SNSで一定数のフォロワーやファンをもつ人たちのことを「インフルエンサー」と呼び、最近は職業としても成立するようになりました。SNSをみていて憧れる人も多いのではないでしょうか。今回はその仕事がどのように成り立っているのか、みてみましょう。
インフルエンサーとは
インフルエンサーとは英語の “influence”(影響)が語源となっており、 インターネット上で大きな影響力をもつ人を指して使われる言葉です。また、Instagramであればインスタグラマー、YouTubeであればユーチューバーなどと言われることもあります。その強い影響力から、企業が自社商品やサービスの広告宣伝を行うためにインフルエンサーを起用することが増えています。このようなマーケティング手法を「インフルエンサーマーケティング」といいます。
インフルエンサーの収入源は?
ではインフルエンサーはどのように収入を得ているのでしょうか。
大きく分類すると以下の6つとなります。
1.広告収入
2.起用企業からの収入
3.アフィリエイト
4.投げ銭
5.メンバーシップ(サブスク)
6.グッズ販売など
媒体別の特徴
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、リアルタイムで情報を発信することができ、即時性が求められるニュースやトレンドを広めるのに適しています。短文での発信が主流であるため、フォロワーとのやり取りがスピーディであり、ハッシュタグを利用して広範囲に情報を拡散できます。企業は、インフルエンサーのX(旧Twitter)アカウントを通じて、特定のキャンペーンや新商品情報を迅速に拡散することができます。
Instagramは、ビジュアル重視のプラットフォームであり、特にファッション、料理、旅行などのジャンルで強力な影響力を持つインフルエンサーが多く活動しています。
インフルエンサーは、Instagramにおいて写真映えのする写真や動画を投稿することで、視覚的にフォロワーを引きつけます。また、ストーリーズやリール機能を活用することにより、フォロワーとの日常的なつながりを維持します。また、メッセージをインフルエンサーから受け取れたり、サブスクリプション制度もあったりと、より視聴者がインフルエンサーを応援しやすくなりました。
YouTube
YouTubeは、動画コンテンツを中心としたプラットフォームで、インフルエンサーは長尺の動画を通じて、深い情報提供や商品レビューを行うことが可能です。フォロワーはインフルエンサーの動画を通じて、商品の使用感や具体的なメリットを視覚的に理解することができるため、購買意欲が高まります。YouTubeは、他のSNSに比べて視聴時間が長く、インフルエンサーの影響力が長期にわたって持続するのが特徴です。また、ショート動画の視聴文化広まっているため、YouTubeショートを使って短い動画でPRすることも可能です。
TikTok
TikTokは、短尺動画を中心として、特に若年層に大きな人気を誇るプラットフォームです。
インフルエンサーは、エンターテイメント性の高いコンテンツを発信。特にダンスやチャレンジ動画が流行しています。企業はTikTokを活用することにより、若年層のフォロワーに対して新しい商品やサービスを楽しく紹介することができ、スピード感のある拡散が期待できます。また、ハッシュタグチャレンジを利用したキャンペーンなど、フォロワー参加型の企画ができる点も特徴です。
インフルエンサーになるには?
