テレビディレクターの平均年収は647.3万円
厚生労働省が運営している職業情報提供サイト「jobtag」によると、令和3年の賃金構造基本統計調査において、テレビディレクターの全国年収平均は647.3万円と発表されています。ただしこの数値はあくまでも全国平均であり、地域によって金額に差があります。
都心部では、500万円から600万円前後が多くなっていますが、群馬県は特に高く、平均年収はおよそ812万円です。一方、秋田県はおよそ313万円と、地域による賃金差が明確に表れているのです。
地域以外に、所属する会社によっても、テレビディレクターの年収は大きく異なります。キー局・地方局・番組制作会社の中では、キー局が最も高い年収が見込めます。役職によっては、30代で1000万円台・40代のベテランになると1,500万円を超えることもあるほどです。
一方、同じ年代でも地方局の年収は、キー局の7割程度にとどまります。さらに、番組制作会社では500万円前後の年収となり、長い労働時間のわりに賃金が合わないと考える人もいます。
参照元：職業情報提供サイト「jobtag」
テレビディレクターの年収事情
ここではテレビディレクターの年収事情について、さらに紹介します。
テレビディレクターの初任給
テレビ関連の会社に入社後は、まずはアシスタントディレクター、いわゆるADとして先輩につき、3年から5年にわたり仕事を覚えます。勤務会社や勤務地などによって異なりますが、年収は300万円から400万円程度となっています。
テレビ局では、年齢や最終学歴で初任給の額が変動することも珍しくありません。上記の金額はあくまで平均額として捉えておくと良いです。
テレビディレクターのボーナス・賞与
テレビディレクターのボーナスも、会社によって大きく異なります。年俸制を採用している会社ではボーナスが支払われませんが、一時金としてボーナスと同様の形式で支払われることもあります。
キー局と比較すると、地方局や番組制作会社で勤務するテレビディレクターは、ボーナスが少ない傾向が見られます。局によってはボーナスが支給されない場合もあるので、事前に確認する必要があります。
テレビディレクターの福利厚生や手当
テレビディレクターの福利厚生も、給料と同様に勤務先によって大きく開きがあります。大手企業に該当するキー局では、各種手当や休職制度などが充実しています。
一方で、地方局や番組制作会社などの小規模な会社では、キー局に比べ福利厚生が整っていない場合があるほか、手当が少額であるケースも珍しくありません。これらの労働環境については、就職活動をする時点でできる限り確かめておくことが大切です。
テレビディレクターの昇給
初任給の項で紹介したように、テレビディレクターになるには、まずアシスタントディレクターとして仕事を覚えることが一般的です。アシスタントディレクターからディレクターへ昇進すると、昇給も見込めるようになります。また、勤務年数に応じて昇給を見込める場合もあります。
テレビディレクターの年収は勤務先やスキルによって異なる
テレビディレクターの年収が変化するのには、どのような要因が関係しているのでしょうか。
勤務先によって大きく異なる
キー局・地方局・番組制作会社それぞれにテレビディレクターがいますが、どの会社で働くかによって年収が異なります。
すべての会社に共通しているのは、入社してすぐにテレビディレクターとして仕事をするのではない点です。入社してからしばらくは、アシスタントディレクターとして経験を積み、実力を高めたうえでテレビディレクターのスキルを積んでいくことが大切です。
実力主義の世界である
テレビディレクターやプロデューサーの世界は、実力がそのまま年収につながるケースが多いです。アシスタントディレクターとしての経験や、番組制作に携わった回数などによって、実力が評価され売上が上がると、年収だけでなくボーナスが上がる場合もあります。
実力がモノをいうテレビディレクターの世界では、常に最新の情報をキャッチできるよう、さまざまな情報にアンテナを張る姿勢が大切です。
テレビディレクターが年収アップを目指すには
テレビディレクターが年収アップを目指す方法として、実績を積んで大手キー局に就職または独立する方法が挙げられます。
同じテレビディレクターであっても、勤務先の企業によって年収は異なります。最も高い年収が見込めるのは、大企業に該当するキー局であり、キー局でテレビディレクターとして働くことで高い年収を目指せるようになります。
また、企業で働くのではなく、独立してフリーのテレビディレクターになる方法も選択肢のひとつです。フリーの世界は、企業で働く以上に実力が求められますが、実力が評価されると1,000万円以上の年収も目指せます。
実績を積むためには、幅広い知識やコミュニケーション能力だけでなく、スケジュール管理能力・企画力・体力などをしっかりと身に付けることが大切です。年収アップを目指すのであれば、日頃から自らのスキルを高めるよう、努力していくようにしましょう。
まとめ
この記事で紹介してきたように、テレビディレクターの年収は所属する企業やスキルによって大きく異なります。どの企業に所属していても、自らの努力次第で年収アップは十分見込めるうえ、さらにスキルを高めて独立するのも有効な方法です。
地上波放送以外に、CS放送・インターネットテレビ・ケーブルテレビなど、テレビの媒体も多様化しています。それにともない、テレビディレクターが活躍できる場も増えているため、興味を持っている方は、ぜひテレビディレクターの仕事にチャレンジしてみてください。