テレビ番組の制作には大きく分けて3つの部門があります。番組の企画や演出、出演者などを決める「演出」。テレビ番組のセットなどを作る「美術」。そして、カメラマンや音声、照明スタッフなど撮影の現場を支える「技術」です。
今回は、テレビ業界の「技術職」のお仕事についてご紹介していきたいと思います!
特定分野に長けたプロフェッショナル集団という感じでかっこいい職業ですよ!
テレビ番組の技術職はなにがあるの?
番組を技術面から制作・運営する職種で、専門的な知識・スキルが必要になります。
代表的な職種を解説します。
カメラマン
たいていは、スタジオ収録の撮影と、ロケなどの屋外での撮影の2種類を担当します。
ディレクターが作りたい番組を理解し、テレビ番組の映像として具現化する仕事なので、技術的な知識はもちろん、想像力やセンスも必要になってくるお仕事です。
カメラマンになりたい場合、まずはベテランカメラマンのアシスタントとして仕事をスタートします。
専門学校や大学の映像学科出身者が就くケースが多いようですが、一般学科卒の方でも不可能ではありません。
音声・音響スタッフ
番組の「音」全般に関わる仕事です。大きな音楽番組ではマイク200本、フェーダー(一つ一つの音声を調整するもの)400本を操ることもあります。ロケ・収録の際に出演者の声や音を拾ったり、録音済みの音の調整や音響効果を加えて編集する仕事も担当します。
音の調整だけではなく、「連絡線」と言われるサブとスタジオ、中継がある場合はスタジオと中継先との連絡回線も構築します。
照明スタッフ
スタジオにセットが完成した後にまず始めに作業をするのが照明のお仕事です。
照明が仕込まれ、明るくなって初めて番組の収録をすることができます。
楽しい番組は明るく・キレイに出演者とセットを映し出す空間を作り出し、歌番組では、曲のテンポ・雰囲気に合わせた照明効果で空間を演出します。スタッフは色々な方向から照明をあてて、より美しく、より見やすい映像になるよう日々努力を重ねています。
照明には専門的知識が必要なので、多くの方は専門学校出身の方です。番組制作会社に所属してテレビ局の外注で仕事を受けるケースがほとんどです。
VE(ビデオ・エンジニア)
VEは、映像の品質管理や映像表現のほか、番組制作を行うための技術全般を担う、「映像の番人」ともいえる仕事です。
具体的には、事前に番組制作に必要な機材の選定やシステムの設計を行い、当日の準備では各機材を設置し接続、設定をします。収録中はカメラの色や明るさを均等に整えたりなど、映像調整を行いながら、番組が正常に収録されているかを監視するという、撮影のシステム全般に関わるお仕事です。
VEは撮影・照明・音声といった技術担務のほか、制作、美術チームとも密接に関わるため、互いの連携も大事になってくるといいます。
VEになるには、映像技術系の専門学校や大学で学び、映像制作会社やテレビ局に技術職で就職する道が一般的だそうです。
美術
美術は、舞台装置や小道具を作るのが主な仕事になります。スタジオのセットを作ったり、ドラマの中で建物や街並みのような大がかりなセットを作るようなこともあります。
技術やセンスが問われるので、美術関係のことを学んできた人がこういった仕事に就くことが多いです。アシスタントとして現場経験を積みながら一人前を目指します。最近ではCG技術を使った技術が求められることもあるようです。他にも番組を宣伝するためのポスターや、車のラッピング、番組ノベルティのデザインなども美術の仕事になります。
まとめ
技術スタッフはどの分野もスキルが試される職人の世界です。しかし就職先では、そのスキルを身に付けるために、手取り足取り全て指導をしてもらえるとは限らないのが現状です。そのため、入社する前から最低限の知識を身に付けておくことが必要です。専門学校で基礎を正しく習得した上で、現場を目指すのが最善だと思います。映像の見やすさ、伝わりやすさは技術スタッフが支えています。興味のある方はぜひチャレンジしてみてください!