか。ここではMVについてや、MVとPV(プロモーションビデオ)の違いについてご説明します。
MVについて
MV(ミュージックビデオ)とは、楽曲のイメージを表現する映像作品のこと。歌詞をモチーフにしたり、芸術的要素を強調したりする役割があります。MVは楽曲の制作者が楽曲で伝えたいことをイメージして作られることが多いですが、それだけでは不十分と言えるでしょう。
・アーティストの魅力
・楽曲で伝えたいこと
・歌詞の背景
上記のように、視聴者に多くのことを伝えなければなりません。近年では、アーティストの魅力や楽曲背景を考えさせる制作が重視され、MV制作事業者はより幅広い表現が求められます。
MVとPVの違い
PV(プロモーションビデオ)とMVは制作する目的が異なります。PVとは、商品やサービスなどの宣伝および販売促進のために制作される動画のこと。PVはMVと異なり、音楽系の映像に限らず、企業などの宣伝・販売促進用の映像全般を指しています。
PVは商品の宣伝や販促のため、MVは楽曲の世界観を表現するために作られていますが、芸術性の高いMVが話題になり商品の販促につながっているため、PVと混同されることも多いです。
MVの仕事に携わるには?
将来はミュージックビデオを作る仕事を目指している方にオススメしたいのが、CMなどの制作を得意とする広告制作会社です。広告制作会社はMVを専門とする会社よりも教育研修体制が整っていることが多く、未経験の方にもオススメできます。トップアーティストのMVを多く制作している広告制作会社もあります。
MVの仕事ができる会社は?
MV制作の仕事ができる会社は3種類です。
・映像制作会社
・広告制作会社
・PVはレコード会社が制作するケースが多い
1つずつどのような会社なのかご説明します。
映像制作会社
MV制作の仕事ができるのは、映像制作会社です。映像制作会社とは映像制作を専門に扱う会社で、MVはもちろんCMやテレビ番組などの映像全般を扱います。映像制作会社へ入社すればMV制作はもちろん、さまざまな動画媒体の制作を担当できます。
広告制作会社
映像制作会社と同様に、広告制作会社もMV制作の仕事ができます。広告制作会社は広告代理店から依頼を受け、CMやプロモーションムービーを制作する会社で、多くの有名アーティストが広告制作会社でMVを制作しています。大手広告制作会社の一部門として制作会社がある場合もあります。レコード会社が広告代理店にCD発売のプロモーションも任せる場合は、一括して広告制作会社がMVを担当するケースが多いです。
PVはレコード会社が制作するケースが多い
MVと混同されがちなPVはレコード会社が自社で制作するケースが多いです。PV(プロモーションビデオ)はあくまで宣伝が主目的で、楽曲の一部を使用して世間に楽曲の発売を知ってもらうのが目的です。一方でMVは楽曲を丸ごと使用して、その楽曲の背景や世界観を映像で表現した映像です。PVは宣伝のための短時間の映像であり、レコード会社が自社の制作部門で作る場合が多いです。
MV制作の仕事の流れ
MV制作の仕事の流れは以下の7ステップです。
①レコード会社とMVの打ち合わせ
②映像構成案の提出
③撮影
④オフライン編集
⑤試写
⑥本編集・MA
⑦納品
各作業について
・レコード会社とMVの打ち合わせ
MV制作はまず、レコード会社との打ち合わせから始まります。
アーティストが表現したい世界観やイメージをヒアリングし、内容を再現するためです。
・映像構成案の提出
次にレコード会社との打ち合わせをもとにして、MVの映像構成案の提出をおこないます。ヒアリングした内容とアーティストのイメージを反映させ、どのような動画にするかコンテなどを制作し、チェックしてもらいます。リテイクが出た場合は構成案を練り直し、再度レコード会社にMVの構成案を提出します。
・撮影
MVの映像構成案にOKが出たら、撮影が始まります。アーティスト自身が出演する場合もありますし、役者やダンサーを使う場合もあります。
・オフライン編集
撮影した映像をオフライン編集し、音楽と映像を組み合わせます。アーティストの世界観を表現するためにCGを使用する場合もあります。
・試写
オフライン編集が終わった時点で、レコード会社やアーティストに対して試写をおこないます。試写してアーティストやレコード会社の担当から、編集についての修正点などを出してもらいます。
・本編集・MA
試写で出た修正点などを直し、細かな調整作業をおこないます。MVで使用する音楽のバランスを調整するなどして、MVの仕上げをするのが本編集です。
・納品
本編集やMAが終わったMVを、レコード会社へデータを納品します。納品が完了し、最終OKが出ればMV制作は完了です。
MV制作担当の職種とは?
