【テレビ業界就活】就活前に知っておきたいテレビ業界の知識「どこに就職すればいい?業界の当たり前って?」

映像制作関係の求人や求職者は、年々増加傾向にある 昨今『映像』はテレビやTikTokなどのSNSにとどまらず、サブスク系の配信番組や、街中やWebで流れる映像広告など、公開する形を変えて私たちの生活へ密接に関わるものとな...


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映像制作関係の求人や求職者は、年々増加傾向にある

昨今『映像』テレビTikTokなどのSNSにとどまらず、サブスク系の配信番組や、街中やWebで流れる映像広告など、公開する形を変えて私たちの生活へ密接に関わるものとなりました。 

中でも『テレビ』は本放送から現在に至る約70年間の歴史の中で、多くのノウハウを蓄積しており、本放送開始当初は他業界の人材が模索しながらテレビ制作に従事していたのに対し、現在は映像制作のプロを一から育むことができるまでに業界が成熟しています。

 

そんな今アツイ映像業界の中でも、制作費や番組の豊富さではトップクラスのテレビ業界の就活をご紹介!

今回は、そんな盛り上がっている映像業界の中でもテレビ業界の就活についてご紹介します!

「テレビ番組の制作は、どんな企業に就職すればできるの?」

「今のテレビ業界の当たり前って?」

「今や多くの映像制作は『元テレビマン』がやっている!?」など

最新のテレビ業界就活情報をまとめました。

テレビ就活に詳しくない方でも、これを読めばスムーズに就活をスタートできるはずです!

 

テレビ業界でADをしていた筆者が語る!テレビ就活をする上で事前に知っておいた方がいいこと

 

どこに就職するかで制作できる番組が大きく変わる【テレビ局・制作会社・派遣会社を知るべし】

一見、「テレビ局に就職すればいいんでしょ」と思うかもしれませんが、実はテレビ局の採用は1社あたり年間30名程度で、実際に『映像制作』の現場に配属されるのは数名のみ。

残りは営業部や編成部など番組のサポート役となるような部署に配属されます。 

さらに、映像制作の現場に配属されたとしても自分が希望する番組に配属されるかは、会社判断になります。

 

そんなテレビ局以外に、『番組制作ができる会社』が2つ存在します。 

 

1つ目は【(映像)制作会社】です。 

ここでは主にテレビ番組Web番組サブスク配信系企業のオリジナルコンテンツなどを制作しています。 この比率は会社によって異なるので、自身がどんな映像を制作したいかによって会社を選ぶ必要があります。 

 

制作会社の中には、プロデューサーやAP、ディレクター、ADなどの番組制作の要となるスタッフがおり、自社内で番組制作を行うことができます。 

また、テレビ番組の制作部署でしっかりと力を付けた人材が、会社に希望を出してWeb番組制作の部署に異動し、より新しいコンテンツ制作に挑むこともできます。 

 

2つ目は【派遣会社】です。 

派遣会社がどんな番組と取引があるかによって制作できる番組の幅が大きく異なり、大手の『株式会社フォーミュレーションI.T.S.』では、民放キー局以外にもNHKや、テレビ以外にWeb番組を制作する映像制作会社、CM映像の制作会社など、多岐にわたる制作現場とネットワークを持ち、社員300名をそのような現場へ派遣しています。 

この企業は派遣形態をとっていますが、会社⇔社員間は正社員雇用をしているので、通常の派遣企業と比較して安心なのも特徴です。

 

このように、派遣会社は局や制作会社の垣根を越えて様々な映像制作に従事できるのが大きなメリットです。 自身がどのような会社に所属して番組を制作したいか、しっかり整理したうえで求人の確認をしましょう!

 

テレビ局の違いが分からないと恥をかくかも!?【キー局、準キー局、地方局の違いを知るべし】

テレビ局といっても、種類は大小さまざま。どんなテレビ局で、どのような番組を制作したいかを以下の情報をふまえて明確にしておきましょう!

