テレビ番組の企画会議って?
番組を制作する上で日夜会議が頻繁に行われています。
会議の種類は番組によって異なりますが、定例会議、構成会議、作家打ち、分科会…などたくさんあります。
今回はテレビ番組を制作する上でどのような会議を行っているのか、ADさんのお仕事内容とともに紹介していきたいと思います!
定例会議
頻繁に行われている会議としては、定例会議と分科会というものがあります。
まず、定例会議というのは毎週決まった曜日に行われます。
ここでは、放送が終わった回の視聴率を確認したり、現在決まっている番組のラインナップに沿って、次の企画について、キャスティングについて、その他全体に関わる連絡事項などを話します。
会議には、総合演出、放送作家、プロデューサー、ディレクター、AP、AD、(リサーチャー)、(デスク)が参加します。大きな番組だと、会議室に人が入りきらないので、ADはリモート参加になることも多いです。
会議では、作家さんに“宿題”として、新しい企画案や次の企画に向けた構成案などの提出をお願いしていることも多く、放送作家が総合演出や担当ディレクターに企画をプレゼンすることもあります。
会議の進行としては、基本的に総合演出が話を進めていきます。そして、各企画について話す時には、担当のディレクターが主に発言していきます。
会議中のADの作業としては、議事録をとったり、ホワイトボードに板書をしたり、ZOOMで資料を共有したりといった作業をしています。
リサーチ資料について話しているときには、担当のADが該当のリサーチ内容について発言することもあります。
会議に参加できなかったディレクターから会議中何を話していたかを聞かれることもあるので、各企画について注意深く聞いておきましょう。
ADの会議までの準備の流れとしては、まず事前に会議室の予約をします。
毎週行う大きな会議のため、たくさんの人が入れる大きな会議室を予約します。そして、当日は、会議が始まるまでに椅子と机の準備をします。長方形の形で会議を行うことが多いです。
席順等は番組によって様々ですが、座席に名札をおいて座る場所が決められている番組もあったりします。特に決まっておらず自由な場合もありますが、偉い人(演出やプロデューサー陣)は上座に固まることが多いです。それにならって、チーフディレクター、ネタ担当ディレクター、ロケディレクターなどのディレクター陣、AP陣が連ね、ADは会議室の端に椅子だけで座るという形が多いです。
人数が多いため、周りに椅子もたくさん並べておきます。ロケや収録で来られない人がいる可能性もあるため、リモートでも参加できるように準備しておきましょう。
基本的にはこういった準備や後片付けはADが行いますが、番組によってはデスクやAPが行う場合もあったりします。片付けとしては、不要な資料の回収や処分、机と椅子を元の状態に現状復帰させたら完了です。普段と違う会議室を使用する場合には、現状復帰がきちんと正確にできるように、まず元の状態の写真を撮ってから準備に取り掛かるというのが基本です。(これは、ロケの際にも必ずやっています!)議事録は、読みやすいようにまとめて、番組全体に共有します。
分科会
番組は、制作会社が複数関わって制作していることがほとんどなので、制作会社ごとなどで、“担当回”が振り分けられます。分科会とは、各担当回に携わるメンバーだけ行う、企画内容について細かく話し合う会議です。
複数の制作会社が作成してる番組だと、自社の担当回の分科会に参加します。
総合演出、各社の放送作家、ディレクター、プロデューサー、AP、ADが参加します。
チーフディレクターと企画担当ディレクターが主に話を進めています。
詳しい企画内容や構成、出演タレントを決めたり、スタジオで出すVTRのチェックもここで行う場合があります。VTRチェックの際には、大きい画面でVTRをチェックしたいタイプのチーフディレクターの場合は、テレビの画面とパソコンを繋げる準備も会議前に行っておきましょう。
大体、ロケや収録日の3〜4週間前から毎週、定期的に行われます。定例会議の後に行うことも多く、次の定例会議までに、どう進めていくかがメインで話し合われます。企画が早く決まれば動き出しも早く、あとあと余裕を持つことができるので総合演出のGOサインが出るまでみんな必死です。
