テレビ業界の志望動機を作る前に必要なこと
テレビ業界への意欲が伝わる志望動機を作る前に必要なことがあります。ここでは、特に必要とされる2点を紹介します。
業界への理解を深める
テレビ業界は、メディア業界の中でも人気が高く、倍率も高い業界です。その中で内定を勝ち取るには、テレビ業界について深く理解していることが必須条件です。
放送事業者には、公共放送(NHK)と民間放送(キー局・準キー局・地方局)があります。
テレビ局内には、アナウンサーなど画面に映る職種がある一方で、番組制作・記者・カメラ・照明・事務などの裏方で働く職種もあります。テレビ業界を志望するのであれば、さまざまな職種に対する理解も必要です。
業界への理解を深めるには、最初にテレビ局のホームページに掲載された新卒採用ページをチェックしましょう。求める人材像や現場のスケジュールなども掲載されています。
新卒採用ページと並行して、IR資料の確認も重要です。IR資料とは広告活動用の資料であり、投資家に対して業績や会社の方向性などを示す資料です。決算報告のほか視聴率や収入源などの情報が分かります。
現場の雰囲気を知るには、会社訪問形式のインターンシップに参加するのも有効です。制作現場やスタジオに入れることもあり、現場を体感できる絶好のチャンスです。インターンシップは、本選考に関係ないとされているため積極的に応募しましょう。
自己分析を行う
志望動機は自己アピールにもつなげられる部分です。過去の経験も踏まえて、自分自身が持つスキルやアピールポイントなどを洗い出してみましょう。そのうえで、テレビ業界を志望する動機を明確にし、業界が求めている人材と自分自身との共通点を見つけましょう。
大切なのは、自己分析を通じてテレビ業界で自分ができる仕事は何なのかを追求することです。
テレビ業界の志望動機に含める内容
テレビ業界の志望動機には、どのような内容を含めたら良いのか、特に重要な項目を4つ紹介します。
テレビ業界を選んだ理由
テレビ以外にインターネットや新聞などのメディアがあります。特に、地上波のテレビに代わるメディアとして、インターネットテレビの視聴者が増えています。テレビ離れが進むといわれる状況下で、なぜテレビ業界を選んだのかという理由は、採用担当者が着目する大きなポイントです。
「テレビが好き」という漠然とした理由では、テレビ局側が求める人材とはいえません。テレビにまつわるエピソードや、将来的にこんな番組を作れるディレクターになりたい、番組制作のスキルを身につけたうえでどのように映像業界を盛り上げたいかなど、具体的な理由を盛り込むとテレビ業界で仕事がしたいという意欲が伝わります。
そのテレビ局や制作会社を選んだ理由
日本国内には、NHKやキー局をはじめとして120以上のテレビ局があり、局ごとに特徴が異なります。テレビ番組の内容のほか、放送エリア・得意なジャンル・局が持つコンセプト・放送事業以外に手掛けている事業など、差別化を図るために各局で取り組みを行っているのです。
近年では、地方局が独自の特徴を積極的に打ち出し、魅力的な番組を多数制作しています。局や制作会社の特徴を踏まえ、自分自身のやりたいことが実現できるかを考えることが大切です。
その職種を選んだ理由
前項で解説したように、テレビ業界内の職種は多岐にわたります。テレビ業界を志望するには、テレビ局へエントリーシートを提出する段階で、希望する職種や部署などを記入するのが一般的です。なぜその職種を選んだのか、職種を通じてチャレンジしてみたい仕事はあるのかなど、職種について深掘りしましょう。
職種を選ぶには、企業研究の段階で部署研究や職種研究も並行して行うと理解を深めながら進められます。
今後の意気込み
倍率の高い競争に勝ち残るためには、入社後どのように活躍したいのか、仕事で目指す目標は何なのかなど、入社後の意気込みを必ず織り交ぜましょう。
自分がやりたい仕事がテレビ局の将来像とマッチするよう方向性を定めて意気込みを伝えることが重要です。
