テレビ番組の制作費はいくら?予算の仕組みと内訳について解説!

テレビ番組制作は、番組ごとに決められた予算の中でやりくりして行っています。 1つの番組を制作するのにかなり高額な費用がかかるのですが、一体、1番組あたりどれくらいの費用がかかり、どのようなことに使われているのか、また、予...


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テレビ番組制作は、番組ごとに決められた予算の中でやりくりして行っています。
1つの番組を制作するのにかなり高額な費用がかかるのですが、一体、1番組あたりどれくらいの費用がかかり、どのようなことに使われているのか、また、予算は誰が決めているのか、気になる人もいるのではないでしょうか?

今回はそんな番組制作費について解説していきたいと思います。

番組制作費の相場はいくらくらい?

テレビ番組の制作費用は放送する時間帯、尺、出演者の人数、番組のジャンルなどによって異なりますが、その費用はかなり高額です。

バラエティ番組

ゴールデンタイムに放送している1時間のレギュラー番組の場合、数千万円というのが相場で、3,000万円ほどかけている場合もあります。
長時間の特番など、豪華なセットを組んで、豪華芸能人が多数出演するような番組数億円単位の制作費をかけて作ることもあります。

音楽番組

一見、制作費が高そうに思える音楽番組ですが、高くても1,000万円から2,000万円ほどのことが多いようです。音楽番組は基本的にアーティストが曲のプロモーションとして出演しているので、出演料があまり高くないため、制作費を抑えられるようです。

情報番組

お昼に放送されている情報番組は時間帯的にスポンサーが付きにくいこともあり、1,000万円前後のことががほとんどです。

深夜番組

深夜番組は放送時間が短い場合もあるので、数百万くらいが相場ですが、中には100万円代で制作しなければならないということもあるようでスタッフはかなり試行錯誤しながら制作費のやりくりをしています。

ドラマ

地上波のドラマの場合は1話あたり3,000万円程度であることが多いようです。
Netflixなどの有料配信サービスでは1話あたり1億円程度の予算がかかっていることもあるんだとか。
1話あたりの金額でこの金額だと、トータルでかかる費用はとてつもなく高額ということになりますね。

このように番組によって制作費用が大きく違うのは、番組の放送時間や視聴率によって、スポンサーの数などが変わってくることが関係しています。

ではテレビ番組におけるスポンサーとはどのようなものなのでしょうか?

テレビ番組のスポンサーとは

民放テレビ局の主な収入源はCMなどから得る広告収入です。
テレビ番組は間に何回かCMを挟みながら放送していますよね。テレビ局は番組放送中に流れるCMの枠を企業に買ってもらい、CMを放送することで利益を出しています。企業は番組の途中にCMを流すことで多くの視聴者の目に留まり、それが利益につながっていくという仕組みです。

つまり、テレビ番組のスポンサーとは、番組内でCMが流れたり、提供や協力などのテロップが出る企業のことです。

そのため、より多くの人に見てもらえる視聴率が高い番組はスポンサーがたくさん付き、制作費用の予算が高くなったりするということです。


テレビ局の収入源についてはこちらの記事も参考にしてみてください!
★check!!➡CM以外にも色々ある!現在のテレビ局の収入源とは?

番組制作費の内訳とは

番組制作費は番組によってピンからキリまでで幅があるとはいえ、深夜番組などの100万円代でさえ高額で、特番などの億単位になってくると想像もつかない位の費用がかかっているように感じますが、この費用は番組を作る上で、どのようなことに使われているのか、ここからはその主な内訳をみていきます。

人件費

【出演料】
番組に出演しているタレント、番組内でナレーションを担当するナレーターなどに支払います。芸歴や出演の際の立ち位置(MC、スタジオ出演、VTR出演)など人によって金額が異なります。豪華芸能人を揃えた番組を作るとなれば、ここの費用はかなり高額になります。
また、各タレントさんに付随するヘアメイクさん、スタイリストさんにも個別で必要が発生してきます。

【ディレクター等スタッフへの給料】
番組を担当している制作会社やディレクターなど番組制作に関わるスタッフに支払います。基本的に所属している制作会社などを通してお給料をもらいますが、フリーランスの場合、番組(局)から直接支払われることもあります。

【放送作家へのギャラ】
番組の企画や台本に関わる作家さんへのお給料。
こちらも所属会社に支払う場合とフリーランスで直接支払う場合があります。

技術費・編集費等

ロケの際に発注する技術会社に支払うお金、機材のレンタル代など撮影にかかる金額も高額です。
また、映像編集、音声編集、テロップ編集など箱で編集する時に発生する費用も、スタジオ収録に向けて、収録後放送に向けて、数十時間編集所を利用することになるため、こちらの費用も、ゴールデン帯の場合にはかなりの金額になります。

スタジオのセット、美術制作費

スタジオのセットはレギュラー番組などで既存のセットなのか、特番などで新規でセットを作るのかによって金額も異なってきますが、セットを建てる際に発生します。
また、美術に衣装や小道具などの発注をした場合にも費用がかかります。

その他

ロケバスやロケの際のロケ場所の使用料、撮影申請にかかる費用、お弁当代、小道具・備品などの買い出しをした際の費用、放送時に使用する差し込み素材費などテレビ番組制作において他にも細かい費用がかかります。

番組予算は誰が決めている?

番組予算を決める際に非常に重要な役割を果たしているのがテレビ局の編成局または編成部などと呼ばれる部署です。
編成とはどの局にも必ずある部署で、テレビ番組の放送時間やどんな番組を放送するかなど、番組表を決めており、テレビ局内の中枢となる部署です。
編成はテレビ局のほぼすべての部署と関わりを持っており、番組の企画内容、番組のタイトル、放送する時間帯、番組制作費の予算など番組全体の編成にかかわる仕事を担っています。

新しい番組を立ち上げる際、テレビ局のプロデューサーや制作会社のプロデューサーなどが企画を編成に提出します。そして、その企画を元に編成のスタッフ営業のスタッフで放送時間やスケジュール、予算などについて話し合い、決定していきます。

予算が決まったらその予算内でどのようなことができるかプロデューサーや演出等で話を詰めて、番組作りが進んでいきます。


テレビ番組の企画の決め方についてはこちらの記事も参考にしてみて下さい!
★check!!➡テレビ番組の企画はどうやって決めてる?企画の集め方や決まるまでの流れを徹底解説!

まとめ

今回はテレビ番組の制作費について解説してみましたがいかがだったでしょうか?
1つの番組を作るのにはかなり高額な費用がかかるということがお分かり頂けたかと思います。たとえ出演者が少ない番組でも、過去の映像や海外の映像を使用する場合は素材料が高くかかったり、海外ロケが多い番組はロケ費用が高額だったりと番組の特徴によってお金がかかる部分に差があります。
ADが直接大きなお金を動かす機会は少ないですが、様々なところで高額なお金がかかっていると思うとプロデューサーやAPがちょっとした雑費などを少しでも抑えたいと思う気持ちも頷ける気がしますよね。テレビ業界で働く際はこういった予算にも気を遣うことができたら、優秀なスタッフだと褒められるかもしれません!