MV制作の仕事を担当するクリエイターは多様な種類があります。では具体的にどのような職種があるのでしょうか。詳しく解説していきます。
MV制作担当の職種と仕事内容
・プロデューサー
MV制作の仕事の要はプロデューサーです。プロデューサーはレコード会社とのヒアリング結果をもとに動画制作のプロジェクトを組み、進行を管理します。また、完成したMVをクライアントに提出する前のチェック作業なども実施します。
・ディレクター
MV制作におけるディレクターとは、演出家のことです。アーティストの楽曲イメージを可視化し、視覚的効果を付与したり、映像演出を考案します。ディレクターがカメラマンやCGクリエイターへ指示を出し、イメージ通りのMVに仕上げます。
・構成作家
MV制作における構成作家の仕事は、映像の構成を考えることです。プロデューサーやディレクターが企画した映像のイメージをより具体的にし、絵コンテなどに起こします。
・制作デスク
MV制作における制作デスクの仕事は、MV制作の予算管理です。経費精算や伝票処理などの事務作業を担当します。
・カメラマン
MV制作におけるカメラマンの仕事は、カメラ機材を使ってMVを撮影することです。構成作家やディレクターのアイデアを反映させるように、MVに必要な場面を撮影していきます。
・音声スタッフ
MV制作における音声スタッフの仕事は、収録現場で音声の録音をすることです。MVのメイキングなどに使用する映像の音声収録などを担当します。
・MAミキサー
MV制作におけるMAミキサーの仕事とは、MVに使用する素材音やBGM、音源などのミキシングです。映像と音を組み合わせ、音量バランスの調整などをしてMVを仕上げる仕事です。
・照明スタッフ
MV制作における照明スタッフの仕事とは、撮影時の照明機材の操作です。出演者に照明を当てて、ディレクターのイメージ通りの映像になるように演出を担当します。
・PAエンジニア
MV制作におけるPAエンジニアの仕事とは、MVに流れる音源全体の調整や演出です。撮影現場で流す音楽の調整なども担当します。
・編集者
MV制作における編集者の仕事とは、撮影が終わった映像の編集作業です。撮影した映像から重要な場面を切り抜いて順番を変更したり、エフェクトをつけたりしてMVを仕上げます。
・CGクリエイター
MV制作におけるCGクリエイターの仕事とは、MVにCGグラフィックによる映像演出をすることです。出演者のバックから炎が噴き出るなど、イメージに合わせたCGを再現します。
・美術スタッフ
MV制作における美術スタッフの仕事とは、撮影に必要な小道具やセットの制作です。アーティストの衣装のアレンジなども担当します。
MV制作担当の仕事に就くには?
MV制作会社へ就職する方法は3つあります。
・専門学校や大学で映像制作を学ぶ
・広告制作会社や映像制作会社へ就職する
・アルバイト求人を探して経験を積む
未経験からいきなりMV制作会社への転職は難しいため、専門学校卒または実績を積む必要があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
専門学校や大学で映像制作を学ぶ
MV制作会社へ就職する1つ目の方法は、専門学校や大学で映像制作を学ぶことです。専門学校や大学で映像制作について勉強し、新卒採用枠でMV制作会社の内定を目指しましょう。
広告制作会社や映像制作会社へ就職する
MV制作会社へ就職する2つ目の方法は、広告制作会社や映像制作会社へ就職する方法です。映像編集アシスタントや事務などの未経験OKな求人を探して転職し、徐々にステップアップしましょう。経験者の場合は編集ディレクターなどのポジションで入社可能です。
アルバイト求人を探して経験を積む
MV制作会社へ就職する3つ目の方法は、アルバイト求人を探して経験を積むことです。基本的にMV制作会社への転職は実績が必要であるため、まずはアルバイトで編集作業について実務経験をつけましょう。実績や過去のポートレートが提出できれば、大手MV制作会社への転職も目指しやすくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。MV制作に携わる方法として、映像制作会社や広告制作会社があることがお分かり頂けたかと思います。ただし、CMがメインの制作会社ではMVのプロジェクトを担当できるかどうかは入ってみないと分からないことが多いという現実もあるようです。MV制作の仕事はレコード会社との打ち合わせから納品まで、さまざまな職種の人が関わっています。ひとくちにMV制作といっても幅広い職種があるので、自分の得意なことを生かしたポジションを目指すと良いでしょう。