【例文】パターン別!テレビ業界の志望動機の書き方
これまで解説してきた内容を踏まえて、テレビ業界における志望動機の書き方の例文をパターン別に紹介します。自分自身がどのパターンに該当するかを想像しながらご一読ください。
好きな番組を含める場合
テレビ業界を志望するには、テレビ好きであることが前提です。ただ、テレビ好きだけをアピールしても、他の応募者と差別化を図るのはとても困難です。
好きな番組を含めて志望動機を書くには、番組を通じて自分が何を感じたかを伝えることが大切です。例文は以下のとおりです。
私は、インターネットによる情報収集が進む社会情勢の中で、テレビ番組とインターネット配信のコラボレーション企画を実施された貴社の取り組みに、大変共感いたしました。貴社の取り組みを通じて、テレビの可能性を広げられると確信しております。貴社で番組の企画に携わり、映像業界の可能性を広げるような番組を作り上げていきたいと思い、入社を志望いたしました。
番組制作を志望する場合
番組制作を希望する場合は、具体的にどのような番組を制作したいのかを明確にし、志望動機に含めましょう。例文は以下のとおりです。
私は、MR上で楽しめる番組を制作したいと考えています。5Gの普及に伴い、今の「番組をスマホ画面で見るかたち」から、番組のみならず様々な映像が「現実世界に映し出された映像を見るかたち」になると推測されます。なので、私は現実と番組をうまく融合させて、新しい番組の楽しみ方を提供したいです。
記者を目指す場合
報道を志したい場合の志望動機は、報道に携わりたい理由や記者になりたい理由を詳しく含めて書きましょう。例文は以下のとおりです。
私は、現場を取材する記者になりたいと思い、貴社を希望いたします。貴社のニュースでは、現場で取材されている記者の方が中立的な立場で意見を述べておられ、とても感銘を受けました。記者の方の『事実を客観的に伝える』という取材に対する姿勢も、私が目指す記者の姿そのものです。主観ではなく、事実をありのまま伝えられる記者になりたいです。
アナウンサーを目指す場合
アナウンサーは、テレビ業界の花形といえる職業ですが、華やかな舞台の裏には数々の苦労もあります。アナウンサーを目指す場合の例文は、以下のとおりです。
私は、アナウンサーを目指したく、貴社への入社を希望しております。高校時代に放送部に所属していた際、同級生から話し方を褒められたことがきっかけで、将来の夢として意識するようになりました。アナウンサーは、事実を伝えるだけでなく、視聴者が聞き取りやすいと感じる話し方をしなくてはいけません。現在は、毎日話し方の本を読み、勉強を続けております。今後も、さらにスキルを高めていけるよう努力してまいります。
テレビ業界の志望動機を考えるときの注意点
テレビ業界への志望動機は、テレビが好き・番組のファンであるなどのアピールで終わるのは厳禁です。このアピールは、あくまでも視聴者の立場であり、仕事にはつながりません。番組の制作側の視点に立ち、動機を考えることが重要です。
同様に「楽しく仕事がしたい」という先入観の混ざった動機もテレビ業界を理解していないと思われてしまいます。
志望動機は、テレビ業界に対する思い入れが伝わる内容で、かつ入社後の将来像を示すことが大切です。
また、「○○(具体的な番組名)に関わりたい」という志望動機にも注意しましょう。番組側が求める人物像に当てはまらなかったり、そもそも番組が終了してしまったりなど、テレビ局の事情によっては希望した番組に携われないこともあります。
志望先は特定の番組に絞るのではなく、「バラエティ番組のディレクター」「情報番組のプロデューサー」など、分類ごとにどんな価値を発揮したいのかを具体的に書くようにしましょう。
まとめ
テレビ業界への志望動機は、業界の事情を理解したうえで、将来像が見えるような内容にする必要があります。そのためには、本記事で紹介した内容を踏まえて、志望動機を書くことが大切です。