2024年の中頃に2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟』が発表されて話題になりましたが、「今から2026年の発表?」と思った人もいるでしょう。ちなみに2025年の大河ドラマ『べらぼう』は2023年に発表されていましたね。それくらい大河ドラマというのは長い準備期間を経て制作されていくということです。
今回は約3年をかけて作られていく『大河ドラマ』についてまとめてみました!
大河ドラマっていつから始まったの?
1953年2月1日、日本でテレビ放送がスタートしました。
そして日本で初めての大河ドラマが生まれたのは、それから10年がたつ頃、1962年から1963年です。NHKの大河ドラマ第一作『花の生涯』(1963年)が日本初の大河ドラマになります。当時のドラマ制作は今では考えられないような出来事の連続だったようです。
例えば、当初はすべての番組が生放送だったので、ドラマももちろん生放送。セリフを忘れて役者があたふたするなんてことは日常茶飯事で、セットのいたるところに“カンペ”を仕込んでいたようです。
日本で最初の大河ドラマは開国間際の幕末が舞台 主人公は井伊直弼
NHK大河ドラマ第一作 1963年 『花の生涯』
≪ストーリー≫
開国か攘夷か─激動の幕末を舞台に、攘夷論に反対しあくまでも開国を主張し、桜田門外で水戸浪士の襲撃をうけて果てた大老・井伊直弼。彼の生涯を数人の女性をからませて描く。
大河ドラマってどうやって作られているの?
NHKの大河ドラマは、全体でおよそ3年、下見や脚本作りの準備期間を含めた制作期間で2年ほど、撮影だけでも毎年およそ1年2カ月程かけているといいます。
日本で一番長い制作期間で作っているドラマコンテンツともいえるでしょう。
非常にたくさんの人が関わっているので、それを取りまとめるには、一人のプロデューサーや一人のディレクターでは難しいため、大河ドラマの場合、プロデューサーもディレクターも、複数体制のチームで動いているといいます。
大河ドラマの舞台セットは毎回すごい!
2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』は世界最古の長編小説「源氏物語」を書いた紫式部が主人公の物語でした。物語を盛り上げるのが、色鮮やかな平安絵巻の世界観です。白木が美しい清涼殿、まひろと道長が逢瀬に使った廃邸は幻想的でしたよね。そんなスタジオセットを作るのが美術チーム。美術チームのデザイナーたちは、平安時代以前の建築や博物館、資料館などを実地検分したり、文献や資料、映像作品などを研究したり、専門家の先生に勉強会を開いてもらいながら学んでいくところから始めるそうです。その知識をもとに、ドラマの企画に沿った世界観を再現していきます。
美術チームの主な職種は以下になります。
●業務全般の調整を行う「美術進行」
●セット製作・塗装などを担当する「装置」
●小道具などを扱う「装飾」、庭や植栽などを作る「造園」
●雨や風、火などの仕掛けを作る「特殊効果」
●衣装やメイクなどを手掛ける「扮装」の担当者
大河ドラマの脚本は撮影と同時進行
驚くことに大河ドラマや朝ドラは、全部、同時並行で作業していきます。
脚本ができて、撮影に入っていきながら、同時にその後の脚本も作り続けていきます。
例えば、『光る君へ』を手掛けたのは脚本家の大石静さんで、2024年9月下旬に書き終えたと発表がありました。執筆期間は3年4カ月にわたったといいます。
2025年『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』
2025年1月5日にスタートした大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(つたじゅうえいがのゆめばなし)。
舞台は江戸時代中期の江戸の街。喜多川歌麿や山東京伝、滝沢馬琴らを見出し、東洲斎写楽を世に送り出したことで知られる“江戸のメディア王”蔦屋つたや重三郎じゅうざぶろう(1750‐1797)が主人公です。日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物です。そんな“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を、笑いと涙と謎に満ちた“痛快”なドラマ。主人公を演じるのは横浜流星さん。大河ドラマ初出演にして初主演となる横浜さんの演技にも注目ですね。
脚本を手掛ける脚本家・森下佳子さんは過去に大河ドラマ「おんな城主 直虎」を手掛けた実力派
大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の脚本を手掛けるのは、脚本家・森下佳子さんです。
森下佳子さんは2000年(平成12年)に「平成夫婦茶碗」で脚本家としてデビュー。その後、「世界の中心で、愛を叫ぶ」、「JIN-仁-」、「大奥」といった様々な作品を手掛けています。2015年(平成27年)には、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の脚本を担当している実力派の脚本家です。
次回作の『豊臣兄弟!』
2026年放送のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」は、戦国時代を舞台に豊臣秀吉・豊臣秀長兄弟の物語が描かれます。主人公は「秀長が長生きしていれば天下は安泰だった」とまで言わしめた天下一の“補佐”豊臣秀長。強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡の下剋上サクセスストーリーを描いていきます。
主役の豊臣秀長を演じるのは、今勢いが止まらない役者・仲野太賀さんです。その他、秀長の兄、豊臣秀吉役を演じるのが池松壮亮さん、秀長の幼なじみで初恋の人の直(なお)は永野芽郁さん、秀長の妻の慶(ちか)は吉岡里帆さん、秀吉の妻の寧々(ねね)は浜辺美波さんなどと、実力者ぞろいとなっています。
●放送予定 2026年1月~12月
●制作スケジュール 2025年6月 クランクイン予定
脚本は「半沢直樹」を手掛けた八津弘幸さん
「豊臣兄弟!」の脚本を担当するのは脚本家・八津弘幸さん。過去に執筆した作品は、TBS系の連続ドラマ「半沢直樹」、連続テレビ小説「おちょやん」などの話題作があります。
八津さんは、1999年に脚本家デビューし、大胆な構成力とエンターテインメント性をベースにした重厚な人間ドラマや、笑って泣ける人情ドラマを数多く手がけているので、今回の下剋上サクセスストーリーもダイナミックな展開が期待されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
大河ドラマの裏側について少しでも知ってもらえたら嬉しいです。長い製作期間を経て、たくさんのスタッフが関わっている大河ドラマ。現在放送中の作品だけでなく、次回作、次々回作にも今から注目してみると面白いかもしれませんね。