テレビ番組の完成度をグンと引き上げる職人!音効さんの仕事とは?

テレビの仕事と一言で言っても、バラエティ番組のディレクターやドラマの助監督、メイクさんに衣装さん…様々な仕事があります。今回は、皆さんからは目立たない存在かもしれませんが、番組の完成度に大きな影響を与える「音効さん」と呼...


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テレビの仕事と一言で言っても、バラエティ番組のディレクターやドラマの助監督、メイクさんに衣装さん…様々な仕事があります。今回は、皆さんからは目立たない存在かもしれませんが、番組の完成度に大きな影響を与える「音効さん」と呼ばれる仕事について見てみましょう。

音効さんの仕事とは

テレビ番組のスタッフからは「音効さん」と呼ばれる人。一体何の仕事なのでしょうか。実は「音効」とは「音響効果」の略称。つまり「作品に音を付ける」というお仕事です。
まずはその「音」とは何なのか。その種類に注目してみましょう。

 

選曲

おそらくみなさんにとってイメージしやすいのは「選曲」の工程です。スタッフが編集した映像を見ながら、「どこにどんな音楽が必要か、何が効果的か」をひたすら考えていきます。その影響力は絶大で、現場のスタッフは「音効さんの音楽がつくと、番組が仕上がってきた感じがする」という人も多くいます。

同じディレクターが作った番組でも、選曲で作品の印象はガラリと変わりますから、音効さんは作品を深く理解する必要があります。悩んだときには、いくつかパターンを用意することもあります。バラエティ、報道、情報、ドキュメンタリー、ドラマなど作品のジャンルは様々ですが、作品の狙いに沿った選曲が必要な点は同じです。

音楽を選んだあとはどこでかけ始めてどこで終わるのが効果的かを考えるのも音効さんの仕事です。この辺りはかなり技術が求められるところで、みなさんがテレビをみていて違和感なく没入できるのも、音効さんの仕事が素晴らしい証拠といえるでしょう。

効果音

音効さんがつけるのは上記で紹介した音楽だけではありません。「効果音」と言われる音も音効さんの担当分野で作品のクオリティーを高める重要な要素といえます。効果音は大きく2つに分けることができます。

①エフェクト音
みなさんがイメージする効果音といえばバラエティなどでよく聞く「シャキーン」「キラリン」といった音が多いかと思います。不自然さを感じさせずにつける必要があるので、音効さんの作業の中でも終盤につけられる音です。

②現実音
ドラマで聞く足音・談笑などの音を「現実音」といいます。イメージしやすいのはドラマのアクションシーンで、喧嘩をしている2人のシーンに「ボコッ」という音や倒れた時に「シュッ」と地面に転がる音をつけてよりリアルに見せたりします。他にも、主人公が閉じ込められる場面では扉の閉まる音を大きくしたり、静かな環境をアピールするために虫の鳴き声をつけたり、現実音の種類は多岐に渡ります。
自然な効果音をつけるために音効さんが外に出て交差点の音を録ったりすることもあるそうです。このように、普段から音を録りためるといったことも音効さんの大切な仕事です。

生放送

実は音効さんは生放送でも活躍します。リアルタイムで音を選び、かけるという仕事なので、緊張感はかなり高まりますが、このような仕事を任されることは音効さんのやりがいでもあるといいます。

似ているけど全然違う!「MA」という仕事

音効さんと似ている仕事として「MA」という仕事が挙げられることが多くあります。しかし、音効とMAは大きな違いがあります。音効さんは「音楽をつける」というデザインを担う一方、MAは音の大きさを調整したり、バランスを整えたり、時には音を消すといったことも行います。

バラエティ番組の制作を例にとると、ディレクターが編集を行った素材を基に、音効さんの作業やナレーションの収録などが進みます。それらの音データが全て揃った上で、最終的に“整える”のがMAです。

似ている仕事ではあるので、MAと音効さんの連携は重要です。時には両方兼務する人もいます。

音効さんに必要なスキル

音効さんは視聴者に違和感を与えずに、音で映像の完成度をあげることが仕事です。つまり、必要なスキルはずばりセンス。これは個人の感覚だけを指すのではなく、演出意図の理解の深さ、プロデューサー・ディレクター(または監督)との連携も含めて養われるものです。今「自分にはセンスがない」と落ち込む必要は全くありません。

また、制作現場はかなりギリギリのスケジュールで進むことが多いです。音をつけたり調整する仕事は映像制作の中でも最終段階で行われる作業のため、かなりギリギリに映像が届くことも多くあります。また、早朝から深夜までテレビ番組はあるため、音効さんの仕事は時間が不規則になりがちです。そういった面では体力も必要な仕事になります。

音効の仕事に就くには

一般的には、大学や短大・専門学校を卒業後、映像制作会社や音響効果会社へ就職します。この学部で勉強しなければならない、と言った縛りはなく、4年制の大学や短大、専門学校、音楽大学、芸術大学出身など様々な人がいます。学校で学ぶことももちろん大切ですし、音効さんになりたい!という人は音に特化した学部や演出系の学部に進むのが良いともいえます。しかし現場に出てから学ぶことの方が圧倒的に多いので、いま音楽の専門知識がないからといって諦めることはありません。実戦で学びましょう。

「音響効果 会社」と調べればかなりたくさんの会社が出てきます。どんなジャンルの番組をやっている会社なのか、強みは何かなど、それぞれの特徴を意識して調べましょう。
おすすめは、好きな番組のエンドクレジットで音響効果を担当している会社をみてみることです。たくさんの会社があるので、最初は好きな番組から調べた方が楽しいかと思います。

まとめ

今回は、音効さんのお仕事についてみてきましたがいかがだったでしょうか。音効という仕事を知らなかった人も多いと思いますが、内容を聞くとかなり作品への影響が大きい仕事であると分かっていただけたかと思います。
テレビは本当にたくさんの種類の仕事の人が協力して出来上がるものです。他にもみなさんが知らない陰の立役者はたくさんいますし、番組スタッフすら把握できていない仕事もあるくらいです。テレキャリアでは多くのテレビに関連するお仕事を紹介しています。「テレビが好きだけど何をしたいか具体的にわからない」といった方、時間がある時に他の記事も色々みてみると新たな発見があることでしょう!