テレビプロデューサーの年収は勤務先によって異なる
テレビプロデューサーはキー局や地方局の社員だけではありません。番組制作会社に所属している方や独立して会社を経営しているプロデューサーもおり、その勤務形態はさまざまです。それぞれによって、年収は大きく変わります。
ここでは勤務先別にテレビプロデューサーの年収事情を紹介します。
キー局・地方局
キー局のテレビプロデューサーの年収は、30代で年収1,000万円、40代で1,500万円を超えるといわれています。
一方で、地方局のテレビプロデューサーの年収はキー局よりもやや低いですが、40代では1,000万円を超える人も珍しくありません。
「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は443万円となっています。キー局・地方局のどちらも、テレビプロデューサーの年収は日本人の平均年収よりもはるかに高額であることが分かります。
参照元:「令和3年分民間給与実態統計調査査結果について」(国税庁)
番組制作会社
番組制作会社とは、テレビ局から発注を受けて番組を制作する会社のことです。番組制作会社の場合、プロデューサーの年収は500万円程度といわれています。
キー局や地方局のプロデューサーに比べると低めですが、日本人の平均年収よりは高い傾向です。人気番組を手掛けたり多数の番組制作を担当したりすると、収入が増えることもあります。
独立して会社経営
テレビ局などで実績を積んだあとに、独立して新たな番組制作会社を立ち上げるテレビプロデューサーもいます。
独立開業した場合の年収は個人によって大きく異なるため一概にはいえませんが、人気番組を多く手掛けられれば年収1,000万円以上も見込めます。
反面、仕事を受注できなければ、キー局や地方局、番組制作会社などに勤めていたときよりも大幅に下がります。また収入が得られなくなる可能性もゼロではありません。
実績や信頼、人脈があるテレビプロデューサーでないと、独立後に仕事を受注し続けることは困難です。そのため独立を考えているなら、まずはテレビ局や番組制作会社のテレビプロデューサーとして十分な経験を積む必要があります。
【階級別】テレビプロデューサーの年収
テレビプロデューサーになるには下積み期間が必要です。また、テレビプロデューサーになってからも、駆け出しやトップレベルのプロデューサーなどランクがあり、どの段階にいるかによって年収が異なります。
ここからはアシスタント・駆け出しプロデューサーの年収と、トップレベルのテレビプロデューサーの年収を比較します。
アシスタント・駆け出しプロデューサーの年収
テレビプロデューサーはテレビ番組制作の現場責任者にあたる重要なポジションです。そのため、テレビプロデューサーになるためには、下積みが欠かせません。
まずはアシスタントディレクター(AD)からスタートして経験を積み、キャリアアップしながらテレビプロデューサーを目指します。ADの間の年収は、250万円程度であることがほとんどです。
ADとして経験を積んだ後は、アシスタントプロデューサー(AP)としてテレビプロデューサーのサポートを通して、実績を積んでいきます。
APの期間の年収は、250万~450万円程度です。APとしての働きが現場のプロデューサーやディレクターに認められて昇進すると、晴れてテレビプロデューサーになれます。
しかし、APからテレビプロデューサーになるための競争は激しいことも事実です。テレビプロデューサーになるまでに10年はかかるといわれており、長い下積み期間を覚悟しておく必要があります。
トップレベルのテレビプロデューサーの年収
前述したように、キー局のテレビプロデューサーの年収は1,000万~1,500万円程度が目安です。しかし、トップレベルのエグゼクティブプロデューサーともなると、年収2,000万円台も夢ではありません。
なお、トップレベルのテレビプロデューサーの役職名は、エグゼクティブプロデューサーやチーフプロデューサーなど、局によって異なる場合があります。
テレビプロデューサーの待遇とは
テレビプロデューサーの年収だけでなく、昇給やボーナス、福利厚生といった待遇についても知りたい方もいるのではないでしょうか。
テレビプロデューサーの待遇は、年収同様、勤務先によって異なるため一概にはいえません。ここではテレビプロデューサーの一般的な待遇について紹介します。
テレビプロデューサーの昇給
テレビプロデューサーは、勤務年数や経験に応じて昇給が決まることがあります。テレビプロデューサーとして経験を積み、担当する番組が増えたり人気番組を手掛けるようになったりして責任が大きくなるにつれて、給与に反映されるのです。
地方局や番組制作会社からキー局に転職する場合も、テレビプロデューサーとしての経験が長ければ給与に反映されることが考えられます。
なお、異業種からテレビプロデューサーへの転職は、ほぼ不可能と言って良いでしょう。番組制作の総責任者であるテレビプロデューサーになるには、番組制作に関する知識やスキルが必要です。
仮にほかの企業で要職についていたとしても、番組制作の知識やスキルを身に付けるためには、ADから始めて経験を積むことが求められます。
テレビプロデューサーのボーナス・賞与
テレビプロデューサーのボーナス(※)・賞与は、勤め先によって大きく異なります。年2回以上ボーナス・賞与が支払われるところもあれば、そもそもボーナス・賞与制度が設けられていないところもあるなどさまざまです。
担当した番組の視聴率が高かったり人気番組に成長したりすると、ボーナスの金額が上がったり、支給回数が増えたりすることもあります。
ボーナス・賞与の有無や支給条件などについては、求人に応募する前に確認しておきましょう。
(※)ボーナスは、毎月の固定給とは別に支給される給与のことを指します。賞与、特別手当と呼ばれることもあります。多くの企業で採用されている方法は「基本給〇ヶ月分」として支給するものです。
テレビプロデューサーの福利厚生や手当
テレビプロデューサーの福利厚生や手当の充実度も勤務先によって大きく異なります。
キー局など大手の場合は、提携のホテルやスポーツジムが利用できるなど、福利厚生が充実しています。深夜勤務手当や住宅手当、配偶者手当なども手厚く、育児休暇や介護休暇などの制度も整っている傾向にあります。
福利厚生や手当の充実度によって、働きやすさや収入に大きく差が生じることもあるため、求人情報を見るときには給与額だけでなく、福利厚生や手当についても確認しておくことが大切です。
まとめ
テレビプロデューサーの年収は、勤務先によって年収1,000万~1,500万を目指せることもあります。トップレベルのテレビプロデューサーともなると、年収2,000万円を超えることも可能です。
地方局や番組制作会社のプロデューサーの場合でも、キー局のプロデューサーよりは低めになるものの、日本人の平均年収を超えます。
とはいえ、番組制作の現場責任者であるテレビプロデューサーになるにはADからスタートして経験を積み、キャリアアップしていく必要があります。
アシスタントプロデューサーからテレビプロデューサーになれるとは限らず、10年以上の下積みが続くことも多いため、キャリアプランをしっかり練っておきましょう。