【意外ときっちり?】テレビ業界のビジネスマナー

テレビ業界でも必要なビジネスマナー スーツではなく私服勤務であったり、出退勤時間が明確に決まっていなかったりとゆるいイメージのあるテレビ業界ですが、お仕事相手がいる以上もちろんビジネスマナーも存在します。 ここでは、弊社...


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テレビ業界でも必要なビジネスマナー

スーツではなく私服勤務であったり、出退勤時間が明確に決まっていなかったりとゆるいイメージのあるテレビ業界ですが、お仕事相手がいる以上もちろんビジネスマナーも存在します。
ここでは、弊社株式会社フォーミュレーションI.T.S.が新入社員向けに行っているビジネスマナー研修の中身をご紹介します。

 

【電話編】

ADはリサーチやロケ先の仕込みなどで一般企業や飲食店舗などに電話をする機会がとても多いです。学生時代は友達や家族以外と電話をする機会はそんなになかったと思いますが、ADになるといきなり「都内のパン屋100件に電話してアンケート取って!」などといった無茶ぶりをされることも、、、。そんな時に焦らないよう、基本的な電話のかけ方マナーを解説します。

①事前リサーチ
→電話をかける前に相手先の情報をあらかじめリサーチすることがおすすめです。お店の場合、営業時間を調べると同時に忙しい時間帯ではないかの配慮も必要です。その結果によって「開店前に恐れ入ります…」や「お忙しい時間にすみません…」などの枕詞をつけることで相手先からの印象が変わってきます。 また過去にトラブルがあったなどの理由で、特定の企業やお店が番組によっては接触NGになっている可能性もあります。先輩ADに事前に確認するとトラブル回避につながります。

②電話をかける時間帯に注意
→テレビの制作現場は一般企業に比べて出勤時間が遅く、退勤時間が遅いことが多いです。そのため、自分の勤務スケジュール感で一般企業に電話をしてしまうとちょうどお昼休憩の時間に当たってしまったり、相手先の退勤時間に当たってしまったりします。一般企業への電話連絡はなるべくお昼休憩の時間を避け、遅くとも17時ごろまでにすると良いです。

③電話内容は簡潔に
→基本的に取材の申し込み電話では、簡単にこちらの要望を伝え【検討してもらう】段階まで進めれば大丈夫です。詳しい企画の内容や番組詳細、取材予定日などはその後追ってメールやFAXなどで企画書を送るという流れが多いので、はじめの電話の段階ですべての情報を伝える必要はありません。特に相手先が企業ではなく店舗などの場合電話で長々と説明すると営業の邪魔になってしまうことがあります。

④電話内容は必ずメモを取る
→電話をかける際は必ずメモを手元に準備して内容を書き留めましょう。会話の内容ももちろんですが、追って企画書を送る際に必要な先方のFAX番号やメールアドレスを控えるためにもメモは必要です。電話中は頭に記憶できてると思っていても、電話を切った後に「あれ?なんて言ってたっけ…?」となることがよくありますし、電話を切った直後に急に別の仕事を振られることもあるので記録は必ず残しましょう。

⑤ロケやOAが中止となる可能性があることを必ず伝える
→あまり良い風習ではありませんが、テレビ制作の現場では企画内容やロケ日、放送内容そのものまでもが直前で簡単に変更になる事が多いです。取材先とのトラブルでよくあるのもこういった「ロケに来ると言っていたから営業時間を変更したのに来なかった」「放送日を知り合いみんなに教えていたのに取材された部分が使われなかった」などのクレームです。特に情報番組では大きな事件や事故が起こった場合、企画が丸ごとお蔵入りになってしまうことが多々あります。バラエティでも放送前日までVTRに入っていたのに、最終チェックでカットされることも…。 そのため、電話で取材申請をする時点から「OKを戴いた場合でも、企画が変更になり取材がなくなる可能性がある」ことや、「取材をさせて頂いても、やむを得ない理由で直前に放送内容が変更になる可能性がある」という旨を必ず伝えるようにします。

⑥一般企業の場合は担当部署に回してもらってから内容を説明する
→基本的に一般企業では代表電話という窓口の電話番号にかけることが多いです。その場合、まずはその受付の方が対応してくださるので自分の所属や名前を伝えます。そのうえで「〇〇の件でお電話したのですが、担当の方はいらっしゃいますでしょうか?」と伺ってその部署に電話を回してもらってから取材依頼をするようにします。代表窓口の方に取材依頼をしないようにしましょう。

