就職するなら業界理解は必須!テレビ業界の動向は?
テレビ局への就職を希望するなら、テレビ業界を取り巻く状況や、動向を把握しておく必要があります。
以下の記事でも、テレビ局の今後の動向について詳しく紹介していますので、ぜひご参考にしてみてください。
テレビ局の売上高は減少傾向にある
2018年までは、やや増加傾向にあった広告収入が減少しており、テレビ局各社の売上高は減少傾向にあります。テレビ局はCMなどの広告収入がメインの収入源です。そのため、広告収入の減少は売上に大きく響きます。
広告費減少の背景にあるのはインターネットの動画広告です。以前までのインターネット広告は画像や文字だけのものが中心でした。しかし、広告出稿にかかるコストがテレビ広告よりも安いことから、ここ数年でインターネット動画広告が急拡大しています。
動画配信サービスを活用するようになっている
広告収入が減る中でテレビ局は、動画配信サービスを提供するなど新たな取り組みを実施しています。
主にテレビで放送した番組を、後日、PCやスマホでも視聴できるようにするというものです。テレビと同時配信するサービスもあります。
無料で広告つきのサービスを提供して、テレビ放送の方で減った広告収入を補うのが狙いです。また、近年では有料の動画配信サービスへも、テレビ番組が提供されています。
テレビ以外の事業にも取り組んでいる
最近では、テレビモニターを使用してテレビを見る人が減少しており、今後もこの傾向は続く可能性があります。なぜなら、スマホひとつあれば、SNSや動画配信サービスでさまざまな映像を視聴することができるからです。そのため、テレビ局では、オフィスビル開発やホテル運営など、テレビ番組の制作以外の事業も始めています。
別事業にも取り組むことで、万が一テレビ事業での売上を伸ばせなくても、会社全体として安定した売上を確保するのが狙いです。
キー局は高収入が見込める
TBS・日本テレビ・テレビ東京など民放キー局はほかの業種と比べて高収入です。キー局の平均年収はおおむね1,000万円を超えています。初任給も大卒であれば、25万~28万円程度と、かなり高めの水準です。
ローカル局の場合、キー局ほど年収が高くはありません。しかし、ほかの業種と比べると十分に高い水準です。日本の平均年収を大幅に上回っています。
【就職難易度】テレビ業界に就職するのは難しい?
テレビ局は学生の就職先として人気が高く、採用倍率も非常に高いです。中でもキー局の採用倍率は数百倍ともいわれています。そのため、テレビ業界への就職を志している人の中でも、キー局への就職を果たす人はほんの一握りというのが実情です。
多くの人はキー局のみにこだわらず、準キー局やローカル局も視野に入れて就職活動を行います。しかし、準キー局やローカル局も採用倍率は高めです。
中には、番組制作会社に就職する人や他業種の企業に就職する人も多くいます。
テレビ業界への就職で求められるスキル
テレビ業界では次のようなスキルが求められます。
・業界に関する知識
・体力、精神力
・流行をキャッチするアンテナ力
それぞれ詳しくご紹介します。
業界に関する知識
テレビ業界への就職を目指すなら、業界に関する知識は必須です。たとえば、『バラエティ番組』というジャンルには、音楽番組・教養番組・クイズ番組などが含まれることなどは知っておかなければなりません。
また、どのジャンルの番組がどの部署で制作されているのかも把握しておくことが必要です。たとえば、バラエティ番組なら制作局、情報番組なら情報局、報道番組なら報道局のような具合です。
業界に関する知識をもっておくことで志望度の高さも伝わります。ただし、入社後に必要になる知識は配属先によっても異なります。細かな点を見れば、番組によって異なることも多いです。具体的な点については、入社後に配属先が決まってからひとつずつ勉強していく必要があります。
体力・精神力
テレビ業界では長時間労働になることが多く、労働時間も変則的です。特に報道系では、緊急時には出勤することも珍しくありません。災害発生時などには、予定を変更して急遽対応しなければならない場面もあります。
バラエティ番組や情報番組などでは、収録を予定通りに進めなければならないというプレッシャーもあります。生放送の場合にはやり直しできないため、独特の緊張感のもとで業務にあたります。そのようなプレッシャーに耐えられるだけのメンタルも必要です。
流行をキャッチするアンテナ力
視聴者を惹きつけるには、今世間で流行っていることへの知識と理解が必要です。最新の流行を常に取り入れられる敏感さが求められます。
流行は移り変わりが激しいため、日々の変化についても常にアンテナを張り巡らせておかなければなりません。
テレビ業界への就職を有利に進めるためのポイント
テレビ業界への就職活動を有利に進めるためには、次のようなポイントを押さえておきましょう。
四年制大学を卒業する
テレビ業界へ就職する人の大半は四年制大学を卒業しています。学歴は重要視されるポイントではありませんが、高い方が有利な側面もあります。
また、テレビ業界に関係する学部や専攻科を卒業するのもひとつの方法です。志望度の高さをアピールするために活用できます。
テレビ制作の現場でアルバイトとして働く
テレビ制作の現場では、アルバイトを募集していることもあります。主にイベントなどを開催するときには、アルバイトの募集が多いです。
まずアルバイトとして実際に働いてみると、番組制作での仕事がどんなものなのか、おおよそ把握できます。自分に合っているのか合っていないのかもある程度判断できるでしょう。テレビ業界の先輩社員と接する機会も持てるため、働いている人の生の声も聞けます。業界理解を深めるチャンスにもつながります。
インターンシップに参加する
テレビ局では学生を対象としたインターンシップも実施しています。インターンシップならテレビ局の中で社員の人と同じ仕事を実際に体験できるため、仕事内容に対する理解を深められます。
インターンシップに参加すれば、意欲の高さをアピールできる点においても有利です。ただし、インターンシップは希望すれば誰でも参加できるわけではありません。インターンシップにも長い選考があり、参加できる学生は限られています。
テレビ業界にアピールできる強みを身につける
倍率の高いテレビ業界に就職するには、ほかの人と差別化できる強みが必須です。たとえば、動画制作スキルが高い、発想力が豊かなどの強みを見つけておきましょう。
英語スキルは必須ではないものの、有利に働く場面もあります。たとえば、英会話スキルがあれば外国人観光客へのインタビューを通訳なしでできます。海外の著作物の番組使用申請を行う際に英語でやり取りできることも強みです。
また、趣味や特技などがあれば、どんなものでも活かせる可能性があるのがテレビ制作の現場です。そのため幅の広さをアピールするのも得策です。
たとえば、料理が得意ならアレンジレシピ特集の際に、試作品作りを任せてもらえます。サッカーが得意ならゲストにサッカー選手を呼んでシュートを披露してもらう際に、ボール出しを任せられることもあります。
漫画が好きなら、番組内でその時流行している作品のパロディ演出を行う際、細かい演出の指導が可能です。
まとめ
テレビ業界は、学生の就職先として非常に人気が高いです。しかし、キー局だと数百倍を超える高い倍率の中で、内定を勝ち取るのは非常に難しいのが実情です。そのうえ、ハードな仕事であるため精神力も求められます。
番組制作の現場のアルバイトをしたりインターンシップに参加したりすれば、業界理解が深まるだけではなく、就職活動が有利になることも期待できます。また、テレビとは関係のない趣味や特技なども強みになり得る特殊な業界なので、たくさん試行錯誤をしてみましょう。
就職難易度は非常に高いですが、やり方次第では内定を獲得できる可能性はあります。テレビ業界への就職を希望するなら、尻込みせず挑戦してみましょう。