 

【キー局】

キー局とは、東京都港区に所在する民放テレビ局『日本テレビ』『テレビ朝日』『TBS』『フジテレビ』『テレビ東京』の5つを指します。

全国放送の番組を多く制作しており、さらにキー局の周辺には大小さまざまな制作会社が密集して、番組制作を支えています。

 

局にもよりますが、主に報道番組・情報番組は局内で制作しており、バラエティ番組や情報番組内でバラエティ番組のような企画を行っているブロックはテレビ局内以外に映像制作会社で制作をしている場合があります。

特に、日本テレビのバラエティ番組のほとんどが制作会社へ外注されています。テレビ局の中にあるバラエティ番組のスタッフルームは、一部の制作会社社員や派遣社員、局員が勤務をおこなうために使用しているものの、基本的には制作会社勤務になります。

 

【準キー局】

準キー局とは、一般的に大阪府大阪市に所在する民放テレビ局『毎日放送』『朝日放送テレビ』『関西テレビ放送』『讀賣テレビ放送』の4つを指します。

これらに加えてより広義に捉えた場合は、愛知県名古屋市に所在する民放テレビ局の『東海テレビ放送』『中京テレビ放送』『CBCテレビ』『名古屋テレビ放送(通称・メ~テレ)』『テレビ愛知』を含めた計9局を指すこともあります。

東京都内に支社をもつ企業がほとんどで、関西や関東での勤務を希望する方には良いかもしれません。

 

【地方局】

上記テレビ局以外のテレビ局は地方局と呼ばれ、主に他局の番組を購入して放送したり、地元密着型の情報番組を制作・放送しています

企業の規模はキー局や準キー局に劣るものの、東京や大阪で経験を積んだ人材がUターンで入社するケースが歓迎される傾向にあり、将来的に地元を盛り上げたい方にはオススメです。

 

プロデューサー、ディレクターの違いが言えますか?【テレビ制作現場の役職を知るべし】

テレビ業界の選考では、必ずと言っていいほど「将来はどうなりたい?」と聞かれると思います。

 

これは、技術職である番組制作に対しての理解度をはかる以外に、手に職を付けるためのイメージがしっかりできているのかをチェックしています。

なので、ここでちぐはぐなことを言っていると「志望度が低い」と評価されてしまいます

ですので、以下の役職はしっかり覚えておき「自分はどの役職で、どうなっていきたいのか」をしっかり整理しておきましょう!

今回は、テレビ制作の中枢である『制作部』の役職を紹介します。 

 

~テレビ制作の役職~ 

【ディレクター】 

■主な業務

・企画立案 ・出演者・ゲスト案出し(キャスティング) ・台本作成 ・収録現場の管理  

・収録素材の編集 ・テロップ原稿作成 ・ナレーション原稿作成 など 

 

■なり方 

①アシスタントディレクター(AD)として制作現場に就職 

②情報・報道番組なら約2年、バラエティ・スポーツ番組なら約3年の業務経験を積んで

 チーフアシスタントディレクター(CAD)へ昇格。 

③CADを1~3年ほど経験した後、番組ディレクターやプロデューサーからの評価を得て、ディレクターデビュー 

 

~ポイント~ 

・実は同じ番組ジャンル内でも、番組によってディレクターに上がりやすい・上がりにくいがあります! 

・画面に映る全ての演出をおこなうディレクターは、番組制作の要です! 

 

【プロデューサー】 

■主な業務 

・予算管理 ・芸能事務所への出演交渉(キャスティング)・出演者のケア  ・ラテ欄の文言作成

・番組の人材管理(労務管理) ・スポンサー獲得(広告代理店と共同で) など 

 

■なり方 

①アシスタントディレクター(AD)として制作現場に就職

②AD業務を3年以上経験した後、アシスタントプロデューサー(AP)への異動を申請

③AP業務を通してプロデューサー業務をサポート。  

 プロデューサー昇進には個人差がありますが、芸能事務所との深い関係を築いて

「自身でキャスティングができるようになる」とプロデューサーデビューをすることもあります。

 

好きな番組ってバラエティ番組?情報番組?【業界での番組ジャンル分けをしっかり把握するべし】

面接官に「将来どうなりたいですか?」と聞かれたとき、必ず【PまたはD】【番組ジャンル】を伝えると、「しっかりと業界研究をしてきた方だ」という印象を与えることができます。

 

また、所属する番組ジャンルをコロコロと変えるのはあまり業界では行われないことなので、あくまでも「1つのジャンルでPやDになってゆく」というのを理解しておきましょう。

あなたが制作したい番組は、どのジャンルに当てはまりますか?

