番組制作だけじゃない!テレビ局のお仕事
テレビ局といっても、一般の大企業と変わらない組織体制でたくさんの人が働いています。
人事部や経理部はもちろん、営業部や広報部があり、テレビ局ならではの部署だと
カメラ機材などを扱う技術部や動画配信を行うコンテンツビジネス部などがあります。
テレビ局の中には番組制作部のほかにどんな部署があるのか、また、そういった部署で働くにはどんな方法があるのか、ひとつずつ解説していきます。
つくる
制作局
テレビ局の看板部署である制作局は、コンテンツ内容ごとに
【バラエティ局】【情報局】【報道局】【スポーツ局】
【ドラマ局】【映画局】【アニメ局】
などと細かく分かれています。
テレビ局社員の場合、制作局の中で頻繁に人事異動があり各ジャンルの番組を渡り歩く人もいます。
技術局
番組制作にとって欠かせないカメラや音声機材を扱う技術職の部署です。
カメラマン、スイッチャー、音声担当、ビデオエンジニアなどのエンジニアが、バラエティー、スポーツ、情報番組、ドラマ、ニュースなど様々なコンテンツに携わります。他にもCGや編集など技術の力で、生放送や収録番組をよりわかりやすくする仕事もあります。
ちなみに、小道具を作る美術さんやセットを作る大道具さんは関連の子会社や専門の会社に局の案件を丸ごと委託している局がほとんどなので、志望している人は各局の関連子会社を調べてみるといいかもしれません。
イベント事業局
テレビ局はイベントも数多く企画・主催しています。
夏に開催される局をあげてのイベントや番組から派生したリアルイベントはもちろん、
ミュージカルや舞台、バレエ、クラシックコンサート、アートフェアなどのアート系、音楽フェスやアーティストライブなどの音楽系、プロ野球の試合やその他競技の試合などを主催するスポーツ系などその内容は多岐に渡ります。
業務内容としては、イベントの企画からPR、キャスティングやチケット販売計画など様々です。
届ける
アナウンス局
アナウンサーが所属しており、キャスター、実況者、ナレーター、番組MCなど、様々な役割に応じて情報を視聴者に伝えます。アナウンサー採用は他部署と別に行われ、就活対策も全く違います。
放送技術・配信技術
放送技術とは、CMを入れ放送品質を維持・管理する「マスター」や、ネットワーク局や国内外との信号を扱う「回線センター」、電波塔から電波を送信する業務などを行います。
また、配信技術はOAしたばかりの番組や過去の番組など局内のコンテンツを、放送によるテレビ視聴だけではなく、スマホやタブレット、PCなど多様なデバイスで視聴できるよう、インターネット配信を通じて生活者へ届ける業務です。
コンテンツビジネス局
配信アプリやホームページ、各種SNSやYouTube等を駆使し、局のコンテンツを広く届ける仕事です。企画やサイトの運用・管理を行います。
広報・宣伝局
新しく始まる番組やドラマ、局が主催するイベントの宣伝を行います。制作記者会見を仕切ったり、テレビ雑誌の記者を撮影現場にアテンドし取材してもらったりします。そのほかにも番組SNSの投稿や管理なども行います。
売る
営業局
地上波や配信のCM枠を売る仕事です。スポンサーのニーズに合う番組を提案し、CM枠を購入してもらうことで、その収入が結果的に番組制作費となります。番組とのコラボCMやイベントを企画するなど、テレビ営業ならではの業務もあります。
海外ビジネス局
テレビ局が制作したコンテンツ、またはコンテンツの企画そのものや、制作ノウハウなどのライセンスを世界各国に売る仕事です。最近ではネットフリックスなどで海外にも配信される日本の番組が増えてきています。
支える
人事・総務・経理
人事は採用や社員の研修制度や育成制度の設計・運営などを行い、総務は局内の設備を管理したり福利厚生の案内をしたりと様々な業務があります。経理は取引先との支払いのやり取りや設備、不動産、資金の管理・運用を行います。
権利処理
番組の映像の管理・権利処理や芸能事務所、レコード会社、権利者団体等との交渉 ・映像の権利者とのライセンス交渉、契約 ・映像の二次利用における交渉、契約などを行います。
考える
編成局
様々なジャンルの番組を、いつどの時間で放送・配信するか、どんな新番組を立ち上げるのかを考え決定します。新番組立ち上げの企画段階から参加し、協力制作会社を決めたり放送時間、放送枠を調整したりもします。
番組制作以外の部署で働くには?
では、これらのような番組制作以外の仕事をするにはどうしたらよいのでしょうか。方法は大きく分けて
①テレビ局に入社する
②派遣会社から出向する
の2つがあります。
テレビ局に社員として入社すれば、配属希望が通ったタイミングで希望の部署に就くことができます。
もうひとつ、派遣会社からこれらの部署に配属されるというルートもあります。
基本的にはADとして番組制作を経験したスタッフのセカンドキャリアという位置づけですが、約300人のテレビスタッフを抱える株式会社フォーミュレーションI.T.S.では実際に
〈テレビ朝日〉宣伝部、イベント事業部、ビジネス戦略部
〈日本テレビ〉権利処理デスク、アーカイブ推進部、
〈TBS〉海外ビジネス局、宣伝部、権利処理デスク
〈フジテレビ〉宣伝部
〈テレビ東京〉宣伝部
などといった部署にスタッフを派遣しています。
こういった部署は基本的に定時勤務で働き方が規則正しいので、ADを経験した後、自分の生活スタイルを重視しながらテレビ局の中で働き続けることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
テレビ局の中には番組制作以外にもたくさんの部署があるので、「テレビが好き」という気持ちがあれば番組制作に携わらずとも働くことができます。テレビ局社員になる事はとても狭き門なので、派遣会社などをうまく使って希望を叶えるのもいいですね。