テレビ番組制作に関わる職種と仕事内容は?その全貌を徹底解説!【前編】

テレビ番組制作に携わる テレビ番組の制作には様々な職種の人が関わっています。 一つの番組を制作するのに関わる出演者・関係者・スタッフの数は、ゴールデン帯1時間のバラエティー番組の場合だと、5~60人にも及びます! どんな...


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テレビ番組制作に携わる

テレビ番組の制作には様々な職種の人が関わっています。
一つの番組を制作するのに関わる出演者・関係者・スタッフの数は、ゴールデン帯1時間のバラエティー番組の場合だと、5~60人にも及びます!
どんな職種の人が関わっていて、どんな仕事をしているのか…
今回は、【前編】【後編】の2回に渡り、バラエティー番組の制作に関わる人々の職種と仕事内容を紹介していきます。

出演者・関係者

まずはイメージしやすい表舞台に立つ出演者と、その出演者を支える事務所スタッフなどの関係者から紹介していきます。

出演者


出演者といっても、番組の顔となるMCから該当の回のみに出演するゲスト、番組のナレーターなど様々な関わり方があります。
バラエティー番組に出演する出演者だと、以下のようなパターンがあります。

【芸人】
MCを務めることもあり、レギュラー出演の場合も多いです。
芸人を目指す人はまず養成所に通うことからスタートさせる人が多いです。

【タレント】
MC、準レギュラー、ゲストなど色々なパターンがあります。
ちなみに、タレントとは、芸人とは異なり、お笑い以外の分野で何か強みや得意なものがある芸能人のことを指すことが多いです。人気が出ることが第一条件であるため、事務所の売り出し方だけでなく、自己プロデュースのうまさが求められます。

【俳優】
主に番宣(告知する物)があるときにバラエティー番組に出演します。
MCとの関係性や番組の企画内容によっては、番宣なしで稼働する俳優さんもいます。

【ナレーター】
映像に合わせてナレーションを読む仕事です。主に固定で番組につきます。
その番組やシーンの雰囲気に合うような声のトーンや間の取り方を考えながら、原稿通りにナレーションを当てていきます。ナレーションの収録をナレーション録り(ナレ録り)と呼びます。ナレ録りはテレビ局の近くなどにあるホストプロダクションスタジオ(編集所)で行います。ナレーターになるにあたって必要な資格などはないものの、養成所や専門学校でナレーターとしての知識とスキルを身に付けるのが一般的です。

また、声優さんや芸人さんがナレーターを務めることもよくあります。
そのほか、NHKの番組やドキュメンタリー番組などではよくみかけますが、俳優さんがナレーターを務めるパターンもあり、ナレーターの存在感によって、番組の魅力がさらに引き上げられています。

芸能人の多くは、街でスカウトを受けるか、オーディションに参加して芸能事務所へ所属して活動しています。ただ、華やかな見た目に反して拘束時間が長く苦労が多い仕事であり、また、売れるのはほんの一握りの厳しい世界です。

その他、バラエティー番組以外だと、ニュース番組やスポーツ中継、報道番組などの場合はアナウンサー、ニュースキャスター、リポーターなども出演者にあたります。
こちらの場合は、実績や知名度があれば、フリーランスで活動することも可能ですが、まずは、テレビ局の局員を目指すことが近道です。

出演者の関係者

出演者を支える関係者はいずれも、出演者のみならず、制作スタッフなど様々な人と連携して動いていく必要がある仕事なので、それぞれの技術力はもちろん、コミュニケーション能力の高さも求められます。
主に、以下のような職種があります。

【マネージャー】
主に自分の担当しているタレントのマネージメント業務を担当します。
大きい事務所だと班に分かれていて、担当マネージャーの上にチーフマネージャーがいたりもします。また、事務所によっては、マネージメント業務以外にも、スケジュール管理、現場サポート、運転手なども担当します。
詳しくは…「芸能マネージャーになるには?仕事内容や向いているタイプを紹介」

