松竹の平均年収は約798万円
上場企業が企業情報を開示するための有価証券報告書によると、2023年2月期の時点では、松竹の平均年収はおよそ798万円となっています。国税庁の発表によると全国の平均年収が461万円であることから、松竹の平均年収は全国平均よりもかなり高いといえます。
直近7年間における松竹の平均年収の推移を見ると、やや減少しているのが実状です。とはいえ、先述のように全国平均よりもかなり高い金額であることから、大きな影響はないと考えられます。
出典:「有価証券報告書」(松竹)
松竹の初任給や手当は?
松竹の採用情報を確認すると、2022年4月の実績では、松竹の初任給は24万7,640円となっています。ボーナスは7月と12月の年2回支給され、毎年4月には昇給もあるため、給与制度は整っているといえます。
諸手当として明記されているのは、家族手当・資格手当・通勤手当です。ほかには福利厚生制度も整っており、特に女性の産前産後休暇制度や短期間勤務制度は、長く働きたい女性にとっては有効な制度です。
また、松竹には育児休暇を終えた社員向けに「育児支援プログラム まつのこたけのこ」が完備されています。育児休業から復職する社員が、育児と仕事を両立しやすくするための制度であり、ベビーシッター費用の補助も受けられます。
介護しながら働く社員に向けても「介護支援プログラム まつさんたけさん」が導入されています。このように、多様な働き方が実現できる職場環境の構築に取り組んでいるのが、松竹の大きな魅力です。
出典:「募集要項」(松竹)
松竹の事業内容
松竹の主な事業内容は、映像事業・演劇事業・不動産事業の3つです。明治28(1895)年の創業以来、健全な娯楽の提供に努め、今日まで夢と感動を広く伝え続けています。各事業でどのような取り組みを行っているのか、事業内容についてご紹介します。
映像事業
映像事業では、映画・アニメの制作や宣伝・配給などを行っています。映画では「男はつらいよ」「幸福の黄色いハンカチ」「おくりびと」をはじめとした数多くの名作を世に送り出しているほか、近年ではアニメにも力を入れ、幅広い顧客層から支持を受けています。
ほかにも、海外で制作された映画の買付・宣伝・配給や、国内外へ向けた映像の権利ビジネスを手がけています。映像関連のイベント企画や運営も行っており、映像に関する多彩な事業を担っている会社です。
演劇事業
松竹といえば歌舞伎をイメージされる方も多いのではないでしょうか。松竹は、日本が世界に誇る伝統芸能・歌舞伎を独占しており、松竹が創業するきっかけも歌舞伎でした。歌舞伎の大きなテーマとされる「継承」と「創造」に向けて、シネマ歌舞伎やライブビューイングなど新しい事業を展開しながら、歌舞伎の魅力を国内外へ発信し続けています。
歌舞伎や一般演劇の企画・制作・興行や、直営劇場の運営管理、商標権などの権利ビジネスを幅広く手がけ、さらなる成長を目指して取り組んでいます。
不動産事業
松竹がビル賃貸業や不動産の管理・開発などに携わっていることを、意外に感じる方もいるのではないでしょうか。松竹は歌舞伎タワーや銀座松竹スクエアをはじめとする複数の不動産を保有しており、東銀座や京都を中心に新たなまちづくりに取り組んでいます。
その他事業
上記で紹介した事業以外にも、松竹では直営の歌舞伎グッズ専門店や飲食店なども展開しており、顧客のニーズに合わせた多彩な商品展開が特徴です。
また、映画パンフレットの編集・制作・販売、映画や演劇に関するイベントの企画・運営、音楽著作権の利用開発・許諾なども手がけています。
松竹で募集されている職種と募集要項
松竹の求人募集には、新卒採用、キャリア採用/専門職採用、アルバイト採用があります。ここからは、それぞれの採用で募集している職種や内容(※)をご紹介します。
※2023年12月時点の情報です。
新卒採用
新卒採用では、総合職(映像・演劇・事業・管理の各職種)を10名程度募集しています。先述のように、24万7,640円(2022年4月実績)の初任給に加え、4月の昇給、7月と12月の賞与、諸手当なども完備されています。
募集対象として、「4年制大学を卒業見込みもしくは卒業しており、正社員としての勤務経験がない」という要件を満たす必要があります。また、募集年度ごとに出生年も指定されているため、しっかりと確認しておきましょう。
新卒採用の社員に対しては、さまざまな経験を積んだうえで経営にも携われる人材育成を目的として、ジョブローテーション制度を採用しています。期間中に会社や事業に対する理解を深め、業務知識を向上させながらキャリア形成を図ることが目的です。
キャリア採用/専門職採用
松竹では、下記の職種についてキャリア採用を行っています。
・オープンポジション(演劇本部)
・映像コンテンツの海外ライセンス・セールス(メディア事業部)
・エンタメ作品のマルチ宣伝スタッフ・映画宣伝スタッフ(松竹ナビ)
・宣伝プロデューサー候補(アニメ事業部)
・映画レストアスタッフ(松竹映像センター)
上記の職種はいずれも契約社員としての雇用ですが、正社員登用制度もあるため、経験を積んでキャリアアップを目指すことも可能です。
アルバイト採用
松竹のアルバイト採用では、下記の職種で募集を行っています。
・店舗運営(東京|松竹歌舞伎屋本舗)
・案内係・切符売場係・劇場係(東京|新橋演舞場)
・映像チェック業務(東京|松竹映像センター)
・劇場運営・案内係・楽屋係・出札係(大阪|大阪松竹座)
・案内係(京都|南座)
時期によってはアルバイトの募集が終了している場合もあるため、事前に電話で問い合わせるようにしましょう。
松竹への就職・転職を成功させるためのポイント
松竹への就職や転職を成功させるためには、どのようなポイントを押さえておくと良いのでしょうか。ここでは、特に重要なポイントを3つご紹介します。
業界や企業への理解を深める
最初に行いたいのは、これから自分が働きたい業界や企業に対して、理解を深めることです。公式ホームページの記載内容や採用情報から、松竹が求める人材や人物像を知り、自分の強みと関連させて伝えられるようにしましょう。あなたを採用するメリットを会社側に強くアピールできます。
インターンに参加する
入社前に、実際の現場の雰囲気を味わうとともに、自己アピールの場としても活用できるのがインターンです。選考において、インターンへの参加で学んだことや感じたことをアピールできるだけでなく、インターンへの参加により早期選考に進めるケースも少なくありません。
松竹ではコースごとにインターンの日程が決められており、インターンへの参加にも選考の通過が必要です。インターンの概要に沿ってエントリーしましょう。
アルバイトで経験を積む
就職・転職する前に、アルバイトとして実際の現場で働き、経験を積むのも効果的な方法です。松竹でのアルバイトの経験は、就職・転職の際の大きなアピールポイントとなり、松竹における具体的な仕事内容も理解できます。
「アルバイト採用」の見出しでも触れたように、松竹のアルバイトについては、東京・大阪・京都の劇場や売店などで募集されています。就職や転職に比べ、応募条件も厳しくないため、積極的に応募してみると良いでしょう。
まとめ
松竹の年収は、全国の平均年収と比べて高水準にあり、各種手当や福利厚生制度も整っています。松竹への就職や転職を検討している方は、まずは松竹の経営理念などについて理解を深め、インターンやアルバイトに挑戦してみましょう。