分科会では具体的なことが話し合われるので、会議内容を一言も聞き逃さないようにするためADの議事録が大切になってきます。
ボイスレコーダーで録音しながら、メモも取りなばらと、絶対に聞き漏れがないように注意しましょう。
準備の流れとしては、まずこちらも定例会議と同じように会議室を押さえます。参加できないディレクターがいると、リモートを繋げる必要もあります。そして、会議室当日は、あらかじめ準備しておいた会議資料を配ります。タブレットやパソコンで見る人も多いですが、紙に直接メモをしたいタイプの人もいるので、データの展開と紙資料のどちらも用意しておきましょう。
ちなみに、番組によっては、総合演出を含めた分科会をやる番組もあるので、常に会議のために、局内の会議室を押さえるべく走り予約しまくり、会議室が埋まっている時には、押さえている番組に交渉したりもしていました。会議室を押さえるというのは地味に大変なので、ADの大切なお仕事の一つです。
作家会議(作家打ち)
作家会議は、担当のディレクターと担当の作家さん、その回の担当ADで行います。定例会議や分科会で決まった内容に関して、ロケや収録の構成を作家さんと一緒に考えたり、台本の中身を一緒に考えていきます。
会議中のADの仕事
上記の中で色々と触れてきましたが、ここで改めて会議中のADのお仕事についてポイントをまとめていきます。
基本的には、板書と議事録が主な仕事になります。板書は会議中の内容を簡易的に箇条書きしていくのが良いです。総合演出やディレクターにロケの仕込みやロケ先のこと、リサーチの内容についてADに聞かれることもあるのですぐに答えられるように構えておきましょう。
過去の資料を見せてと言われることもよくあるので、すぐに出せるようにパソコンを常にそばにおいておくことも大切です。
すぐに検索する
また、会議の中で出てきたお店の名前、商品の名前、人の名前はすぐに調べる癖をつけた方が良いです。どんな感じのものか聞かれた時に写真などすぐに見せられるように、「どこにあったっけ?どこに売ってるっけ?」という総合演出やディレクターからの質問に素早く答えられると会議を円滑に進めることができます。
キャスティングを考えている時には、候補の人が、どの作品に出ていた人なのか、年齢や出身地などを聞かれることも多いです。
ディレクターからの信頼にも繋がるので、会議中は常にGoogleを開いておきましょう。
議事録について
会議後の議事録の作成に関しては、ゲスト関連について、企画について、など
ジャンル分けしてどのような話をしたのか箇条書きで書いていくと分かりやすいです。番組によってやり方は異なりますが、簡潔に分かりやすくまとめるのはもちろん、会議に参加していない人でも一目見ただけで内容がわかる資料を作成するようにしましょう。
試食を行う際
収録の中で、食べ物を出す場合、総合演出に試食をしてもらう場合があります。
熱い食べ物だと冷めないように、アイスなどの冷凍食品は溶けないうちに準備をする必要があるので、局内で調理ができる消え物室を会議に備えて予約する必要があります。総合演出が試食をするタイミングを計算して、ADが準備をします。
会議室で待機する組と調理をする組に分かれてLINEなどでうまく連携をとりながらスムーズに提供できるようにしましょう。
まとめ
今回は、番組の企画会議について、色々とご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?会議を円滑に進められるように、会議が始まる前の準備は早めに済ませておくことが大切です。また、会議が始まる直前に資料の内容を変更することも多々あるので、USBとパソコンとホッチキスは常に持ち歩いていた方が良いです。局内のコンビニで紙資料を印刷し直しに走ることもあるので小銭も用意しておきましょう。
会議の準備や議事録の作成は新人ADの大切な仕事の1つです。
雑務が多いですが、会議には必要不可欠なことばかりなので、怠らずに行いましょう。新人ADさん、これからADを目指す皆さんの参考になれば幸いです。