テレビカメラマンになるために必要な学歴
テレビカメラマンになるためには、どんな学歴が必要なのでしょうか。ここでは2通りの学歴について紹介します。
専門学校に進学
映像についての基本的な知識を早く学びたい場合は、放送系や映像系などの専門学校に進学するのがひとつの方法です。映像学科や放送技術科などを設けている専門学校では、カメラや映像技術に関する知識や、撮影に必要な技術など、基本的スキルを身に付けることができます。
テレビ局で使用しているものと同等の最新機材を使い、実習を多く取り入れている学校もあります。
四年制大学への進学
四年制大学の理工系学部や放送学科で学んだのち、テレビ局へ入社し、テレビカメラマンとして働く方法もあります。学生のうちに番組制作現場を学びたい場合、番組制作会社やテレビ局でアルバイトをする人も珍しくありません。
キー局では、新卒採用の条件として、大卒以上の学歴を求められる傾向があります。一方で、番組制作会社の場合は、大卒・短大・専門学校など、幅広く採用しています。技術職としての採用に学力が求められる可能性も考慮しておくことが得策といえます。
テレビカメラマンになるには?必要な資質は2つ
テレビカメラマンになるには、持っておくべき資質が2つあります。それぞれ下記で詳しく紹介します。
臨機応変に動ける力
撮影現場でハプニングが起こることは珍しくありません。打ち合わせ通りに撮影が進まなかったり、生放送では本番中に緊急ニュースが入ってきたりと、さまざまなケースが考えられます。これらのハプニングに対して、臨機応変に対応できる力が必要です。
撮影中に、ディレクターから急なリクエストが入ったときにも、現場の状況に合わせて冷静な対応が求められます。これらのスキルは、経験によって身に付くため、カメラアシスタント時代にしっかりと経験を積んでおくことが大切です。
コミュニケーション能力
カメラマンは、より良い映像を撮るために、ディレクターや演者に自分の意思を伝える必要があります。撮影に関する意思疎通がしっかりできないと、撮影が滞るケースも考えられます。
テレビカメラマンになるには資格は必要?
テレビカメラマンになるために必須となる資格はありません。ただし、一般社団法人日本ポストプロダクション協会が実施している民間資格「映像音響処理技術者資格」を取得しておくと、テレビカメラマンとしての知識が習得できます。
また、近年では、ドローンの撮影資格を取得する技術者が増えています。ドローンを操作できるカメラマンは、市町村のPR動画など、テレビ以外の映像撮影案件もこなせるようになり、仕事の幅が広がります。ドローンの国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」の制度は2022年12月に始まっており、今後、技術証明取得者の増加が見込まれています。
そもそもテレビカメラマンってどんな仕事?
テレビカメラマンとは、テレビで放送するための映像や画像をカメラで撮影する人物です。映像を撮影する技術はもちろんのこと、テレビ番組のジャンルや内容、番組の趣旨などに合わせて、使用機材・被写体・カメラワーク・撮影方法などを考えなくてはなりません。このため、高いセンスが必要とされています。
テレビカメラマンが撮影した映像は、視聴者が直接目にするものであり、番組の評判や反響などに最も大きく関わるポイントです。自分の撮影技術が、テレビ番組のクオリティに直結するため、大きなやりがいを感じる仕事です。
テレビカメラマンの種類
テレビカメラマンの種類は、明確に分類されない場合が多く、所属会社や部署により、カメラマンの仕事内容は変わります。スタジオ収録のみ、ロケのみなどどちらかのみを担当するカメラマンは多くありません。
テレビカメラマンの収入事情
テレビカメラマンの収入は、テレビ局か下請け制作会社か・キー局か地方局かなどによって、大きく異なります。収入は、300万円台から1,000万円台程度まで幅広い傾向です。また、キー局でキャリアを持ったカメラマンであれば、さらに高い収入が見込めます。
テレビカメラマンの働き方
テレビカメラマンの働き方は、1日8時間・週休2日が基本であるものの、勤務時間帯がはっきり決まっているわけではなく、不規則になりがちです。撮影ジャンルごとで、仕事が入りやすい時間の傾向が異なっています。報道番組の場合は、事件や撮影があると深夜・土日を問わず仕事が入ります。一方、スポーツ中継などは夜型シフトになりやすいジャンルです。
連続勤務や夜間勤務も珍しくなく、限られた予算で番組を制作しなくてはならないため、現場は過酷になりやすいといえます。
テレビカメラマンの仕事内容
テレビカメラマンの仕事は、どのような流れで進めていくのでしょうか。ここではテレビカメラマンの一般的な仕事の流れを紹介します。
スタッフ・ディレクターとの打ち合わせ
撮影に入る前に、担当スタッフ及びディレクターと、カメラの配置や撮影のタイミングなどについて、細かく打ち合わせをします。その後、カメラリハーサルに入りますが、演者はカメラリハーサルに入らないことがほとんどです。
テレビ番組ではAD・映画ドラマであれば助監督が演者としてリハーサルを行います。一部の現場では、アナウンサーなどが演者としてリハーサルを行うケースもあります。
打ち合わせでは、想定外に起こりうる事態を予測し、対応策も検討します。
撮影準備
打ち合わせが終われば撮影の準備を始めます。スタジオ撮影の場合は、打ち合せの時点で証明の調節や角度、構図をセッティングすることがほとんどです。
屋外での撮影では、事前に撮影場所の状況を確認します。そのうえで、状況に合った機材を選んだり、被写体が最も美しく映る角度や撮影のタイミングなどを検証したりします。
実際の撮影
撮影準備が完了したら、実際の撮影に入ります。スタジオ撮影はディレクターの指示を受けながら進められることが多いです。
ニュース・ドキュメンタリー番組・報道取材などを目的とした屋外のロケでは、ディレクターはほとんど同行しません。カメラマンのみか、もしくは少数のスタッフで撮影を行います。現場の状況を正確に撮影するために、臨機応変に判断したうえでの行動が必要です。
スタジオで撮影された映像は、即時に副調整室で確認され、編集した後放送されます。屋外での撮影では、撮影後に編集し放送されます。ただし、生放送は編集などができないため、テレビカメラに映った内容がそのまま放送されます。
このように、撮影はテレビカメラマンだけで行うものではありません。ディレクターをはじめとしたスタッフが一丸となって、協力して撮影することが大切です。
まとめ
テレビカメラマンになるには、大学や専門学校で必要な知識を学ぶほか、番組制作会社でアルバイト経験を積み入社する方法もあります。自分に適した学習方法を選び、テレビカメラマンを目指していきましょう。