テレビADのお仕事 ~リサーチ編~

ADはどんな仕事をしている? ADは“アシスタント・ディレクター”の略です。 その名のとおり、番組制作の現場監督であるディレクターを補佐します。 ADの仕事内容は多岐にわたり、企画会議からロケや収録、編集、オンエアまで、...


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ADはどんな仕事をしている?

ADは“アシスタント・ディレクター”の略です。
その名のとおり、番組制作の現場監督であるディレクターを補佐します。
ADの仕事内容は多岐にわたり、企画会議からロケや収録、編集、オンエアまで、局面に合わせて多くの業務をこなします。

今回は、数ある業務の中から「リサーチ」の仕事内容を詳しくみていきます!

※その他のADの仕事内容は、以下の記事でも詳しく説明しています。
テレビ番組制作の裏方「AD」の仕事内容を徹底解説!

 

そもそもリサーチってどんな仕事?

番組制作における「リサーチ」とは下調べのことです。企画会議に使用するネタや、企画会議で決まった番組制作に必要な情報をリサーチします。
「特別なツールを使って調べているの?」とよく聞かれますが、インターネットでの検索が最も多いリサーチ方法です。

他にも、図書館で書籍・新聞・雑誌、テレビ局のアーカイブセンター(映像のライブラリー)、直接取材など様々な方法が挙げられます。
調べる内容は、番組内容によっても大きく異なりますが、出演者のプロフィールや、番組の内容に合ったネタ、ロケ場所などを探します。
ただリサーチするだけではなく、公共の電波を使って放送するため、情報の正確さが求められます。

では、実際にどんな『リサーチ』があるのか、業務内容と合わせて紹介していきます!

 

出演者のプロフィール

出演者のプロフィールのリサーチは、どの番組でも必ず行うリサーチです。出演者の所属事務所の公式プロフィールはもちろん、最近出演したイベントや番組などでコメントした情報なども調べます。

さらに、その出演者の方を過去を掘り下げる場合は、周りの方々にインタビューしたり、雑誌のインタビューなどで過去にこんなこと話してました!という紹介をしたりする場合は、雑誌だけの図書館(大宅壮一文庫)へ調べに行くこともあります。

また、グルメ番組の場合は出演者の好き嫌いやアレルギー、服などの発注がある場合は最新のサイズなども調べておきます。

 

ロケ場所

ロケ場所のリサーチは番組の内容によって大きく異なります。番組のジャンルにわけてみていきます。

 

【グルメ番組の場合】

カレー特集、ラーメン特集など、●●特集の場合は、その内容に関連する専門誌で情報を得ることもあります。人気店の看板メニュー、新メニューなどの詳細を調べながらお店を探します。
最新グルメもとりあげることが多いため、SNSを駆使してリサーチすることが多いです。

グルメな方にはこのリサーチはただただ楽しい時間で、運がよければ自分が気になっていたお店にロケハン(ロケーションハンティング:ロケ場所の下見)に行き、調査のためにそのグルメが食べられるかもしれません!

 

【旅番組の場合】

国内外の話題スポットをひたすら調べます。どの地域に行くかがある程度決まったら、深掘りしていくという流れです。宿に泊まる場合はホテルや旅館を調べ、電車・バス・車など移動手段によるルートも合わせて調べます。

また、よくその場で出会ったお店に来ていた方や通行人に出演者が話しかけることがあるので、どういった年齢層が多いのか、街による特色も調べておいてロケハンの際に実際に確認していくことが多いです。

こちらも旅行好きには楽しい仕事でもあります!

 

【ドッキリ番組の場合】

例えば、落とし穴にターゲットを落とすというロケの場合は、穴を掘らせてもらえる場所を探したり、美術に制作してもらった簡易セットを使用する場合は、そのセットを持ち込み置ける、ハウススタジオや場所を探したりする必要があります。

ドッキリの場合、その場所を汚してしまう可能性が高いものが多いため、汚れても大丈夫か、現状復帰可能なように対策できるかなども考慮しなければいけません。

 

【トーク番組の場合】

トーク番組といっても、インタビューロケや座談会形式など色々あります。

かっちりとしたインタビューの場合は、ホテルや会議室、座談会形式では飲食店の個室や、規模によっては貸し切りできるお店を調べます。

また、トーク番組の収録はスタジオで行い、街録(街頭でロケを行うこと)で一般の方に意見を聞くタイプの番組はそのお題に対して話が聞けそうな場所を探します。例えば、海外の方にインタビューしたい場合、浅草など観光客が集まるようなところに行きます。

 

人物

出演者探しでリサーチすることもあります。

例えば、ゲスト枠でZ世代に刺さる新しい女性を探そう!となった場合は、ディレクターよりも年齢層の近いADの方が得意だったりすることが多いです。

インフルエンサー、モデルの卵、TikTokやインスタInstagramなどのSNSから話題の人を探すことが多いので、それをきっかけに他の番組にも出るようになったりすると、リサーチした立場としてとても嬉しくなります!

 また、内容に厚みを出すためにその分野に詳しい専門家を探すことも多いです。(例:政治に詳しい、アイスクリームに詳しいなど、番組内容により様々)

 

面白いリサーチ・大変なリサーチエピソード

『リサーチ』といっても様々なパターンがあるとお分かり頂けたかと思います。ここでは実際にあった面白いリサーチと大変だったリサーチのエピソードを簡単に紹介します。

 

【面白いリサーチ】

・動物の癒し動画

ただただ癒されるな~と思われる動画を見ながら調べていきます。どれが採用されるかはわからないため、数を出す必要がありますがこのリサーチならそこまで苦ではなありません!

 

・流行りのもの

トレンド系が好きな人にとっては今の流行りをいち早くキャッチ、なんならロケハンやロケにもいけるので楽しい仕事です。内容によっては仕事をしているという感覚がなくなるかもしれません。食べ物やおでかけ先、ファッション、メイクなどプライベートにも活かせます!

 

【大変なリサーチ】

・ドラマのあるあるを探す

ドラマなどでみかける「あちらのお客様からです」など、そういったことが実際にあるのかを探す企画を担当。そもそもネットの検索だけのリサーチでは難しかったため、たくさんの飲食店に電話取材をして行わないといけなかったので大変でした、、

 

・YouTuber 再生回数の少ない人

これは正直かなり特殊なリサーチだと思います 笑。再生回数が少ないYouTuberを人気YouTuberからアドバイスをもらって再生回数をあげようという企画で探しました。現時点で少なくても原石となり得る人を探してほしいというディレクターからの無茶ぶりで、調べ方にも苦戦し、何日もかかりましたが、AD全員野球しただけあって、企画内容にもぴったりな人が見つかりました!

 

ちなみに難しいリサーチは専門の会社(リサーチャー)に委託することもあります。

フォーミュレーションI.T.S.のグループ会社「フォーミュレーション社」は、地上波で放送中のゴールデン番組の約7割を手掛けている、業界シェアナンバー1の「リサーチ/ネタ探し集団」です!

 

まとめ

今回は、ADの仕事のひとつであるリサーチについてご紹介しましたが、いかがでしたか?

番組制作が滞りなく進むかはADの働きぶりが左右すると言われるほどで、ADの仕事の中でもリサーチはかなり大きな部分を占めています。

根気のいるリサーチも多く大変ではありますが、普段は調べもしなかった知識も身につくこともあるため、面白く楽しいこともある仕事内容です!