今注目を集めているVTuber。
最近ではVTuber初の代々木体育館でのライブもおこなわれました!今回は、VTuberの仕組みから、VTuberを支えるスタッフまで解説します。
Vtuberは外見・年齢・性別を超えて活動できるという進歩的な業界
生身の人間ではなく、2Dや3Dのアバターを用いてYouTube動画を配信することで、顔出しせずキャラクターとして活動できるVtuber。
様々な業界に取り入れられ、今勢いに乗っている業界です。
動きはモーションキャプチャーで反映し、声はいわゆる「中の人」が吹き込んでアバターが生きているかのように作っていきます。外見や年齢、性別を超えて活動できるというのも面白いポイントですよね。
VTuberが動く仕組みとは?
では実際にその仕組みを見ていきましょう!
まずはVtuberに欠かせない技術『モーションキャプチャ』という映像技術についてです。
モーションキャプチャとは、物体や人間の動きのデータを取り込み、デジタル化する技術です。
動きを読み取るための機械を頭、腕、足などの各部分に装着します。
モーションキャプチャのカメラが1つ1つの動作を読み取っていくことで、同時進行で動きがキャラクターの動きに反映されます。
最近では、体の動きだけではなく喜怒哀楽の表情も読み取れるようになっています!
アバターの種類は2Dと3Dの2種類
VTuberのアバターには2Dと3Dがあります。
2Dアバターとは、平面上に描かれたイラストを加工して、アニメーションをつけたアバターのこと。2Dアバターに動作をさせること自体はできますが、真横や後ろを向いたり、一回転したりといった、少し複雑な動きは苦手としています。
一方で3Dアバターとは、3D専用のソフトを利用して動作や形をモデリングし、アニメーションをつけたアバターのこと。2Dアバターと違い、人間と同じ動きをすることができます。とはいえその分、多くの機材が必要になってきます。ただ最近は、個人で3Dアバターを制作するためのソフトも普及してきています。
2Dアバター、3Dアバターのメリットとデメリット
2Dアバター、3Dアバターのメリットとデメリットを書き出してみました。
2Dアバターのメリット
・3Dアバターの制作と比較すると、専用ソフトなどが不要なため、費用が抑えられる
・イラストをそのままVTuber化するため、作画の美しさが際立つ
・PC、Webカメラ、マイクなど、簡単な機材で配信が始められる
・配信アプリがあるため、スマホ1台で配信可能
2Dアバターのデメリット
・3Dと比較すると、可動範囲が限定される
・歌やダンスなどの配信には向いていない
3Dアバターのメリット
・3Dアバターの作成ソフトやアプリの種類が多いため、こだわった作り込みができる
・2Dアバターと比較すると稼働範囲が広がるため、さまざまな企画に取り組める
・3Dアバター専用の配信プラットフォームが存在するため、熱心なファンがつきやすい
3Dアバターのデメリット
・制作や配信機材に費用がかかるため、収益化しても黒字にするまでに時間がかかる
・動画投稿やゲーム実況、VRなどの専門知識が必要となる
・3Dアバターのキャラメイクソフトやアプリを使用すると、オリジナリティが出しにくい
撮影形式の仕組みや機材
続いて、VTuberが実際に配信するために、撮影方法に応じてどのような機材を準備すればよいのか、スマホとPCそれぞれに使用する機材をまとめてみました!
スマホを使う場合
スマホで配信を行う際は、アバター作成と配信ができるアプリをダウンロードすれば、簡単にVTuberを始めることができます!
顔の表情を追尾できる「フェイストラッキング機能」がついている機種を使うと、より視聴者が感情移入しやすくなるかもしれません。
おすすめのアバター作成&配信アプリ
・REALITY(無料 / iPhone・Android対応 / キャラ制作機能有り / 収益化有り)
・Mirrativ(無料 / iPhone・Android対応 / キャラ制作機能有り / 収益化有り)
・カスタムキャスト(無料 / iPhone・Android対応 / キャラ制作機能有り / 収益化無し)
スマホだと費用や手間が少ない分、手軽に挑戦できる一方で、キャラのカスタムができないアプリがあったり、使用するスマホの機種に制限があるというデメリットもあります。
パソコンを使う場合
ではPCでアバター配信を行う場合を見ていきましょう。
PCで配信を行う場合は、いくつかの周辺機器を揃える必要が出てきます。
以下に、書き出してみました。
・Webカメラ
・フェイストラッキングソフト(Webカメラで捉えた表情を、アバターに反映させるためのソフト)
・VR機器
・マイク
・動画編集ソフト
幅広いジャンルの動画配信に挑戦したい場合はPCを使う必要がありますが、機材をそろえるために初期費用は多少かかるのがデメリットといえるでしょう。
裏方で支えるスタッフたち
最後に、VTuberを裏方で支える仕事についてご紹介します!
VTuber業界で働きたい方は、必要とされる能力やスキルについておさえておきましょう。
VTuberを支える「マネージャー」
マネージャーは、VTuberの演者を管理する仕事です。
芸能マネージャーと同じく、スケジュール管理や営業先の企業への売り込み、社内外との各種調整、グッズ販売などを行なってサポートします。
演者が自分の魅力・長所を引き出して趣味・特技を活かせるように、マネージャーはブランディングの戦略・企画を立てることを求められます。
他にも、演者のモチベーションを高め、悩みを受け止めて一緒に解決するコミュニケーション能力も必要になってきます。
UIやUXを考える「デザイナー」
VTuberのキャラクターに魅力があっても、Webサービス自体が使いにくければユーザーの満足度は向上しないでしょう。
そのため、ユーザーがVTuberコンテンツを利用しやすくなるように、アプリやシステムのデザインを担当するUI・UXデザイナーの存在がとても重要です。
ユーザー視点に立ったデザインを企画・提案していくことがデザイナーには求められます。他にも、デザイナーはキャラクターやグッズのデザインも担当します。
アプリを開発する「エンジニア」
VTuber上の2D・3Dキャラクター制作や配信アプリの開発には、ゲーム開発向けの開発環境として有名なゲームエンジン「Unity」がよく使われています。
VTuber業界でエンジニアとして就職したい場合、Unity技術を習得しておくといいでしょう。
エンジニアの仕事内容は、VTuberのモーション・表情の制御や、ユーザーが操作するフロントエンド部分の開発、ユーザーから操作要求を受けるサーバーサイド側の開発なども担当します。
裏方でVTuberを支える「事務」
クリエイターやエンジニア以外に、事務職もあります。
例えば、人事や経理、資料の作成・社内調整などの一般事務を行います。
また、VTuberの活動にはコンテンツ制作上の著作権などの法律的問題が絡みやすいこともあり、法務関連の仕事もあるため、勉強しておくと就職に有利かもしれません。
VTuberの仕事の将来性
現在、VTuberとタイアップする企業は増えており、海外進出するVTuber事務所も出てくるなど、VTuber市場は今後ますます成長していくことが予想されています。
海外進出に関しては、人気VTuber「キズナアイ」の中国への進出して話題になりましたね。VTuber事務所で有名な「ホロライブ」では、海外向けに活動しているVTuberメンバーもいて、実際海外ファンのコメントやチャンネル登録者の割合が多くなっているといいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
VTuberという言葉が一般的になって久しいですが、一時的なブームにとどまらず、業界としてはまだまだ伸びしろが見込まれています。VTuber業界に興味のある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。