 

~番組ジャンルの見分け方と解説~

 

【報道番組】

■平日の夕方〜夜にオビ帯でOAされている番組であれば、それは報道番組です。

■番組と番組の間の数分間に差し込まれているようなニュースの時間も、報道番組枠に該当します。

■基本的に、事件や事故、重要な世の中の動きなどの『事実をそのまま分かりやすく伝える』のが報道です。

■報道番組は、テレビ局内の『報道局』と呼ばれる部署に属しています。

■忙しさ…☆☆★★★

 時間の規則正しさ…☆☆☆☆★

 

 

【情報番組】

■基本的に平日の午前〜夕方にオビ帯でOAされている、または週に1回のOAでニュース系を取り上げる番組であれば、それは情報番組です。

■番組内では、事件や事故、重要な世の中の動きなどを分かりやすく伝え、さらに番組の見解を交えながら有識者への取材を通して解説を行うなどの取り組みをしているのが、情報番組の特徴です。

■番組のターゲット層によって、取り上げるニュースやテーマが異なります。例えば、若い年代がターゲットの場合、ニュースの他に「今人気のお店」や「SNSの流行」などを取り上げたりします。

■情報番組は、テレビ局内の『情報局』と呼ばれる部署に属しています。

■番組制作には珍しい、シフト制で勤怠管理をしています。

そのため休日の予定が組みやすく、さらに担当の曜日以外は比較的落ち着いた働き方をしているのが特徴です。

■忙しさ…☆☆★★★

 時間の規則正しさ…☆☆☆☆★

 

【バラエティ番組】

■お笑い、音楽、クイズ、旅、トーク、教養、ドキュメンタリー…など、多くの番組が属しているのがバラエティ番組です。

■様々なジャンルの番組が存在しているため、同じバラエティでも番組によって細かいルールや追加の作業工程が異なります。

■バラエティ番組は、テレビ局内の『制作局』と呼ばれる部署に属しています。

■忙しさ…☆☆☆☆★

 時間の規則正しさ…☆☆★★★

 

【スポーツ番組】

■スポーツが絡めば、それはスポーツ番組と言えます。

■スポーツ番組には大きく分けて【中継】【ニュース】【バラエティ】の3種類があります。

スポーツニュースの担当であれば情報番組のような働き方、スポーツバラエティの担当であればバラエティのような働き方になります。

■情報番組は、テレビ局内の『スポーツ局』と呼ばれる部署に属しています。

■日本には多くの競技連盟が存在しており、各競技ごとに試合等の映像使用申請先が異なるため、各テレビ局ではスポーツ関連の番組を『スポーツ局』でまとめ、申請関係を一括管理しています。

■忙しさ…☆☆☆★★(大会期間中は☆☆☆☆☆)

 時間の規則正しさ…☆☆☆★★

 

【ドラマ】

■映画のような物語で、なおかつ細切れでOAされているものがあればそれはドラマです。

■ドラマはテレビ局の中にあるドラマの部署や、映像制作会社のドラマ部門、フリーランスの人材が協力して制作をおこなっています。

■主に監督と助監督(チーフ、セカンド、サード、フォース)、プロデューサーとアシスタントプロデューサーが中心となって制作をしています。

その他にも、ロケ弁の発注やロケ場所探しといった裏方作業をおこなう『制作部』も存在していますが、撮影の現場には居ないことが多いです。

■忙しさ…☆☆☆☆☆

 時間の規則正しさ…☆★★★★

 

 

今テレビ業界で主流の個人視聴率について理解していますか?【世帯視聴率と個人視聴率の違いを知っておくべし】

視聴率には個人の性別や年齢層ごとに視聴率を計測する『個人視聴率』と、世帯ごとで視聴率を計測する『世帯視聴率』があります。

 

個人視聴率の場合は調査世帯に住む世帯の合計人数から、番組を視聴している人数を割ることで視聴率を出しています。

一方、世帯視聴率は調査世帯のうち、テレビを視聴している世帯から視聴率を割り出しています。

 

以前は世帯視聴率が主に使用されていましたが、現在は個人視聴率が主に使用されており、世帯視聴率が低くてもスポンサーの意向に合った層が視聴していればCMを出すようになりました。

視聴者層の分け方は以下の通りです。

 

M1層:男性20~34歳

M2層:男性35~49歳

M3層:男性50歳以上

F1層:女性20~34歳

F2層:女性35~49歳

F3層:女性50歳以上

C層(Child)またはK層(Kids):男女4~12歳

T層(Teens):男女13~19歳

 

また、ファミリー層の個人視聴率のことを『コア視聴率』と呼びます。購買意欲の高いファミリー層の視聴率が取れていれば、スポンサーがしっかり付くので番組は継続することができます!

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

テレビ業界の就活は、様々な形態の企業が参入しているため求人探しに難航することがあります。

ですが、番組制作の仕組みや、人材のキャリア形成について知っているだけで、他の就活生と比べて優位に就活を進めることができます。

 

これを機に、テレビ業界の就活を進めてみてはいかがでしょうか?