AD経験者が語る!テレビ制作現場での【あるある失敗談】と【許されないミス】~後編~

ADの仕事は見て学ぶしかない? 前回は【前編】として、番組制作現場でやってしまいがちな【あるある失敗談】をご紹介しました。 ADになりたての頃は、分からないことも多く、ミスも多くなってしまうのは当たり前のことです。 特に...


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ADの仕事は見て学ぶしかない?

前回は【前編】として、番組制作現場でやってしまいがちな【あるある失敗談】をご紹介しました。
ADになりたての頃は、分からないことも多く、ミスも多くなってしまうのは当たり前のことです。
特に、テレビ業界での仕事の覚え方は現場で先輩を見て学ぶというのが主流です。
どの番組に入るかによって、かなり仕事の内容が変わってきてしまうので、実際に現場で仕事をしながら覚えるしかないというのが現状です。
ただ、そんな中でも、事前にどんなミスを避けなければならないのかとその回避策を知っておくと、現場で役に立つことがあるかもしれません。
ということで、今回の【後編】では、気を付けてほしい【許されないミス】を紹介していきます!

気を付けて!許されないミス

誰しもミスはしてしまうものではありますが、そんな中でも、こんなミスだけはしないでほしい!というものを紹介していきます。
回避策もあわせてお伝えしていきますので、これからADを目指す皆さんは是非参考にしてみて下さい。

借りた素材をなくす


ADは、ロケで、企業や個人の取材先から資料や写真などの素材をお借りすることがよくあります。
放送までの間に、連日のインサート撮影や編集所での作業などに追われて移動を繰り返していると、保管していた素材のありかがわからなくなってしまうということが発生しがちです。
また、日々の業務に追われ、借りたこと自体を忘れてしまい、返しそびれてしまうこともあったりします。

撮影の現場では、番組の為に、持ち主にとって大切なものをお借りすることがよくあります。
借りたものはメモしてリストにしておく、保管する場所を決める、撮影が終わったらすぐに返却するなど、責任を持った行動を心がけましょう。

またADは日々沢山の資料や物を管理しています。そのため、デスク周りが物で溢れてしまいがちです。
ただ、雑多な環境の中で仕事をしていると失くしものが多くなります。
物がなくなるということは、それを探す時間も必要になり、仕事の効率も下がります。
放送まで時間がなかったり、作業が追い込まれていると、どうしてもデスクも荒れがちになりますが、放送が終わったら片づける癖をつけ、普段から身の回りの整理整頓を心がけましょう。

落とし物をしてしまう

中でも、特に気を付けてほしいものを4つ紹介します。

【①携帯電話】

ADとして番組に携わっていると、放送前の情報解禁されていない情報を知ることや、一般公開されていないメディア関連の問い合わせ先に連絡をしたりすることもあります。そんな情報のメモや連絡先の入った携帯電話をなくすことは致命的です。
ロックや端末を探す機能をオンにしておくことはもちろんのこと、ストラップをつけるなどなくさない工夫をしておきましょう。

【②テレビ局の入構証】

ADをしていく中で、制作会社所属、派遣会社所属であっても、テレビ局制作の番組に携わることになった場合には、テレビ局内に出入りすることになります。
その際には、テレビ局の入構証を発行してもらうことになるのですが、この入構証の管理には十分気を付けて頂きたいです。落としてしまい、第三者に悪用されてしまっては大問題です。
局内では常に首から下げておく、退勤後も鞄の中、家の中での保管場所を決めておき、常になくさないように気を張って管理するようにしましょう。

【③ロケ台本】
ロケの際には、スタッフ、関係者に配られるものになりますが、ロケに夢中であちこち動き回っていると、置き忘れたり落としたりしてしまう可能性があります。台本の中には、番組内容やゲスト情報など、まだ情報解禁前のものも色々載っています。もし落としてしまい一般の方に拾われ、SNSやネットで情報発信されてしまうなどの事態が起きてしまっては大問題です。ロケ中は常に緊張感をもって行動しましょう。

【④収録メディア】
ロケで撮影したデータはこの収録メディアに全て保存されています。収録メディアの管理はADの仕事です。
万が一落としてしまうなどがあった場合には、放送前の情報が流出してしまう危険があるのはもちろん、ロケをした全てが水の泡になってしまいます。
また、収録メディアには必ずケースがあります。ケースに入れずに裸のまま受け渡し等をすると、静電気が発生した場合、中のデータが飛んでしまうということがあり得ます。受け渡しの際にはケースに入れるというのを覚えておきましょう。
何よりも大切な収録メディアです。取り扱いには十分に注意をして責任を持って管理しましょう。

番組内容をプライベートのSNSにUPしてしまう


皆さんは普段何気なく日常の出来事をSNSにUPしていることと思います。
ですが、テレビ業界に携わることになった場合、SNSの取り扱いには十分に注意が必要です。
特に、下記のような内容は絶対に投稿してはいけません。

・情報解禁前の番組内容やゲスト情報、放送日時
・情報解禁前の番組開始、終了の情報
・ロケ中などに撮った、出演者が映っている写真
・出演者との会話の内容やプライベート情報
・番組の内情

番組の公式SNSはプロデューサーや編成部・宣伝部などに情報解禁日等の確認をしてから番組の告知などをしています。局やプロデューサーの許可なく、AD一個人で番組のことをSNSにUPすることは禁じられていますので注意しましょう。

嘘をついてしまう


ミスをしてしまったことに焦ってしまい、怒られるのが嫌、仕事ができないと思われるのが嫌という気持ちから、嘘をついてしまう人がいます。嘘をつくことは、トラブルにも発展しかねないので、絶対にしてはいけません!

例えば、ロケの際、これから撮影に行こうとしている場所の撮影許可申請を忘れてしまったとして、当日にディレクターやプロデューサーに確認されたときに、しまった!と思ったものの、嘘をついて申請していると答えたとします。
そのまま撮影が始まると、撮影先が許可していないと怒ってしまい、トラブルに発展するかもしれません。
ただ、最初に聞かれた際に、正直に「忘れてしまいました!すみません!」と答えていれば、その場でプロデューサーが交渉をして、撮影許可をもらうことができる可能性もあります。もし、許可をもらえなかった場合でも、ディレクターと相談して、ロケ場所を急遽変更するという対応ができるかもしれません。

大事なことは、嘘をつかずに正直に報告し、相談することです!
これは、何かミスをしてしまった場合や困ったことがあった場合でもそうですが、すぐに先輩ADやディレクター、プロデューサーに相談して、指示を仰ぎましょう。現場経験豊富な先輩方が必ずフォローしてくれます!
ADとして仕事をしていく中で、一人で抱え込まず、周りを頼ることはとても大切です!

正直でいることやすぐに報告する、連絡する、相談すること【報連相】は、当たり前のことではありますが、AD業務全般においてもとても大事なことです。常に意識しておくようにしましょう。

まとめ

今回は、こんなミスだけはしないで!気を付けてほしい【許されないミス】について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?番組制作には、沢山の方が関わっています。ロケ先の方、一般の方などの協力も欠かせません。ミスは誰にでもあることですが、取材先の方からすると、制作会社所属や派遣会社所属であっても、いちADである以上、その番組の、テレビ局の一員という認識をされています。ADを目指す皆さんは現場に出たら、そのことを忘れず、日々、責任を持った行動を心がけましょう。