映像ディレクターの年収はどのくらい?
映像ディレクターの年収は、人により大きく異なります。どのような部分で年収に差が出るのでしょうか。
雇用形態によって差が出る
映像ディレクターは、雇用形態によって年収に差が出ます。正社員として働く場合の平均年収は454万円程度です。国税庁の統計調査によると、日本人の平均年収は443万円ですので、平均的~やや高めの年収といえます。
派遣社員として働く場合は平均300万円前後と、正社員よりも低めの年収になる可能性があります。
出典:「令和3年分民間給与実態統計調査」(国税庁)
勤務年数によって差が出る
映像ディレクターの年収は、勤務年数によっても差が出ます。どのような番組に携わってきたか、どんな番組が作れるかが作品制作に影響するため、実務経験が多くスキルが高いほど年収も高くなるのです。
勤務年数が10年を超えるなど、経験や実績が豊富で人気がある映像ディレクターの場合でバラエティ番組の兼任が多いと、年収が1,000万円以上になるケースもあります。
情報、報道番組の場合は専属で動くため、年収700〜800万円程度です。
未経験~5年目くらいまでは、アシスタントディレクター(AD)として経験を積むのが一般的で、年収は300万円程度になることが多いでしょう。
ADとして働く期間の年収事情については、以下の記事にて詳しく解説しています。
映像ディレクターの魅力
映像ディレクターは、5年程度の下積み期間がある、独り立ちするまでの苦労が多い仕事です。
しかし、努力するだけの価値がある仕事です。続いては、映像ディレクターという仕事の魅力についてご紹介します。
実績次第で年収アップが期待できる
映像ディレクターの魅力のひとつが、実績次第で年収アップが期待できることです。勤続年数が長くなり携わった映像作品が増えることは、スキルの向上につながります。その評価が年収アップにつながるのです。
携わった映像作品のなかから高い評価を得られるものが出れば、次の作品を任されるチャンスが生まれます。キャリアを重ねて独立できるほどの実力がつけば、独立して新しい制作会社を立ち上げる方もいます。
携わった映像作品の評価がやりがいになる
携わった作品が評価されることで、やりがいを感じられることも映像ディレクターの仕事の魅力です。
Webサービスの普及により、昔よりも映像作品が多くの人の目に触れやすくなっています。また、WebメディアやSNSなどを見れば、どれほどの反響があったのか、視聴者がどのような感想をもったのかなど、簡単に評価を可視化できるようになりました。
多くの映像作品があふれるなかで、自分のアイディアや携わった作品が評価されれば、やりがいや達成感もひとしおです。
仕事の幅が広がっている
仕事の幅が広がっていることも、映像ディレクターの魅力として挙げられます。
近年はWebメディアや広告などでも映像作品が使われるようになっているため、テレビ以外にも映像ディレクターの活躍の場が広がっています。
培ったスキルや実績を生かして、新たな仕事にチャレンジしたり、年収アップを目指したりすることも可能です。
ただし同時に、誰でも動画を撮って公開できる時代でもあるため、映像ディレクターとしてのスキルを磨き、「やはりプロは違う」と思われるクオリティの作品を生み出す実力が重要です。
映像ディレクターを目指す方法
ここでは、映像ディレクターを目指す方法をご紹介します。
映像・芸術・放送系の大学や専門学校で学ぶ
映像ディレクターになるには、映像制作に関する知識やスキルを身に付ける必要があります。
映像・芸術・放送系の大学や専門学校などに通い、映像制作の基礎知識を学ぶのもひとつの手です。必ずしも、映像の勉強を学生時代にしていなければならないというわけではありませんが、学校の先生からの紹介で撮影現場のアルバイトなどを事前に体験できるかもしれません。
学校によっては就職先の斡旋があるのもポイントのひとつです。希望の就職先がある場合は、応募資格でつまずかないよう要項を調べたうえで学校を選びましょう。一般的に、テレビ局は大卒以上の学歴が求められます。
映像系の会社でアシスタントディレクターとして経験を積む
映像ディレクターは、制作の指揮者ともいえるポジションです。映像制作に関する幅広い知識やスキルが求められるため、経験がない人にはなかなか務まりません。
まずは映像制作会社に就職し、ADとしての経験やスキルを積みつつ、映像ディレクターを目指しましょう。
映像ディレクターとして高収入を目指すポイント
映像ディレクターは、実力次第で高収入を目指せる仕事です。具体的にどのように収入を増やしていくか、ポイントを解説します。
映像プロデューサーを目指す
映像制作の指揮者ともいえるディレクターですが、その上にプロデューサーというポジションがあります。
映像プロデューサーにキャリアアップできれば、それに比例して年収も上がります。
ディレクターが制作指揮を執るのに対し、プロデューサーはプロジェクト全体の総責任者として制作チームをまとめる役目を担います。
スタッフの選定や予算、スケジュール管理、芸能事務所との出演交渉なども行うため、実際の制作現場の現状を知ったうえで、プロジェクト全体を支える広い視野やスキルが必要になります。
フリーランスになる
映像ディレクターとして高収入を目指すなら、フリーランスとして働くのもひとつの方法です。フリーランスなら会社の縛りなくさまざまな番組を兼任できるため、正社員と比較して稼げる可能性があるのです。
ただし、フリーランスとして稼ぐには、多くの現場から求められるほどのスキルや実績が必要です。仕事を獲得するための営業力や、スムーズに仕事を進めるためのコミュニケーション能力なども求められます。
仕事量が収入に直結するため、高収入が期待できる反面、収入がゼロになるリスクもあることは理解しておきましょう。
スキルアップする
映像ディレクターになるために必要な資格はなく、経験や実績がものをいいます。
とはいえ、仕事に生かせる資格はあるので、得意分野をアピールするために取得を検討するのも良いでしょう。特化したスキルが認められれば、年収アップにつながります。
大手に転職する
年収アップを目指すなら、大手制作会社に転職することも検討してみましょう。例にもれず、映像制作の業界においても、中小企業よりも大手のほうが年収が高い傾向にあります。
ただし、大手は待遇が魅力的なだけに競争率も高く、求められるスキルや実績も高度です。ほとんど経験がない状態で大手に就職するのは難易度が高いため、ある程度経験を積んだうえで転職を検討しましょう。
まとめ
多くのメディアで映像作品が使われるようになった昨今、映像ディレクターの需要は高まっています。
作品を世に出すことのできるクリエイティブなやりがいある仕事というだけでなく、正社員として働けば日本人の平均年収よりと同等~やや高めの収入が得られます。実績を積み、評価が高まれば年収1,000万円を超えるかもしれません。
映像制作に携わりたい、高収入を得たいと思っているなら、映像ディレクターを目指してみてはいかがでしょうか。