【ヘアメイク】

出演者のヘアセットとメイクを担当します。
ロケに同行するヘアメイクさんは、フリーもしくは、ヘアメイク専門のプロダクションに所属しています。また、局のスタジオ収録の場合だと局メイクと呼ばれているのですが、その局内のメイク室で局担当のメイクとしてヘアメイクをするパターンもあります。ロケの場合には、現場に同行して、途中の休憩中にもヘアメイクのお直しを担当し、常に出演者を気にかけなければなりません。

【スタイリスト】
出演者の衣装を担当します。
ヘアメイクと同様、フリーの場合や衣装専門のプロダクションに所属している人もいます。ロケの場合には、現場に同行するパターンもありますが、出演者のマネージャーや番組の制作チームに衣装を預け、ロケが終わったあとに回収するというパターンもあります。流行やセンスだけでなく、ロケ内容によっては動きやすいもの、防寒や防暑の考えられた衣装なども要求されます。
詳しくは…「芸能人のスタイリストになるには?必要な資格やスキルとは。」

【ドライバー】

出演者の現場までの送り迎えを担当します。
マネージャーが兼任することも多いですが、事務所専属ドライバーとして働いている人もいます。また、大物になると専属のドライバーをつけることや地方ロケの場合のみ稼働するパターンなど様々あります。

制作

番組の制作としては、テレビ局、制作会社、派遣会社の3パターンの所属先があり、配属先は違えども一つのチームとして番組制作を行います。主に、以下の役職があります。

演出

総合演出、ゼネラルプロデューサー(GP)などテレビ局によって呼称が様々あります。
映画やドラマにおける監督にあたるポジションで、演出に関する総責任者として現場をまとめます。番組制作の一切に関わりながら、最終的な判断を下しています。
詳しくは…「総合演出の仕事内容とは。他職種との違いを解説」

プロデューサー(P)

全体の指揮を執るポジションです。
予算の管理や出演者のキャスティング、スタッフの勤務管理なども担い、ロケや収録中の安全責任者でもあります。また、編集中の危機管理チェックとして、番組内で不適切な表現がないかどうか、コンプライアンスに違反していないかどうか、厳しい目でチェックすることも大切な役目です。

アシスタントプロデューサー(AP)

プロデューサーの補佐をします。
キャスティング業務、撮影に協力頂く企業とのやり取りや使用する素材の許諾申請などを行います。プロデューサーと共に編集中の危機管理チェックやコンプライアンスチェックなども担当します。また、番組の精算や請求書のやり取りなどのデスク業務を担当することもあります。

ディレクター(D)

番組制作の指揮を執る現場監督のような役割を果たすポジションです。
演出の決定を元に、出演者や裏方のスタッフなどに対して具体的な指示を出し、制作を進行していきます。ロケの進行、編集作業も主にディレクターが担当し取り仕切ります。

アシスタントディレクター(AD)


ディレクターや番組制作を補佐するポジションです。
ディレクターが企画そのものを担当するのに対して、ADはディレクターの腕となり、事前取材や資料のリサーチ、ロケハンなどの下調べを担当します。
テレビ業界で働くにあたって、一番初めに通るポジションであり、未経験でもOKです。
ADとして下積みを重ねて経験を積み、実力を認められると、ほかのADを統率する役割であるチーフADやD、APへと昇格していきます。
詳しくは…「【ADになるには】仕事内容・必要な素養・ADになる主な方法を紹介!」

制作進行

全体のスケジュール調整やスタッフの手配などを行う仕事です。制作の進行が滞らないように、さまざまな調整を行います。ADとDやAP、Pとの橋渡し的なポジションで、外部や内部のさまざまな人と関わることから、コミュニケーション能力や交渉力が必要な仕事です。

デスク

制作現場で働くスタッフのサポートをするポジションです。主に、経費の精算や請求書のやり取り、来客対応、事務作業などを行います。ロケなどに同行することはありませんが、番組によってはスタジオ収録時の楽屋回りのセッティングなどを担当することもあります。

まとめ

今回は、テレビの制作現場に関わる職種と仕事内容について、【出演者】・【関係者】・【制作】を紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
聞いたことのある職種が多く割とイメージしやすかったかもしれません。実は、今回紹介した以外にも、テレビの制作現場に携わる職種はまだまだあります!【後編】も是非参考にしてみて下さい。