【メール編】

ADになると、配属先の番組で個人のメールアドレスを付与されます。局内でのやり取りはもちろん、局外の方とのメールやり取りも非常に多いためメールマナーもきちんと理解しておきましょう。

①アドレス、相手先の社名・肩書・名前を間違えない
→相手先の社名や肩書、お名前を間違えないことは社会人として当たり前のマナーですが、解禁前の番組情報やタレントさんの情報など取引先以外には流せない情報を多く取り扱うため、アドレスは絶対に間違えないようにしましょう。文字が1つだけ違う…などといった間違いであればエラーで返ってきますが、別の人のアドレスに送ってしまった場合とても大きなトラブルとなってしまいます。もしものミスの時のために、CCに担当ディレクターやプロデューサーを入れておくことをおすすめします。

②件名を必ず入れる
→普段、友達や家族とLINEやメールをする際は件名を入れる習慣はないと思いますが、ビジネスメールに件名は必須です。「取材のお願いについて」「企画書送付」など、本文の内容がひと目で分かるように工夫して短いものにしましょう。

③書き出しのマナー
→ビジネスメールでは書き出し部分に定型の挨拶のようなものがあります。「〇〇様 企画書をお送りします。」などのようにいきなり本文に入るのではなく、「〇〇様 いつもお世話になっております。〇〇テレビの〇〇です。企画書をお送りします。」といったように自分の所属や名を名乗ったうえで頭にひとことあいさつ文を入れましょう。
あいさつ文の例としては
社外宛→「いつもお世話になっております」「平素より大変お世話になっております」
社内宛→「お疲れ様です」
初めての人宛→「この度はお世話になります」「初めてご連絡させていただきます」
といったパターンを覚えていれば安心です。

④結びの文、署名を付ける
→書き出しのあいさつ文と併せて、文末に結びの挨拶を入れることもビジネスメールのマナーです。 基本の形は「よろしくお願い致します」となり、その頭に「ご対応のほど」「今後とも」「引き続き」などを付けてその時のメール内容に合った形にします。 そして最後に、署名といって自分の所属会社、会社住所、番組名、姓名、電話番号、メールアドレスなどの情報をまとめて記載します。 メールの設定画面であらかじめ署名を登録しておけば、毎回自動挿入されるため便利です。

【FAX編】

メールが主流になった今でも、企業によってはFAXでのやり取りを指定してくる場合があります。学生時代にFAXを使ったことがない人も多いかと思いますが、機械の操作方法などは先輩が教えてくれます。機械の操作方法以外に、FAXを送る際にはいくつか覚えておくべきマナーがあるので解説していきます。

①送信状を付ける
→例えばFAXで企画書を送ってほしいと指示があった場合、企画書のみを送信するのではなく1枚目に送信状、2枚目に企画書といった形にして送ります。送信状とは表紙のような役割で相手先の宛名や自分の署名、この後送る書類の内容を簡単に記載します。

②送信完了後にメールや電話で届いたかどうか確認をする
→FAXの送信が完了したら、相手先にFAXがきちんと届いたかどうか確認します。こちらは送ったと思っていても届いていなかったり、相手が受け取りを忘れて紛失してしまったりすることを防ぎます。二度手間のような気もしますが大事な作業なので、リスク回避のためにも行うようにしましょう。

 

【名刺交換編】

ADになると、配属先の番組で個人の名刺を付与されます。使用頻度はあまり高くないですが、取材先の方と名刺交換をすることもあるので名刺交換のマナーは覚えておきましょう。

①交換するとき
→名刺は両手で端を持ち、所属と名前を伝えながら相手の出した名刺より少し下げた位置に差し出します。相手の名刺を受け取る際は「頂戴いたします」と言い、左手で受け取った後すぐに右手を添えて両手で持ちます。

②交換した後
→名刺を交換した後すぐにロケなどに移る場合は、その場で名刺入れにしまいます。財布やポケットにしまうのは相手に失礼なので気を付けましょう。会議室などで名刺交換をし、その後打ち合わせに入る場合はテーブルの上にきちんと並べて置いておきます。打ち合わせが終わったタイミングで名刺入れにしまいましょう。

③やってはいけないこと
→新人が意外とやってしまいがちなミスとして受け取った名刺を折り曲げたり、名刺にメモをしたりしてしまうことがあります。これも相手に失礼ですので決してやらないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
テレビ業界はスーツで営業する一般企業よりは堅苦しいルールはありませんが、社会人として最低限のビジネスマナーは必要です。就職後は新人研修で一通り教えてもらえますが、学生のうちから意識しておくのもいいかもしれませんね。