【元ADが語る業界裏話】「テレビ局内を徹底解説!」

ADが働くテレビ局ってどんなとこ? 拘束時間がどうしても長くなるADのお仕事は大半はテレビ局内(もしくは制作会社内)で作業をおこないます。局内でADがどのような過ごし方をしているのかご存知でしょうか。 なかなか踏み入れる...


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ADが働くテレビ局ってどんなとこ?

拘束時間がどうしても長くなるADのお仕事は大半はテレビ局内(もしくは制作会社内)で作業をおこないます。局内でADがどのような過ごし方をしているのかご存知でしょうか。
なかなか踏み入れる機会のないテレビ局の内部を今回は紹介していきたいと思います。

ちなみにADの仕事内容に関しては
テレビ番組制作の裏方「AD」の仕事内容を徹底解説!をご参照ください。

 

 

番組スタッフルーム

番組の局内常駐スタッフが大半の時間を過ごすのは各番組に振り分けられたスタッフルームです。個室になっているパターンやフロア全体の中で番組ごとにデスクが与えられているパターンなどがあります。

報道局はすぐに速報を伝えられるよう報道フロアというニューススタジオに直結したところで仕事をします。

 

近年は局内でもフリーアドレスが進み、個人にはロッカーが与えられて私物はそこで保管することが多くなっています。バラエティADの場合、ロッカーに着替えや靴などを置いていつ泊まり作業が出ても対応できるようにしている人も多いです。

 

 

アーカイブ室・レコードライブラリー

テレビ局で過去に放送した番組映像や歴史的な映像素材を保管している場所がアーカイブ室になります。局が撮影して所有する情景素材などもこちらに保管されています。

他にもCDなどの音源も聞けるようにレコードライブラリーも併設されている場合が多いです。

 

過去の映像を使う際は一度リサーチをして必要な素材を準備します。
例えばゲスト出演者の紹介VTRとして過去に出演したドラマの映像を使用する際は自局が持つ映像を使うことが多く、アーカイブで使いたいシーンを探して搬出する作業を行います。

昔の映像をたくさん使う番組を担当するとアーカイブ室に1日籠って作業する…なんてことも少なくありません。

 

収録スタジオ・楽屋

テレビ局と聞いて多くの人が一番に想像するのは収録スタジオかもしれません。
帯の生放送番組や報道番組は毎日のようにスタジオから放送されていますがレギュラーのバラエティは隔週に1度の収録の場合が多いです。

なので常にスタジオにセットがあるわけでもなく、スタジオによく行くかというとそうではありません。だいたい収録前日からスタジオでの作業が行われます。
美術部がすごいスピードでスタジオセットを準備するのでADも持ち込む備品などの準備を行います。準備から撮影、片付けまでADは立ち会うことになります。

 

楽屋は出演者が来る前にセッティングをして、帰ったあとに片付けをします。

楽屋と聞くと華やかな芸能人がたくさんいるイメージがありますが、ADが出演者と話す機会はほぼありません。ディレクターが打ち合わせをする際に同行したり撮影時間になったら呼びに行ったり…などで楽屋に行く機会はあります。

 

 

 

備品倉庫・美術倉庫

スタジオのセットがコンパクトに分解されて置いてある美術倉庫や、撮影に使う小道具などがおいてある備品倉庫など局内には倉庫がいくつかあります。
ADは指定された美術品をピックアップしに行くことがありますが、よく見る番組のスタジオセットなどがたくさん置いてあるので倉庫に行った際にはキョロキョロ周りをみてしまう人も多いと思います。

 

他にも収録前には事前に発注したフリップを取りにいくので普段は関わらない美術部の部屋周りに行くことも多くなります。

 

 

会議室

局内にはいたるところに会議室があるので最初は会議室名と場所を覚えるのが大変です。

ADがスタッフルームの次に滞在時間が長いのは会議室かもしれません。
それくらい番組制作は打ち合わせが多くあります。

多くの番組で会議室を共有しているので使用の際は予約必須です。色々なところに会議室はありますが、番組の打ち合わせの数とくらべると部屋は足りません。急な打ち合わせなどは他の番組のスタッフに掛け合って会議室を貸してもらったり交換したりします。

1年目のADは会議室を確保することが最初に任される仕事になるパターンもあります。

 

編集室、プレビュー室、納品室

外部の編集室を使う場合もありますが局内にも編集室があります。情報番組などの、納品時間に追われている番組は局内の編集室を使用する場合が多いです。

編集室にはエディターという編集専門のプロがいて、ディレクターの指示を受けて映像の編集を行ってくれます。ADもその場にいて必要な映像の準備や情報が間違っていないかなどのチェックを行います。

編集が終わって完成した映像をプレビューする部屋も局内にはあります。
大きな画面で音もよく聞こえる部屋で、テロップの間違いや変な音になっていないかなど最終チェックを行います。

そこで問題が無ければ納品室にテープを持って行って放送までの仕事は完了になります。

 

 

制作以外の他部署のフロア

当たり前ですがテレビ局には制作部以外にもたくさんの部署があります。
営業や編成などのフロアにADが直接行くことは少ないですが、宣伝部や広報部に番組の情報の資料を届けたりなどする場合もあります。

 

著作権を扱う部署や校閲部などにも電話で問い合わせを行ったりと他部署と連携をとることも多いです。

他のフロアで働いている人の多くはスーツやオフィスカジュアルな服装をしているので、ADなどの制作部の人がいるとカジュアルすぎてすぐわかります。

 

 

シャワールーム・仮眠室

実はテレビ局にはシャワールーム、仮眠室が完備されています。
使用する際に申請は必要ですが、どうしても泊り作業になる場合でもシャワーを浴びることが可能です。

数は限られているため順番待ちのことも多いですがシャワーを浴びることができるだけでとてもありがたく思います。終電後の深夜帯は特に混み合うのでタイミングを見計らうことが必要です。

 

 

コンビニ・カフェ・食堂

ほとんどのテレビ局内にコンビニが常設されています。24時間営業のコンビニはADの強い味方になります。会議や編集時に用意する飲み物やお弁当も買えますし、楽屋に準備しておくお菓子を買うこともあります。

 

テレビ局で働いているとデスクワークがしんどくなって気分転換に用もないのにコンビニに散歩に行くADをよく見かけます。深夜の間食が増えるきっかけになってしまっている気もします。

 

カフェや食堂は営業時間は限られますが、特別に視聴率が良かった際には食堂が解放され無料でご飯を食べられるというイベントがあることもあります。社食無料の日はこんなに局内で人が働いているのか…!とびっくりするくらい混んでいます。

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。
広いテレビ局内の一部分をご紹介しました。

なかなか一般の方は入る機会はありませんが多くの番組が作られ放送されているテレビ局はたくさんの人が仕事をしやすいように色々な工夫もされています。

 

テレビ局で働くと一言で言っても番組制作以外にも様々な部署があり色々作業も細分化されています。もし興味がある場合はテレビ局、もしくは局に人を派遣している会社の採用情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。