動画編集に携われる主な業種
動画編集に携われる業種として、最初に思い浮かぶのがテレビ局や映像プロダクションなどでの仕事ではないでしょうか。
テレビ局や映像プロダクションなどで動画編集者として働く場合、ディレクターと協力して、編集機器を使って映像を加工したり、編集したりすることになります。
具体的には、「ワーク起こし」「オフライン編集」「オンライン編集」「カラーグレーティング」といった作業を行い、映像を完成させるのが仕事です。動画(映像)編集者として熟達すると、自分のアイディアを活かせるシーンが増え、映像編集を担当した作品のクレジットに名前が表示されるようになるかもしれません。
動画編集者のなかには、映像データを編集するだけではなく、動画を撮影し作品として制作する仕事に携わる人もいます。
このタイプの制作には、ふたつのパターンがあります。ひとつは自分でテーマを決めて動画を撮影し、動画の加工、編集を経てYouTubeなどの動画共有サイトにアップロードするものです。
もうひとつは、クライアントの依頼に沿って動画を撮影し、必要な編集、ナレーションの収録などを行って納入するパターンです。この場合、クライアントや広告会社と契約を交わして仕事を受けることになります。
動画編集の業種分類(産業分類)は「情報通信業」
業種分類とは、統一基準によって各種産業を同質的グループに整理したものです。国内の産業構造やその変化を把握し、国際比較を行う目的で区分されました。
映像制作(動画編集)の産業分類については、平成25年10月に改訂された日本標準産業分類では、大分類として「情報通信業」に区分されています。中分類としての区分は、「映像・音声・文字情報制作業」です。
動画編集の仕事の流れ
動画編集者は、どのような流れで仕事を行っていくのでしょうか。動画編集の仕事の流れをみていきましょう。
1.クライアントへのヒアリングを行う
まずはクライアントへの丁寧なヒアリングを行い、どのような動画を制作したいと考えているのか、仕上がりのイメージを確認します。依頼主が満足できる動画を納品できるように、この段階でクライアントの要望をしっかりと汲み取ることが大切です。
そして、ヒアリングした内容を基に動画の企画や構成を考えます。さまざまなアイディアを出し、クライアントに確認しながら最終的な仕上がりのイメージをすり合わせます。
2.映像素材の編集作業を行う
提供された映像素材をカットして、必要な部分をつなぎ合わせていきます。動画のコンセプトまたは目的に沿ったものとなるように、順番や長さを調整しながら編集作業を行うことが必要です。
3.必要に応じてBGMやテロップを挿入する
大まかに動画を作成したら、必要に応じてBGMやテロップを挿入します。クライアントの要望に沿った動画になるようなデザイン、レイアウトを意識しながら、視聴者が惹きつけられるような動画に仕上げることも大切です。
4.納品する
作成した動画をクライアントに確認してもらい、必要であれば修正を行って納品すれば完成です。
動画編集者に求められるスキル
動画編集者は、以下のような動画編集・加工に用いられるツールや動画編集ソフトを操作できる必要があります。
・Premiere Pro
・Final Cut Pro
・After Effects
・Illustrator
・Photoshop
これらのソフトを使えるだけでなく、使いこなして動画のカットやテロップ、BGM、画像を挿入し、色調調整やサムネイル作成などができることを求められます。
動画編集者になるのに学歴や資格が問われることはないものの、高度な編集技術を身に付けることが動画編集者として成功できるかどうかに関わってきます。また、クライアントの要望に沿って予算内で動画を作成していくマネジメント力も欠かせません。
加えて、動画編集をスピーディーに仕上げることができると、1日に数多くの動画を編集することができるため重宝されるでしょう。
動画編集者になるには
動画編集者になるには、まずは動画編集の技術を身に付ける必要があります。独学で学ぶこともできるとはいえ、学校に通学して学ぶのが確実かつ効率良く技術を身に付ける近道といえるでしょう。
動画編集に必要な技術を身に付けた後は、動画制作を行っている企業に就職するか、動画編集者として独立してフリーランスとして働く方法があります。
動画制作の専門科目がある学校へ進学する
動画制作の専門科目がある大学や専門学校に行くと、動画編集の高度な技術を習得することができます。
大学であれば、美術大学や映像・芸術の学部がある大学を選ぶと良いです。動画制作の基礎から演出方法などを幅広く学べます。
動画編集者は技術職なので、撮影技術や編集技術をしっかりと習得することができる専門学校を選ぶのもおすすめです。専門学校では、機材や動画編集ソフトなどのツールの使い方についてもきちんと学べます。また、授業時間以外でもそれらの機材やソフトを使用できる環境が整っています。
現場経験が豊富なプロの方から学べる専門学校であれば、動画制作に必要となる技術についてより多くのことを学べるでしょう。
加えて、専門学校では個人のレベルに応じて学習が進められるので、授業に置いてきぼりになるということも避けられます。あるいは、習得の早い人であればさらに高度な技術についても学習することができます。講師から添削してもらうことで、誰もが効率良く、そして確実にスキルのレベルアップを目指せるのも魅力です。
動画制作を行っている企業に就職する
動画制作を行っている企業に就職する場合、大学や専門学校を卒業して新卒採用されるケースもあれば、転職活動を経て入社するケースもあるでしょう。人によっては、まずはアルバイトとして動画制作会社で働き、実務経験を積んだのちに正社員として採用される人もいます。
動画制作にはセンスがあると有利な面もありますが、必須条件ではありません。実際に動画編集者として働いている人の中には、センスの有無を問わず、実務経験を積むことで高度なスキルを身に付けて活躍している人もいます。
そのため、動画編集者として活躍するためには、常にアップデートされていく動画方法や技術、使用する動画編集ソフトについて学び続ける姿勢が大切です。
動画編集者として独立する
特定の企業に就職せずに、フリーランスの動画編集者として働くのもひとつの方法です。
独立して働く場合でも、いくつかの方法があります。ひとつは、大学や専門学校で動画編集の技術を習得したのちにフリーランスとして働く方法です。自分のやりたいことが明確な人や自分のペースで働きたい人は、企業に属さずに独立して働く方が向いているかもしれません。
ふたつ目は、企業に就職して、動画編集者として経験を積んだのちに独立する方法です。動画編集者には編集技術だけでなく、コミュニケーションスキルやクライアントの要望に沿った作品を作り上げるディレクションスキルも必要となります。企業で働くことで、それらのスキルを総合的に学んでいけるため、独立後もスムーズに仕事を進めていくことができるでしょう。
そのほか、YouTubeなどの動画サイトに、自身が制作した動画を投稿して技術を身に付けることで、プロになることもできます。簡単ではないものの、視聴者の心をつかむような動画制作ができれば、安定した収入が得られるようになるでしょう。
まとめ
今回は、動画編集に携われる業種、動画編集者になるにあたって必要となるスキルなどについて紹介しました。
動画編集者になるには学歴や経験、スキルが重視されることはないものの、基礎的な動画編集の知識をもっている程度では仕事を得ることは困難です。
動画編集ソフトをきちんと使いこなせる技術をもち、BGMやテロップの挿入、色素調整やサムネイル作成などができるようになっておくことが大切です。