インフルエンサーになるには、まず自分の強みや興味は何かを見極めるところから始めましょう。美容、ファッション、旅行、グルメなど、特定の分野に焦点を絞ることで、ターゲットとなるフォロワー層が見えやすくなります。
またその特定の分野の中で、他のインフルエンサーにはない自分らしい個性や独自性を出すことで差別化を図ることも重要です。
次に、どのSNSを使うか考えます。インスタグラム、YouTube、TikTok、X(旧Twitter)など、自分に合ったSNSプラットフォームを選んで、できるだけ多くの人に見てもらえる機会を増やします。
しかし誰もがインフルエンサーになれるとは限りません。SNS活動を始めた人は、どこまで忍耐強く努力を続けることができるかが問われます。インフルエンサーの中には短期間でフォロワーを増やせる人もいますが、すぐにフォロワーが増えなくても、地道にファンを増やすことを目指しましょう。
インフルエンサーが注目を集める理由
インフルエンサーが注目を集める主な理由は、その影響力の大きさにあります。従来の広告と異なり、インフルエンサーが発信するコンテンツは、フォロワーにとって身近で信頼性が高く感じられるため、より自然に商品やサービスが認知されやすいのです。また、インフルエンサーは特定のコミュニティに強い影響力を持つことから、企業にはターゲット層に直接リーチできるという利点もあります。
インフルエンサーの分類
インフルエンサーは、そのフォロワー数や影響力の大きさに応じて、いくつかのカテゴリに分類されます。代表的な分類として、メガインフルエンサー、ミドルインフルエンサー、マイクロインフルエンサー、ナノインフルエンサーがあります。
メガインフルエンサー
メガインフルエンサーは、100万人以上のフォロワーを持つ、非常に高い影響力を持つインフルエンサーです。主に芸能人や国際的なスポーツ選手などの著名人がこれにあたり、その発信内容は全世界に向けて拡散されることが多いです。メガインフルエンサーを活用することで、企業は広範なターゲットに一気にリーチすることが可能ですが、その分費用も非常に高額になる傾向があります。大規模な広告や対象範囲が広いもののPRに向いているといえるでしょう。
ミドルインフルエンサー
ミドルインフルエンサーは、10万人から100万人のフォロワーを持つインフルエンサーです。
特定のジャンルやテーマにおいて強い影響力を持ち、その分野に特化したコンテンツを発信しています。企業がミドルインフルエンサーを起用するメリットは、メガインフルエンサーほどのコストがかからず、かつターゲット層に対して効果的なアプローチができる点です。発信内容に対するフォロワーの反応が良いことが特徴です。そのため、特定のターゲット市場に対して、より深くリーチすることが可能となります。
マイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーは、1万人から10万人のフォロワーを持つインフルエンサーです。
特定のコミュニティやニッチな市場に強い影響力を持っており、そのフォロワーは彼らの発信内容に強く共感しています。企業がマイクロインフルエンサーを活用する場合、その発信内容がフォロワーに非常に信頼されていることから、口コミ効果が期待できます。彼らは、地域や特定の趣味に特化した発信を行っており、企業はその特性を生かしてターゲット層へダイレクトにリーチできます。
ナノインフルエンサー
ナノインフルエンサーは、数千人から1万人のフォロワーを持つインフルエンサーで、最も身近でリアルな影響力を持つ存在です。特定の地域や小規模なコミュニティに密着しており、フォロワーとの関係性が非常に強いことが特徴です。地元のビジネスや小規模な企業にとっては、費用も非常に抑えられるため、コストパフォーマンスの高いマーケティングが可能です。しかし、彼らの発信するコンテンツは、フォロワーにとって非常に身近で信頼性が高く、その影響力は大きいのです。
※要注意!「PR」の表示
広告や宣伝だと気付かれないように商品・サービスをPRすることをステマ(ステルスマーケティング)といい、2023(令和5)年10月1日から法律に基づく規制が開始されました。今後は「ステマ=景品表示法違反」となりました。投稿には必ず#PRや#プロモーションなどの表記を徹底しましょう。
現在のインフルエンサーのトレンド・傾向
では、今どのようなインフルエンサーが流行しているのでしょうか。なんといっても美容系YouTuberといえるでしょう。例えば「やみちゃん」が37.5万人、「水越みさと」が89.1万人、元NMB48の吉田朱里は99.5万人、メイクアップアーティストの小田切ヒロは132万人フォロワーがいて、美容系Youtuberの母数が増えているにもかかわらず大躍進しています。ミドル価格帯のコスメや韓国コスメが増えていく中で発信できる情報量も増えており、今後ますます盛り上がっていくジャンルかもしれません。
まとめ
今回は、インフルエンサーについて、全体像をまとめてみましたがいかがでしょうか?最初は話題になるには難しいかもしれませんが、ジャンルを絞って発信し続けることでフォロワーが増え、収入源も増えていきます。得意なジャンルがある、気軽に発信してみたいという気持ちのある方はまず第一歩、投稿をしてみてはいかがでしょうか。